後半の立ち上がりに見事な一撃を沈めたB・ディアス [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ファーストレグが13日に行われ、ライプツィヒ(ドイツ)とレアル・マドリード(スペイン)が対戦した。
ヨーロッパの頂を目指す戦いも、ここからは負けたら終わりの決勝トーナメントに入る。初日の対戦カードでは、今や大会の常連となったライプツィヒと、最多14度の優勝を誇るレアル・マドリードが相見える。
今大会はグループCに組み込まれたレアル・マドリードは、6戦全勝と安定感のある戦いを披露。グループ内最大のライバルと目されていたナポリ(イタリア)相手にも、点の取り合いとなりながらもきっちりと2勝を記録した。今大会のグループステージで全勝を達成したのはレアル・マドリードとマンチェスター・シティのみ。2シーズンぶりの欧州制覇に向け、ここからは持ち前の“勝負強さ”を見せつけるステージだ。
一方で、ライプツィヒはグループGの戦いを2位で終えた。成績は4勝2敗。マンチェスター・シティ(イングランド)相手には2敗を喫したものの、ヤングボーイズ(スイス)、ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)相手には付け入る隙を見せず、2シーズン連続のグループステージ突破を決めた。2019-20シーズン以来のラウンド16突破に向け、ホームで大会の“盟主”を迎え撃つ。
両者は昨季のグループステージでも同居。レアル・マドリードのホームでは2-0、ライプツィヒのホームでは3-2と、それぞれがホーム開催の試合で勝利を収めていた。
現在センターバックに欠場者が続出しているレアル・マドリードは、直近の公式戦にあたるラ・リーガ第24節ジローナ戦(○4-0)ではダニエル・カルバハルとオーレリアン・チュアメニという本職ではない2名のコンビとなっていた。この試合にはナチョ・フェルナンデスが間に合い、チュアメニと中央でコンビを形成。カルバハルが右へ出る。また、ジローナ戦で負傷したジュード・ベリンガムは欠場し、代わってブラヒム・ディアスが起用。最前線はヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴが並んだ。
対するライプツィヒはこの試合に向けて万全の体制が整った。ベンヤミン・ヘンリヒス、ダニ・オルモ、シャビ・シモンズといった面々がスターティングメンバーに入っている。最前線には、現在ブンデスリーガで3試合連続ゴール中のベンヤミン・シェシュコ、そして4試合連続ゴール中のロイス・オペンダが並んだ。
試合は立ち上がりの2分、ライプツィヒが早速右コーナーキックを獲得。ダヴィド・ラウムが左足でインスイングのボールを蹴り込むと、ボックス内でGKアンドリー・ルニンにパンチングで弾き出されたものの、セカンドボールに反応したザヴェル・シュラーガーが右足を振る。バウンドしたボールがペナルティエリア内へ向かうと、最後はシェシュコがヘディングシュートでゴールネットを揺らしたが、オフサイドのため得点は認められない。
勢い良く試合に入ったライプツィヒはその後もチャンスを増やす。9分には右サイド高い位置を取ったモハメド・シマカンが中央へ預けると、オルモは絶妙なタイミングでスルーパスを供給。抜け出したシェシュコが右足で狙ったが、ここはGKルニンが立ちはだかった。
対するレアル・マドリードは高い位置でのボール奪取から素早い切り替えでゴール前へ迫るシーンを作っていく。19分には、ペナルティエリア手前でボールを奪ったトニ・クロースが右足でミドルシュートを放つも、ここはGKペーテル・グラーチの正面。B・ディアスやロドリゴがゴール前で顔を出す場面も作りながら、前半に均衡が破れることはなく、スコアレスで終了した。
後半に入ると均衡が破れる。48分、オペンダへのくさびのパスに対して、敵陣まで飛び出したナチョがインターセプトすると、フェデリコ・バルベルデ、カルバハルを経由してボールは右サイドのB・ディアスへ。巧みなフェイクで寄せてきたラウムを抜き去ると、細かいタッチのドリブルで網の目を潜り、ボックス右から左足を振り抜く。狙い澄ました一撃がゴールに吸い込まれた。B・ディアスがベリンガム不在の影響を感じさせない“個の力”を見せつけ、レアル・マドリードが先手を取った。
前半は良い45分間を過ごしたライプツィヒは、後半開始早々失点を喫することとなったが、その後も相手の隙をうかがってゴール前にボールを運ぶ。シェシュコやオペンダだけでなく、62分にはボックス右へ侵入したオルモが右足を振り抜いたが、シュートはジャストミートできずに枠を外れた。続く71分にはボックス手前右寄りの位置で前を向いたオルモが右足でミドルシュート。枠を捉えたものの、ここはGKルニンに弾き出された。
このシュートのセカンドボールもライプツィヒが回収したものの、エドゥアルド・カマヴィンガが跳ね返したところからレアル・マドリードがカウンターへ。B・ディアスが長い距離を持ち運んで左へ渡すと、ボックス左でパスを受けたヴィニシウスは切り返しから右足で狙ったが、転がしたシュートはポストに嫌われた。
終盤に差し掛かるとX・シモンズやシェシュコに決定機が到来するも、GKルニンが立ちはだかってゴールを死守。一方でレアル・マドリードは81分のシーンでB・ディアスが接触などない場面で右ふくらはぎを痛めてしまい、急きょルーカス・バスケスが送り出された。
最後の最後までライプツィヒはゴールを脅かす場面を作ったものの、GKルニンが好セーブを連発する。試合はこのままタイムアップ。レアル・マドリードがB・ディアスの圧巻の個人技で敵地でのファーストレグを制し、4シーズン連続の準々決勝進出へ一歩前進した。ライプツィヒは悪くない戦いを見せながらも1戦目を落としたが、アウェイのセカンドレグに向けて下を向いている時間はないだろう。
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By サッカーキング編集部
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