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『adidas UEFA Young Champions 2015』…関東大会が終了し、日本代表が決定

2015.04.03

 4月2日、晴れわたるマリノスタウン(神奈川県横浜市)に若き日本代表を目指す中高生が集った。

 開かれたのは、『adidas UEFA Young Champions 2015』関東大会。「憎まれるほど強くなれ」というテーマのもと、6月に開かれる世界大会への切符をめぐって24チームがしのぎを削る大会だ。会場には、アディダスが展開する「There Will Be Haters」キャンペーンの特設ブースも出展。出場選手たちは皆、憧れのプロ選手がまとう最新のスパイクやウェアを手に取り、興味深げにスタッフの説明を受けた。

 ゲストとして大会に足を運んだセルジオ越後氏、“DJ JUMBO”こと中村義昭氏に見守られるなか、5対5のミニゲーム形式で試合は進行。予選リーグ、決勝トーナメントを勝ち上がったのは横浜創英高校A、横浜創英高校Bの2チームだ。同校対決となった決勝戦、選手はアディダスのスポーツウェアラブルシステム『miCoach elite(マイコーチ エリート)』を装着。ピッチ脇に設置されたモニターには、全選手の心拍数やスピード、走行距離などのデータがリアルタイムに表示された。

 日頃練習をともにする同校対決ということもあり、立ち上がりはヒリヒリとした固い展開が続いた。両チームともシュートチャンスは少なく、一進一退の攻防が繰り広げられる。

 後半に入ると、地力で上回る横浜創英Aが徐々に相手を押し込む。早々に左サイドから栗原迅平がポストをかすめるシュートを放つと、その直後の住田智樹のシュートは横浜創英Bの小林朋生がセーブ。試合を動かしたのは、横浜創英Aのカウンターだった。後半3分、横浜創英Bの安次嶺佑樹がクロスバー直撃のシュートを放つ。そのこぼれ球を拾った横浜創英Aがカウンターを仕掛け、抜け出した高橋祐飛がネットを揺らす。

 先制したことで余裕が生まれた横浜創英Aは、その後ボールを支配し、ゲームをコントロール。しかし、一瞬の隙を突いた横浜創英Bが試合を振り出しに戻す。高い位置でボールを奪ってカウンターを繰り出すと、菅原健太が左足を振り抜き1―1。

 その後は互いに見せ場をつくるも、両GKの好守により1―1でホイッスルを迎える。同校対決の行方は、3人決着のPK戦に委ねられた。両チームとも3人成功し、迎えた4人目。先攻の横浜創英Aのキッカー、稲積真樹の放ったボールがポストに嫌われると、対する横浜創英Bの中山勇が冷静にゴールに流し込み、4―3で決着。横浜創英Bが優勝を手にした。

「ハリル・ホジッチ監督が求めている以上に激しかった。『バーン』、『バチーン』という音が聞こえるくらい。ピッチが狭いのでシュートチャンスも多かったし、迫力があった」。大会を見守ったセルジオ氏は、熱戦を終えた選手全員に賛辞を送った。そのセルジオ氏に大会MVPに選出されたのは、横浜創英BのGK小林朋生、横浜創英Aの福田崚太に加え、ベスト4に進出した佐野日大高校の梅澤崚、同じくベスト4の水戸桜ノ牧高校、綿引悠太の4人。

「GKは文句ない。ミニゲーム形式では強烈なシュートも多いし、GKは重要。彼が一番活躍したと思う。(フィールドプレーヤーの3人を選んだのは)勝った負けたよりも、無我夢中になって『オレが行く』、『オレが取る』という部分で目立っていたから。それが間違っていなかったことをドイツで証明してほしい」と、MVP選出の理由を語るセルジオ氏。
選ばれた4人は、3月27日に行われた関西大会のMVP、大矢啓太(滝川第二高校)、鱧谷太亮(興国高校)とともに、ドイツで開かれる6月の世界大会に臨む。

 ビッグセーブを連発し、横浜創英Bの優勝を最後方で支えたGK小林は、「一対一が得意なので、それが世界でどこまで通用するのか確かめたい。“日本代表”という自覚をもって、しっかりやっていきたい」と決意を語る。惜しくも優勝を逃した横浜創英Aの福田は、「点を決めたわけじゃないですけど、縦パスをたくさん入れられたのがよかった」と自身のプレーを振り返り、「キックが得意なので、そこを生かしていきたい。行くからには、全部倒すくらいの勢いで」と世界大会への自信をのぞかせた。

 若き日本代表が対峙するのは、ドイツ、ブラジル、アメリカの選抜チーム。決戦の火蓋は、UEFA Champions League決勝の舞台ベルリンで切られる。

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