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「雑誌SK」アーカイブ|中東産油国はなぜ、サッカークラブを買うのか?

2020.03.31

中東資本がサッカー界に流れ込む背景を、中東経済の研究者・細井長教授に聞いた [写真]=Getty Images

[サッカーキング No.004(2019年7月号)掲載]

マンチェスター・シティの成功を考えるうえで、実質的なオーナーであるUAEのアブダビ・ユナイテッド・グループの存在を避けては通れない。同じくUAEのドバイにあるエミレーツ航空は多くのクラブのスポンサーとなり、パリ・サンジェルマンはカタールの投資部門が所有している。中東資本がサッカー界に流れ込む背景を、中東経済の研究者・細井長教授に聞いた。

インタビュー・文=坂本 聡
写真=野口岳彦、ゲッティ イメージズ

「国のイメージ」が重要になる理由

――まずお聞きしたいんですけど、先生はどうして中東地域をご専門にされたんですか? というのも、取材にあたって専門家の方を調べているときに困ったんです。研究者の方が少ないし、研究分野も素人には分かりにくい。なので一番優しそうな方に取材を申し込みました(笑)。先生の場合はどういうきっかけが?
 それが一番困る質問ですね(笑)。もともと中東の地域に関心を持っていたんですが、中東について研究されている方はほとんど、イスラム教が主要テーマなんですよ。もっと誰もやっていない分野はないかと思って、大学のときに学んでいた経済学を結びつけて、中東経済を研究する、ということで今に至ります。ただ、誰もやらないということは、あまりおもしろくないから、という面もありますが(笑)。

――そんな(笑)。ただ、研究するための情報を取ってくるのが難しそうだな、とは思います。
 情報がないですし、経済ですから統計が必要なんですね。その統計が本当に合っているかどうかを検証するのが難しい。それから、中東の国は都合が悪くなると数字を隠すんです。そういうところで苦労します。

――確かに中東地域は、ちょっとベールに包まれているような感じがあります。サッカーで言うと、昔はユース年代で中東勢が強かったんですね。A代表が弱い国でもユースが強くて、年齢をごまかして大人がプレーしてるんじゃないかと疑われていました。本当のところは分からないんですけど、そういうことを平気でやりそうだ、というイメージがあったんですよ。
 私はサッカーのことは詳しくないですが、他のスポーツでは選手を買ってますよね。特にカタールとバーレーンが、オリンピックやアジア大会の陸上競技でメダルを取るようになってきた。その人たちの出身地はほとんどケニア、エチオピアといったアフリカ諸国です。

2018年のアジア大会で、カタールは6つの金メダルを獲得。写真は男子400メートルで優勝したアブダレラ・ハルーン(スーダン出身) [写真]=Getty Images

――サッカーでもそうです。カタールとバーレーンは帰化選手が多くなっていますね。
 国外の有望な選手に国籍を与えて、お金をかけて育成して、メダルを取るという。いわば国威発揚みたいな形でスポーツを強化しているんです。

――それはもうストレートに「国のイメージを高めたい」ということですか?
 はい。カタール、バーレーンという名前を世界に伝える、広めることが目的です。

――そこがよく分からなくて。例えば冷戦時代の共産主義国は、国を挙げてメダル獲得を目指してました。思想統制で国民を統治していたから、国威発揚が必要だったと。これは分かるんです。だけど湾岸諸国の場合はその辺の事情がよく飲み込めないので、アラブの大富豪が遊びでやってるのかな、という見え方になってくるんです。
 遊びというよりは「お金があるからできる」という理解が正しいでしょうね。お金というのは、湾岸諸国の場合は石油産出による収入です。これはご想像のとおりですが。

――「レンティア国家」(天然資源収入による利益に依存する国)と言われますね。
 そうです。天然資源を国王が管理して、国民に利益を分配するシステムですね。その代わり国民に選挙権はなく、国王の言うことを聞きなさいという。なかでもUAE(アラブ首長国連邦)やカタールは、国の面積が小さくて人口も少ない。だから利益を国民に分配しても、お金がたくさん余ってしまうんです。

――湾岸諸国のなかでもUAEとカタールなんですか。
 そこは国によって違いがあります。サウジアラビアもオイルマネーはたくさん入るんですが、人口も多いので使えるお金が少ない。より多く使えるのがUAEやカタールで、余ったオイルマネーをそのままにしておくのはもったいないので、国際金融の流れに乗せて運用していくわけです。その一環としてヨーロッパのクラブチームにも投資すると。それから自国のスポーツ分野に投資して、メダルを取って国の知名度を上げる。そういうイメージアップも考えていると思います。

――ただ国の知名度が上がれば満足なんですか? つまり、UAEやカタールの名前が広まることで、彼らにどんなメリットがあるんでしょうか?
 それはもうシンプルに「悪いイメージを持たれたくない」ということなんですよ。最初にスポーツへの投資を戦略的に始めたのはUAEですが、きっかけになった事件があります。UAEはDPW(ドバイ・ポーツ・ワールド)という公営企業を持っているんですね。港を管理・運営する会社。2005年に、この企業がアメリカの港湾運営権を買ったんです。

――港湾を運営する会社なんですか?
 もともとはイギリス企業がアメリカの主要な港湾をいくつか管理していたんですが、DPWがそのイギリス企業から運営権を買収したんです。それで企業間の契約も済んだのに、2006年になってアメリカの議会が反対したんですよ。UAEの企業に港湾のオペレーションをやらせるなと。なぜかというと、2001年にいわゆる「9・11」という、アメリカ同時多発テロがありましたよね。

――ああ、なるほど……。国家的なセキュリティの問題があると。
 そうです。「9・11」の実行犯はほとんどがアラブ人でしたから、アラブ企業が港湾を管理するのは安全保障上の問題があるということなんです。港はすごく重要なインフラですからね。

――確かに。国外から人や物資が入ってくる玄関口ですもんね。
 そういうことで議会が反対した。アメリカの政府、当時のジョージ・ブッシュ大統領は賛成を表明したんですけど、それでも議会が反対しました。結果的に、DPWのほうが買収を諦めたんですね。もちろん、諦める前にお金をかけてロビー活動をして議員にも働きかけましたが、結果的にダメだった。それでUAEが何を感じたかというと、これから世界で同じようなビジネスをしていくときに……。

――イメージが悪いと大変だ、と。
 そうです。円滑にビジネスをするためには一般の人を味方につけて、現地の人々に反対されないようにしなければいけない。どうしたら世論を味方にできるかと考えて、スポーツの世界に参入することにしたんですよ。これが一番効果的だと。それでこのあと、スポーツへのスポンサーシップという形で、ドバイのエミレーツ航空が積極的に名前を出していくんです。すると「ドバイのやり方は効果があるぞ」ということになって、そこにカタールが追随していくわけですね。

――確かに、サッカーのユニフォームに「Fly Emirates」という文字が目立ってきたのがその頃です。アーセナルの本拠地もエミレーツ・スタジアムと言うんですけど、これが2006年にスタートしてます。ADUG(アブダビ・ユナイテッド・グループ)が マンチェスター・シティを買収したのが2008年。QSI(カタール・スポーツ・インベストメント)がパリ・サン ジェルマンを買収したのが2011年。なるほど……すごいな、これは。だからUAEとカタールなんですね。
 はい。サウジはあまり、こういうことはやらないんです。

カタールの外交危機とネイマールの関係

ネイマール

2017年8月にPSGへ移籍したネイマール [写真]=Getty Images

――一つ謎が解けた気がします。僕の理解では、湾岸産油国は石油資源がいずれ枯渇してしまう未来に備えて、新しい産業を作ることに必死になっていると。だからオイルマネーをいろんな分野に投資している。それは分かるんですけど、なぜ2000年代になって急に、しかもサッカーの世界に参入してきたのかがずっと謎だったんです。
 この一件のほかに、ちょうど2004年くらいから原油価格がものすごく上がったんですね。単純にお金がたくさん入ってきたので、投資先が増えたこともあると思います。それと、先ほど言われたADUGとかQSIというのは、ほとんど欧米人が運営しているんですよ。トップはアラブ人でも、実際にお金の運用をしている人は普通の欧米人なので、サッカーの世界的な影響力はよく知っているはずです。そういう意味では、「アラブの金持ちがサッカークラブで遊んでいる」というのは、半分は当たっているかもしれない。でも実態は、欧米人が資金を運用しているだけなんです。

――完全な投資ビジネスなんですね。
 メインはビジネスなんです。ただ、そうじゃない部分もある。2017年6月に、カタールが突然サウジアラビアを中心とする4カ国から国交断絶を宣言されました。今でもサウジやUAEとの間に飛行機は飛んでないし、UAEからカタールのウェブサイトにはつながりません。ある意味いじめみたいなものですが。

――仲違いをしている。断交の背景はどういうことだったんですか?
 カタールはイランと仲がいいんですが、そのイランとサウジアラビアの関係が最悪なんです。サウジにしてみれば、カタールがイランと仲良くして、支援しているのが気に入らない。あとはカタールが“ムスリム同胞団”というテロ組織を支援していることとか。

――政治的・経済的な背景が絡み合っている。
 はい。それで6月に断交されたあと、 8月にブラジル代表のネイマールが世界最高額でPSGにやって来ましたよね。これも「カタールは外交上苦しい立場にあるけど、しぶとく元気にやってるぞ」というアピールというか、政治的なポーズの意味があったと思います。ネイマールがPSGに行って良かったかどうかは分かりませんが、とにかくスター選手が来ることが重要だったのかなと。世界最高額ですよね?

――そうです。300億円近い金額で、本来はサッカークラブが払えるお金じゃないんですよ。欧州のサッカークラブには「ファイナンシャルフェアプレー」というルールがありまして、簡単に言うとクラブの収入以上の金額を支出してはいけませんと。
 ああ、そうなんですか。

――それでPSGがどうやったかというと、彼らはネイマールが所属していたバルセロナに移籍金を払ってないんです。ネイマール本人が約300億円を自腹で払った。そんな大金をどう用意したのか、ここからは推測なんですけども、ネイマールを2022年のカタール・ワールドカップの広告塔にするから、その契約金としてカタール投資庁が工面したと言われています。PSGが払ってないからセーフ、みたいなやり方なんですね。
 なるほど。確かにカタール投資庁は、カタールのオイルマネーを運用する部門ですよ。

――まあ、正確なところはよく分からないんですけども。
 それは分からないでしょう。カタール投資庁は、実際にどういう運用をしているかは一切公表しませんからね。

――少しまとめてみますと、カタールやUAEは、自国民に対して何かするというより、対外的な、グローバル市場に対してアピールしたい。そのためにスポーツは使えるぞと。そういう思惑なんですね。
 そういうことです。特にサッカーは世界で一番人気のあるスポーツですし、W杯は世界で最も多くの人が見る大会です。一番目立つし、欧州のサッカーだけでも、何億人という人が目にするわけです。

――カタールはW杯を招致したし、UAEも国際的なスポーツ大会をいくつも開催しているんですよ。すごい施設を作って。
 ここ最近の流れですよね。以前はそういうスポーツ施設はなかったんですけど、最近はお金が余っているから、最先端の施設を作っています。

――すると、欧州のクラブもスポンサーをしてもらっているので、そこでキャンプするんです。UAEのドバイでキャンプして、プレシーズンマッチもやるとか。そうすると観光客も集まってくる。新しい産業を作ろうという発想ですよね。
 そういう戦略です。特にドバイは、昔からスポーツを使って人を集めようとしてきました。ドバイの場合は競馬が有名ですね。ドバイ・ ワールドカップという、世界最高賞金の競馬レースが毎年3月に開催されています。

――それこそ「大富豪の遊び」に見えますが(笑)、実は国家的なプロジェクトっていう。そうか、中東産油国と言って一緒くたにしてはいけませんね。湾岸諸国のなかでも、UAEとカタールは少し違っている。
 UAEのなかでも違うんですよ。「アラブ首長国連邦」ですから、 7つの首長国が集まっている。そのなかでもドバイとアブダビ。ここが中心です。

――首長、つまり王様が7人いる?
 はい。ただ、アブダビとドバイ以外の5つは本当に小さなところです。

――全然知らなかったです……。
 特にドバイが上手なんです。アブダビは油田をたくさん持っていますが、ドバイは石油があまり取れない。なので、石油が枯渇したらどうしようと考えて、いろいろな取り組みを進めてきたんです。

――確かに、自分が王様だったらそう考えますよね。石油価格によって経済が上下するような社会ですし。どこかに違う産業を作って、リスクヘッジしなければいけない。
 すると、砂漠で農業もできない、工業もない国ですから、サービス産業しかない。だからメインは航空産業、それから港なんですよ。しかしアメリカの港湾を買収しようとしたら、できなかった。国家的な大問題だったわけです。

――でもアメリカ人にしてみれば、港を押さえられたくはないですよね。
 エネルギーも全部そこから入ってきますし、万が一のときには軍事拠点にもなりますからね。

――だからスポーツを利用して、「私たちはなかなかいい国ですよ」とアピールする。
 簡単に言えばそういう話です。自国のブランド向上、ブランディング。そういう意味で言うと、UAEやカタール、特にドバイは日本でもよく知られるようになってきましたよね。「金持ち」という枕詞はつきますけど、あまり悪いイメージはないでしょう? 少なくとも「テロリストがいる」とは思われていない。そういう意味では、ある程度成功しているのかなと思います。

湾岸諸国におけるサッカーの影響力

サウジ 王族の一員で、有名な投資家でもあるアル・ワリード(右)。握手しているのはフランスのオランド元大統領 [写真]=Getty Images

――とても興味深い話ばかりなんですが、それはある意味、僕らにとって中東がそれだけ縁遠い地域だからですよね。正直、彼らの生活がほとんど想像できないんです。豊かな国ではあるんですよね?
 豊かすぎる国です。インフラも整っているし、現地の人たちの所得も高いです。

――1人当たりGDPで見ると、湾岸諸国は日本と同等か、日本を上回るレベルです。
 しかもUAEとカタールは人口の8割以上が外国人ですから。自国籍を持っている約1割の人たちはものすごく豊かなんです。

――オイルマネーの恩恵を受けられる人たち、ということですね。
 政府が公務員という形で雇用して、高い給料を払って豊かな生活をさせているんです。一方、8割の外国人はピンキリで、高い給料をもらっているファンドマネージャーもいれば、厳しい生活をしている建設作業員もいる、という具合ですね。

――石油産出の収益をうまく分配することで、国家を維持している。国民を石油のお金で養っているような。
 今のところは石油収入がありますから、そうです。ただ石油がなくなったり、再生可能エネルギーが発達して「石油が使われない世界」ができたりしたら、これは大変なことになります。

――そういうことですよね……。プロパティがなければお金が稼げないから、とにかく投資しないといけない。
 そうです。オイルマネーで遊んでるわけではないんですね。きちんと考えている。よく学生にも話すんですが、サウジの有名な投資家にアル・ワリード・ビン・タラールという人がいるんです。王族なんですけど、この人はディズニーランドが大好きなんですよ。それでフランスのパリにあるディズニーランドを買収した。なぜかと言うと、ディズニーランドの経営がひどかったんです。だから安く買収して、投資して、経営を立て直してから、2年前にウォルト・ディズニーに売却したんです。何も考えず、ディズニーランドが好きだから買ってるわけではないんですよ。

――ただ、大好きではあるんですね(笑)。
 大好きですね(笑)。

――投資先は他にもいろいろあると思うんですが、湾岸諸国はサッカー以外にどんなものに投資しているんでしょう。不動産とかですか?
 国によって戦略が全然違います。ただ、基本的には投資ファンドを作って、そこが資金を動かしています。

――ああ、そうか。そしてファンドマネージャーは欧米人がやっている。
 そうです。

――つまり、そこに中東ならではの独自性があるとは考えられない。
 はい。どこに投資したら一番リターンが来るのかを考えて投資をしています。ただ、そのファンドがどういう運用をしているのかは一切明らかにしません。イスラム教の国ですから、アルコール関係には投資しないみたいですけど。

――実態は分からないんですね。
 このアル・ワリードは自分がどこに投資しているかをある程度発表しているから分かるんです。アブダビやカタールは本当に一切、情報を出しません。

――写真だと、アル・ワリードさんは欧米のエリートみたいな雰囲気です。
 彼らは外国留学組のエリートですよ。普通の、一般の人たちは全く違います。国から働かなくてもいいくらいのお金をもらえるので、本当にボケっとしている(笑)。いい車に乗って、暴走族みたいなことをやったり。でも、そういう人でも家にメイドさんがいるという。

――そうなんですね……。でも教育はしっかりしていますよね?
 教育は大学まで、海外留学も含めて無料で行かせてもらえます。ただ、国のエリート層はちゃんと勉強して海外留学もしますけど、ほとんどの人は……。

――勉強するインセンティブがないですもんね。
 そうなんですよ。頑張って勉強しなくても、生活には困らないわけですから。

――そんなに暇だったら、よしスポーツをやろう、という感じでもないんですか?
 全くないです。気候が暑いので、外に出て運動するという習慣がない。日本のような部活の制度もない。家の中で、エアコンがある涼しいところでゲームばかりやるんです。だから子供の肥満が問題になっていたりして。

――ああ、なるほど。いいもん食ってんだろうな……。
 そうですね。いいもの食ってますよね(笑)。

――自分でプレーしなくても、サッカーが好きなファンは多いと思います。
 人気ナンバーワンはサッカーです。それは向こうの新聞を見てもらうと一目瞭然ですね。湾岸諸国、それからエジプトもそうですが、一番人気はサッカーです。(タブレットを見せながら)これは昨日の新聞なんですけど。

――一面がマンチェスター・シティ。
 とにかくサッカーなんですよ。(ページをめくる)次もサッカー、サッカー、サッカー、サッカー、サッカー……これもサッカー。やっと他のスポーツが出てきた。これはUAEの新聞なんですけど、本当にサッカーだけという。

取材が行われた5月末、UAEの現地紙の 一面はマンチェスター・シティ一色だった [写真]=野口岳彦

――アラビア語の新聞ということは、約1割の自国民向けということですよね。
 そうです。これが英語版になると全く違うんですね。テニスや他のスポーツが入ってきます。

――本当だ。クリケットが載ってますね。 国内にいる欧米人がこちらを読むわけですか。
 外国人はいろんな人がいますからね。一方で自国民はサッカー一色で、しかも欧州のクラブチームを応援しているんです。彼らが見られる放送は基本的に国営のテレビ局で、イスラム教の国ですから真面目な内容ばかりなんですね。するとおもしろい番組はサッカーになる。サッカーは宗教上どうこう、という話にもなりませんから。

――なるほど……。必然的にサッカーが大人気になるというか、それしかない。カタールW杯が成功したら、また大きな変化があるかもしれませんね。中東のイメージも変わってくるでしょうし。
 そうですね。ただ、カタールW杯の招致活動をめぐって不正疑惑があったり、PSGの会長が何度も調査されていたり、アジアカップでもカタールの帰化選手の代表資格に対してUAEが抗議したり、何かと揉めていることも多いんですよね。

――難しい問題です。W杯は大きな利権ですから、どうしたって全部クリーンに行くわけはないだろう、とは思っているんですけど。ただ、湾岸諸国の立場から見れば、国家存続のためにやらなければいけないプロジェクトですもんね。
 そうです。カタールは湾岸諸国のなかでも独自というか、なかなか難しい国なんですけどね。

――W杯でどうなるか。こればっかりはやってみないと分からないですね。1回この目で見ないと。
 今は盛んにインフラを整備してスタジアムを作ってます。W杯になったら、日本人もたくさん行くでしょう。

――カタールW杯のスタジアム完成図はすごいんですよ。インパクトのあるデザインで、冷暖房完備っていう話で。最先端のスタジアムが次々にできるらしいんです。まだ2会場しか準備できてないんですが、今から楽しみです。
 ただ、あの人たちは直前まで作らないので、まだまだ見られないと思いますけどね(笑)。

※この記事はサッカーキング No.004(2019年7月号)に掲載された記事を再編集したものです。

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