2013.08.23

移籍期限まで10日…本田の移籍実現を願うミラン番記者の本音

本田圭佑
CSKAモスクワに所属する本田圭佑 [写真]=Getty Images

 カタカタカタ。

 キーボードを打つ手を休め、受信BOXに目をやると、マルコから「件名:Honda」というメールが届いていた。

「チャオ! ケイスケはいつミラノへ来るんだ? もういい加減、書くネタも尽きてきた(苦笑)。マジで困っているんだ!」

 マルコ・ペソットはイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のミラン番記者だ。日本代表MF本田圭佑のミラン入りを巡る移籍交渉は、もうかれこれ2カ月近く続いていて、番記者たちの疲れの色も濃くなってきた。

 今夏、『ガゼッタ』の本田移籍交渉に関する報道への熱の入れ様は半端ではなかった。ブラジルでのコンフェデレーションカップの開幕前後から、日本代表のユニフォームに身を包んだ本田の写真が何度も1面を飾り、ミラン面のトップ見出しには連日「HONDA」の文字が並んだ。

『ガゼッタ』とともに3大スポーツ紙とされている『コリエレ・デッロ・スポルト』も『トゥットスポルト』も、ミランの移籍ネタは“とりあえず本田”で、移籍市場の動向を伝えるイタリアメディア『SKY』の速報番組も本田ネタを引っ張っている。

 現地の注目度の高さで言えば、約33億円でパルマへ移籍した中田英寿やクラブW杯覇者インテルへ移籍した長友佑都のケースを大きく上回る。何だかんだ言って、欧州における“ミラン”のネームバリューは圧倒的に高い。ただし、マルコの同業者たちも、ほとほとネタ枯れで困っているらしい。のらりくらりと約2カ月、ここまで煮え切らない交渉も珍しい。

 セリエAの強豪には今夏、FWカルロス・テベス(ユヴェントス)やFWゴンサロ・イグアイン(ナポリ)といったビッグネームが続々とやって来た。ミランも景気良く行きたかったが、冬にマリオ・バロテッリを獲得しているから、大盤振る舞いは無理。だから、本田が夏の目玉になった。

 マルコもその同僚たちも、長年の経験と勘から、本田がこの夏に来るものと確信している。それでもこの現状なのだから、長引く移籍市場動向をネタに紙面を埋め続けるのは、並大抵の苦労ではないのだ。

 まだミランの一員でもないのに、マルコは本田の原稿をもう何本書いたか覚えていない。けれど、YouTubeで見つけた“ミスター・ミンティア”について書いた記事はお気に入りの1本だ。

「あのCMは面白すぎる。ケイスケの役者ぶりには参った(笑)。あいつは絶対イタリアに来るべきだよ!」

 本当のことを言えば、本来は刹那的なものである移籍の成否に、プロの記者たちはそこまで一喜一憂しない。カルチョメルカートが閉まる最終日には、必ず駆け込み移籍があり、それが翌日の1面トップ見出しになることも多い。

 だからこそ、ひと夏の間、あれやこれやで引っ張ってきた本田ネタを「今夏の移籍決定できれいに締めくくりたい」という願いが、マルコたち番記者にはあるのだ。彼らのキーボードは「ミラン本田決定」と打ち込まれるのを今も臨戦態勢で待ち構えている。

文=弓削高志

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