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「ネイマール・ジュニア・ファイブ」のジャパンファイナルが開催…世界大会に挑む日本代表が決定!

2018.06.14

 6月10日、大阪城公園でアマチュア向けストリート・サッカーの世界大会「ネイマール・ジュニア・ファイブ」のジャパンファイナルが開催された。この競技はサッカーをベースに、ネイマールが考案したという下記のような独自ルールで行われる。

・四方を壁に囲まれたコート
・5対5(GKなし)、1試合10分
・得点する度に相手チームが1人退場
・終了時に多くの選手が残ったチーム、もしくは相手全員を退場させたチームの勝利

 目を引くのが“得点すると相手が1人減る”という斬新的なルールだ。これにより先制点の重要性が増し、ゴールを機に数的優位が生まれて試合展開が加速するなど、ネイマールのアイデアと哲学が盛り込まれた新感覚のサッカー競技だ。

 今回行われたのは、7月にブラジルで開催される世界大会に挑む日本代表チームを決める国内予選のファイナル。のべ155チーム、970選手が参加した全国各地の地区予選を突破した一般の部7チームと、今年から新たに創設された女子の部4チームが大阪に集まって熱戦を展開した。また、試合の合間にはフリースタイルフットボーラーの徳田耕太郎が卓越した技術を披露し、MCの西川大介と解説の北原亘は軽快なトークで会場を盛り上げている。

 女子の部の決勝は、フットサル女子日本代表の若林エリや加藤正美を擁するmarucoと、武蔵丘短期大学シエンシアの対戦となった。“フットサルvsサッカー”という側面もある試合で、武蔵丘短期大学シエンシアのサッカーU-17女子日本代表歴を持つ金勝里央がハットトリックを達成してチームを勝利に導いた。星野結佑希は「観戦したKING GEAR FCさんの戦い方を参考にして、大会中に選手配置や動き方をこのルールに適したものに調整しました」と勝因をあげている。世界大会の優勝チームには、なんとネイマール率いるチームとの試合が予定されており、金田千里は「ネイマールにハグされたいので頂点を目指します!」と飛躍を誓った。

 一般の部では準決勝で波乱が起こった。前回王者にして世界大会ベスト16の実績を持ち、元Jリーガーの宇留野純や加部未蘭を擁するKING GEAR FCが敗れたのだ。グループステージ全勝の勢いをもって攻勢に出たが、PKによる失点から崩れてしまった。試合終了の瞬間、コートを取り囲んだ観戦者や他チームの選手たちは声援や壁を叩いて、ジャイアントキリングを達成した磯スポレジェンズを賞賛している。準決勝もう1試合は残り1分までスコアが動かない接戦。終盤にPKを決めたFCあぷが、大阪大会ではセレッソ大阪U-18を破ってきたMSNに勝利して、決勝進出を果たした。

 決勝戦はパスをつないで攻める磯スポレジェンズと堅守速攻のFCあぷがシーソーゲームを繰り広げ、試合後半はお互いに少ない人数でコートを走り回る消耗戦となった。ここでハードワークを発揮したのがFCあぷ。守備から攻撃への素早い切り替えで追加点を奪って勝利し、日本代表の座をつかんだ。

 立命館アジア太平洋大学サッカー部の選手で構成されたFCあぷ。キャプテンの野村俊英は「走り回って守備を固める戦術が、このルールと上手くマッチしました」と笑顔を見せ、高校時代に全国高校選手権も経験している谷川隼は「ブラジルでも目の前の試合に勝つことに全力を注ぎます」と話した。『ツキだけで福岡大会を勝ち抜いた』、『全国大会は1勝が目標』と自らを評していたチームが、快進撃の末に日本代表の座を見事つかんでみせた。

取材・文=雨堤俊祐

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