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4点に絡み“俊輔超え”も満足しない香川「結果を残し続けないと」

2016.03.29

シリア戦で2ゴールを挙げるなど4得点に絡む活躍を見せた香川真司 [写真]=兼子愼一郎

 香川真司(ドルトムント/ドイツ)が結果でエースとしての存在感を見せつけた。ゴール右にシュートが突き刺さり、待望の追加点が生まれると、5万7475人が詰めかけた満員の埼玉スタジアム2002は大きく沸いた。

 前日から鼻息は荒かった。「まずやることをやれば必ずチャンスは生まれる。そこを自分が決めるか決めないか」。24日のアフガニスタン戦では香川と同じポジションで清武弘嗣(ハノーファー/ドイツ)が4得点に絡む大活躍。「結果を残さないと評価されない」。目に見える“結果”が必要だった。

 1点リードの66分、そのチャンスが来た。エリア右で本田圭佑(ACミラン/イタリア)が折り返すとボールは香川のもとへ。半身の状態から胸トラップで反転し、左足を振り抜いた。「うまく冷静に打てた」と流れるようなプレーを振り返った。

 苦しい時間帯だった。55分に山口蛍(ハノーファー/ドイツ)が相手選手と競り合った際に頭を強打。58分には原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)が山口に代わって投入され、ボランチの位置に入った。その後から連続してミドルシュートを打ち込まれ、試合の流れがシリアに傾きかけていた。

「1点目を取った後になかなか2点目を取れなかった。流れもあるので、しっかりとしのいで2点目が取れたことで試合は決まった」

 グループ最大のライバル・シリアとの緊迫したゲーム。最初にスコアを動かしたのも背番号「10」だった。日本代表がシリア陣内に押し込んで迎えた17分。左サイドで宇佐美貴史(ガンバ大阪)からのショートコーナーを受けるとドリブルで相手DFに揺さぶりをかけて、ゴール前に球足の速いクロスを入れる。これを相手GKがパンチング。DFの顔に当たりそのままゴールネットに吸い込まれた。記録は相手のオウンゴール。

 86分にはカウンターから本田のゴールをアシスト。左サイドでボールを受けると冷静に右足に持ち替えて丁寧なクロスを送った。90分にはトドメの一撃。一度は相手GKに止められたがこぼれ球に鋭く反応し、4点目を奪った。

「まずはチームが勝つことが大事だった。求められた結果を出せたのは評価できる。ただ、それを次の試合も続けていかないといけない。今日は得点も取れたけど、それ以外にも良い形がつくれたことも評価したい」

 この日の2ゴールで中村俊輔(横浜F・マリノス)の24ゴールを超える25ゴール目を記録。「リスペクトしている選手の記録を抜けたのはいいことですけど、岡ちゃん(岡崎慎司)や(本田)圭佑くんみたいに取りつづけて、結果を残し続けないといけない立場だと思うので、それをしっかり自分に言い聞かせてまた次の試合に向けてやるだけ」。4得点に絡む大車輪の活躍にも満足することなく進化を続ける。

 グループ首位を決め、最終予選への切符を手にしたが、さらにシビアな戦いが予想される。「僕らの目標はシリアに勝つことじゃないし、2次予選でもない。最終予選もキリンカップの厳しい戦いもある。そういう相手に勝ち続けないといけない」。輝きが増したエースナンバー「10」が日本代表を先導していく。

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