アディダスジャパン株式会社は、サッカースパイク『X SPEEDPORTAL(エックス スピードポータル)」を発表した。
以下、リリースの通り。
プレースピードが急激に増す現代サッカーにおいて、縦への突破に必要な直線的な『スプリントスピード』はもちろん、方向転換や切り返しに必要な『ステップスピード』(アジリティ)や、スピードを落とした状態から相手を出し抜く瞬間的な『ゼロイチスピード』(クイックネス)という、異なる3つのスピードの重要性に注目が集まっています。
フィジカルコーチとしてサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の指導にあたる松本良一氏は、ここ20年間における試合展開の高速化の理由として、分析技術の向上と戦術の高度化を理由として挙げています。そして高い戦術がしのぎを削る世界で戦うためには、スプリントスピードのみならず、高強度のランを繰り返し走る力や、早い展開の中でも落ちない思考力と判断スピード、そしてデュエルの場面においてバランスを崩した状態からの素早いステップや、トップスピードへと瞬時に切り替える能力など、より多種多様なスピードがプレーヤーに求められるようになっていると話します。
アディダスは今回の商品開発にあたり、世界的なスピードプレーヤーからアマチュア選手まで、多くのアスリートへのヒアリングを実施。現代サッカーの進化とともに変わり続ける「スピード」の意味を改めて見直し、松本良一氏も「ピッチで必要とされるスピードのすべて」と語る『スプリントスピード』、『ステップスピード』、『ゼロイチスピード』の3つを実現する、革新的なテクノロジーを搭載した一足を完成させました。
本コレクションはアディダス ブランドセンターRAYARD MIYASHITA PARK・渋谷、アディダス ブランドコアストア名古屋・大阪・福岡・鹿児島、アディダス アプリ、アディダス オンラインショップ、その他全国のアディダスお取り扱い店舗にて7月20日(水)0時より順次発売いたします。
■フィジカルコーチ コメント:松本良一(サッカー日本代表フィジカルコーチ)
―――世界でのサッカーの戦い方やトレンドについて
2000年代のはじめから分析技術力が上がり、戦術やフィットネス面に関する議論が重ねられることによって、試合展開がよりスピーディーになってきています。ただスピードは上がりましたが、選手の走行距離は実はそこまで変化していません。変化しているのは、いわゆる「インテンシティ(強度)が高いランニング」と呼ばれる、時速約20キロ以上のランニング距離が伸びていることです。
高度な戦術を持つチームを相手に戦っていくには、それぞれの選手がその高強度のランをどれだけ繰り返せるか、繰り返し走る中で早い判断力や技術力を維持できるかが、特に重要になってきていると思います。この高いインテンシティの中で判断力と判断スピードを落とさないことこそが、戦術を作るために必須であり、日本代表における課題だと考えています。
―――サッカーにおける地面反力の重要性とトレーニングについて
サッカーにおいてもきちんとしたフォームで、良い状態で走ることは重要です。ただ現代サッカーにおいては1対1のデュエルと言われる場面で、体をぶつけ合いバランスを崩した状態になることが多いので、そういった中でアジリティや細かなステップワークを発揮するところから、いきなりトップスピードに入ることが求められます。そのため地面反力についても、まず基本となる力を加える方法を持ちながら、実際の練習で様々なトレーニングを与えることで、異なる場面においても良いタイミングで力を発揮できるようにしています。また、それぞれのポジションによって必要となるスピードは異なるため、トレーニングのアプローチも選手によって変わってきます。特に代表選手のレベルでは一瞬の判断からトップスピードに持って行くことが必要になるため、そこでコンマ1秒の差が出てきます。
―――スパイクの機能性・履くときに大切にすべきことについて
日本が世界に渡りあっていくためには、ポイントのひとつとなるのはやはりデュエルだと考えています。例えばボールを奪いに行く時、体を当ててふんばった時にしっかり止まれるのか。もしくはドリブルをしている際に相手に体を当てられバランスを崩した時、しっかりステップを踏めるのか。デュエルの場面でまずしっかり止まれる、そこからスプリントスピードに入ることができる、そういったプレーを可能にするスパイクの機能性があれば、日本のサッカーはより高いレベルへ行くことができると考えています。
スピードを高めるためには、良いフォームで走ることが重要であるものの、サッカーの場合は、色々なポジションによる特性というものがあります。そのため、まずは自分のポジション特有の動きをしっかり理解し実践した上で、履いているスパイクがその動きに合っているのか、ましてはそのスパイクによって自分の強い部分をさらに向上させることが出来るのかを判断することが大事だと思います。
【プロフィール】
松本良一(まつもと りょういち)
福岡県出身、中京大学大学院卒業。
学生時代に選手として活躍後、1999 年立正大学サッカー部フィジカルコーチに就任。その後ジェフユナイテッド市原・千葉、アビスパ福岡、サンフレッチェ広島などのフィジカルコーチを歴任し、2018年よりサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のフィジカルコーチを務める。JFA B級コーチライセンス保有。
「X SPEEDPORTAL」が持つテクノロジー
「X SPEEDPORTAL」は、新たに搭載された“スピードスキン2.0”や“ハイスピードスタビリティシステム”、アップデートされた“スピードフレーム 2.0”といったテクノロジーを兼ね備え、現代サッカーにおいてピッチ上でプレーヤーに必要とされるあらゆるスピードの向上を徹底的に追求した一足です。
また、サステナビリティにも配慮し、Xシリーズとしては初めてバージンポリエステルを一切使用せず、アッパーの50%以上にリサイクル素材を採用しながら、スパイクに必要とされる高い機能性を実現した1足です。
スピードスキン 2.0
さらなる軽量性と高いフィット感を追求。優れた軽量性で、主に1試合を通して多くの『スプリントスピード』に貢献。部分的に凹凸加工を施すことでボールのグリップ性も向上。またエックス スピードポータル+では、プライムニットの履き口を採用し、ミニマルなレースレス構造を実現。
ハイスピードスタビリティシステム
踵部分にはカーボンヒールロックと翼の形をしたスタビリティウィング、中足部にはサポートケージを採用し、踵の安定性を向上。ブレない踵で主に変幻自在の『ステップスピード』を可能に。
スピードフレーム 2.0
CARBITEXカーボンに加え、スタッド形状を改良し、前足部には2本のスタッドを採用。強い蹴りだしと推進力で、主に局面を制する『ゼロイチスピード』をサポート。
開発者コメント:Franzi Aurnhammer(アディダス シニアプロダクトマネージャー)
現代サッカーにおいて、ゲームのスピードは増す一方です。より早い攻撃、より早い反応、そしてプレーヤーにも更なる速さが求められており、「速さ」の質も時代とともに変わっています。今までは、直線的なスプリントスピードに注目が集まっていましたが、2022年のいま、スピードはより多元的になっており、メンタル面での速さやポジショニング、スペースの使い方など、異なる次元のスピードも重要視されるようになっています。
そのためアディダスは「X SPEEDPORTAL」の開発にあたり、スピードを武器にする世界的なプレーヤーたちがスパイクに何を求めているのか、徹底的にヒアリングを行いました。そこで分かったのは、フィジカルなスピードとメンタル面でのスピードは、どちらも同じくらい重要であり、スパイクには爆発的なムーブメントを可能にする機能性はもちろん、迅速かつ自律的な動きを可能にする『ゾーン』へとプレーヤーを導く力が必要とされている、ということでした。その結果生まれたのが、多元的なスピードを発揮することを可能にした「X SPEEDPORTAL」です。
「X SPEEDPORTAL」着用選手コメント
久保建英選手着用コメント
「X SPEEDPORTAL」は軽くてフィット感も良く、とても気に入っています。これから、プレースピードをさらに上げていくうえで、助けになってくれるスパイクだと思います。
浅野拓磨選手着用コメント
スパイクの中で足がずれてしまうと、スピードロスに繋がってしまいます。そういった点においても、「X SPEEDPORTAL」はしっかりとフィットしてくれるので、裏に抜けるスピードが持ち味の自分にとって信頼のおけるスパイクです。
X SPEEDPORTAL 着用予定選手:
久保建英、浅野拓磨、原口元気、武藤嘉紀、三好康児、菅原由勢、仲川輝人、齊藤未月、細谷真大、植木理子、遠藤純、宮澤ひなた、リオネル・メッシ、モハメド・サラー、カリム・ベンゼマ、セルジュ・ニャブリ、ソン・フンミン、トーマス・ミュラー、ガブリエウ・ジェズス、ダニエル・ジェームズ、フィフィアネ・ミデマー、ジェニファー・エルモソ、リンジー・ホラン、他
By サッカーキング編集部
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