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【インタビュー】アビスパ福岡の“キング”城後寿が描く夢「J1で優勝してあのシャーレを掲げたい」

2017.10.18

 183センチの長身にして抜群のスピードを誇り、洗練されたフィニッシュワークでゴールを陥れる。劇的な決勝点やアクロバティックなゴールでスタジアムを熱狂させ、サポーターはアビスパ福岡一筋のこの男を“キング”と称える。今シーズンは試合の流れを変えるジョーカーとしてチームを活性化させる背番号10、城後寿が愛するクラブへの思いを打ち明けた。

インタビュー=安田勇斗
写真=筒井剛史、ゲッティ イメージズ


――アビスパ福岡一筋で在籍13年目になります。クラブの魅力はどんなところだと思いますか?
城後 他のクラブがわからないので比較ができないですけど(笑)、サポーターの皆さんが気軽に選手とふれ合えるところは魅力の一つだと思います。練習場もそうですし、イベントでもコミュニケーションを取れる機会が結構あるので。アビスパ独特のもので言えば、芋掘りのイベントがあるんですよ。選手全員と200名ぐらいのサポーターが一緒にサツマイモを掘るイベントなんですけど(笑)。

――変わったイベントですね(笑)。
城後 練習場がある雁の巣(レクリエーションセンター)の敷地内に畑があって。僕も毎年参加させてもらっています。それと試合の日に、選手バスから降りる時にサポーターの皆さんとハイタッチをしてスタジアムに入るんですけど、その距離がすごく近いと思います(笑)。

――長い間、チームに在籍していますが、クラブとして変わったことなどはありますか?
城後 自分が入った時はすごくいい時で、それから2010年代前半に経営難で苦しい時期もありました。でも、今は加入した当初の一番いい時期に近づいてきていると思います。もちろん財政面で安定してきたこともありますけど、サッカーの面でもいい選手をたくさん獲得してクラブとしての本気度を感じます。J1に上がるためではなく、J1で戦うためのチーム作りができているかなと。

――ここからこう変えていきたい、変わってほしいと思うところはありますか?
城後 以前は九州出身、福岡出身の選手が結構いて、実際そういう選手を集めているという話を聞きました。でも田村(友/現浦和レッズ)や金森(健志/現鹿島アントラーズ)などが移籍してしまい、その色が薄くなっていると思うので、個人的にはそういう選手にもっと入ってきてほしいですね。クラブは地域に根差したチーム作りを掲げているので、そういう意味でも地元の選手、U-18出身の選手が増えればと思います。

――2015シーズンから井原正巳監督がチームの指揮を執っています。
城後 規律を大切にする監督です。チームが守備に問題を抱えていた中で監督に就任して、1年で大きく改善させてJ1昇格に導いてくれました。井原監督の指導によって劇的に失点が減りましたし、昨シーズンJ1では思うような結果を残すことができませんでしたけど、今シーズンは一昨年のように安定した戦いができていると思います。

――福岡県出身でこの街とともに育ってきたと思います。子どもの頃に比べて福岡の街はどのように変わってきましたか?
城後 ここは自分の地元とはちょっと離れていますけど、街がどんどんキレイになっているのはすごく感じます。市場ができたり、マンションが増えたり、街を見渡すだけでも時代の変化を実感しますね。個人的な意見ですけど、サッカー熱も徐々に高まっていると思います。クラブスタッフの皆さんの努力もあって数年前に比べてサポーターも増えていますし、サッカーに興味を持ってくれている県民の方々、市民の方々が増えてきているなと。この流れを大きくするためにも、僕らが観客の皆さんを楽しませるプレーを見せないといけないと思っています。

――今シーズンの目標はJ1昇格ですが、その先の目標は描いていますか?
城後 バカにされるかもしれないですけど、でもやっぱりJ1で優勝してあのシャーレを掲げたいです。自分がいる間に達成することが一番の目標ですけど、できなかったとしても自分に何ができるかを考え、そこに至るまでの土台作りに貢献できればと思っています。

――何年後に達成できるか、イメージはありますか?
城後 J2から昇格して1年目に優勝したクラブもあるので、欲を言えば今シーズン昇格して来シーズン優勝を達成したい思いもあります。もちろん、すごく難しいことですけど。僕も31歳なので後何年できるかわからないですし、それでも3年後か、5年後か、自分が現役のうちに優勝したいという気持ちは強く持っています。

――ちなみに引退後のことを考えることもありますか?
城後 最近考えるようになったんですけど、全く思いつかなくて(笑)。指導者になれるとは思えないので、他に何ができるかなとずっと考えています。

――クラブに残る選択肢もあると思います。
城後 雇っていただけるなら(笑)。まあサッカー以外の選択肢はないと思うので、アビスパの支えになるような仕事ができればとは思っています。具体的なことは……まだ本気で考えることはできないので、その時になってから考えます(笑)。

城後寿選手と石津大介選手の対談は本誌でチェック!『Jリーグサッカーキング12月号』の詳細はこちら
https://www.soccer-king.jp/media/article/657025.html

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