インタビュー=池田敏明
写真=新井賢一
今シーズンの横浜F・マリノスにおいて、サイドバックが果たす役割は多岐にわたり、新たなスタンダードを作り出している。右サイドの松原健と左サイドの山中亮輔が、サイドバックが果たすべき新たな役割を語った。(月刊誌『Jリーグサッカーキング』4月24日発売号掲載)
――アンジェ ポステコグルー新監督が就任した今シーズンは担う役割が大きく変わったと思うのですが、どのような経緯で今の戦術を確立させていったのでしょうか。
山中 2次キャンプの終盤ぐらいから、サイドバックのポジショニングが変わったんですよね。それまではオーソドックスにやっていたんですけど、「第二段階に入る」と言われて、自分たちのポジションがインサイドに入る形になり、最初はすごく戸惑いましたが、慣れるしかないなと。
――キャンプインした頃は、どのようなプレーを求められていたのでしょうか。
松原 最初は「サイドバックは高い位置を取れ」と言われていました。サイドハーフが中に入り、空いたスペースに攻め上がっていく感じですね。
山中 本当にオーソドックスな形でした。それが2次キャンプの最後のトレーニングマッチの前ぐらいに、急に変わりました。でも、変えてからすごくうまくいくようになったんですよ。徳島ヴォルティスとのトレーニングマッチ(2018年2月3日、1-1で引き分け)の時は全くいいプレーができなくて、「ヤバいな」と思っていたんですけど、変えてからはボールを握れるようになりました。
――今の戦術でプレーするようになって、サイドバックというポジションに対する認識は変わりましたか?
松原 だいぶ変わりました。こんなにインサイドに入っていいんだ、というのも感じますし、今まで行ったこともないようなエリアまで行くこともありますからね。やっていて楽しいな、と感じますね。
山中 目新しいことをやっているので今は目立っているし、驚かれていると思うんですけど、今後このスタイルがトレンドになるかもしれませんよね。サッカーに対する考え方は結構変わりましたし、すごく楽しみながら取り組めています。それから、このサッカーをやるようになってから、トラッキングデータの走行距離がすごく伸びているんですよ。
松原 ああ、確かに。
山中 僕自身、昨シーズンは全然走れていなかったんですけど(笑)、今シーズンは毎試合10キロを超えるようになりましたし、(松原)健くんは12キロぐらい走っています。リアクションサッカーではなく、ボールを持って自分のアクションで動けているので疲労はそれほど感じていないですし、「こんなに走っていたんだ」という驚きのほうが強いですね。
松原 僕もヤマ(山中)も、昨シーズンに比べて1キロぐらい長く走るようになったんじゃないかな。ボールを触る回数がすごく増えて、ヤマなんかパス本数が120本を超えていたこともありました。今までになかったことだと思います。連続してプレーに絡めているからそのような数値が出るんだと思います。
――独特なスタイルに取り組む中、目指すべきところは?
松原 F・マリノスで試合に出続け、いいプレーが増えれば日本代表も見えてくるでしょうし、そこにたどり着きたいという思いは常に持っています。
山中 チームとしてタイトルを求め、そこに向けて突き詰めてやっています。「選手生活が終わった時、いくら稼いだかではなく、いくつタイトルを取ったかが大切になる」というポステコグルー監督の言葉が印象的でした。キャリアが終わった時に自慢できるのって、確かにお金ではなくタイトルの数なんだな、というのが心にグサッと刺さりました。代表入りはもちろんですが、タイトルも追い求めていかなければならないと思っています。
松原 チームのこと言うのズルくない? 俺めっちゃ個人のこと言っちゃったじゃん。「僕も同じ意見です」って書いておいてください(笑)。
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