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小柄でも戦える! 160センチの桂陸人が得た自信とチームメイトに与えた希望

2019.02.01

広島ユースの桂陸人。今回の遠征ではチームキャプテンを務める [写真]=NIKE

 160センチのFWが自慢の快速で、相手の守備を翻弄した。「NIKE NEXT HERO プロジェクト」の選抜メンバーとしてイングランド遠征に参加している桂陸人(サンフレッチェ広島F.Cユース)は、現地のアカデミーチームとの練習試合でも、スピードを生かしたドリブルでゴールに迫った。

 相手DFの身長は、自分よりも20センチほど高い。それでも桂は「海外の選手が相手だろうと、やってやるという気持ちでプレーした」と物怖じすることなく仕掛けていく。一見、不利に見えるシチュエーションも、彼にとっては見慣れた光景だったからだ。

「いつも自分より大きい選手とやっているので、体格差や威圧感はそんなに感じませんでした。大きい選手は、自分のような小柄な選手が懐に入ってくるのを嫌がる。昔からそこは意識しています」

 広島ユースの10番としてプレミアリーグ制覇に貢献した桂は、トップチームへの昇格をあと一歩のところで逃した。「本当に悔しかった。でも、ここで落ち込んでいるようでは絶対にプロにはなれない」。その悔しさをバネに、春からは順天堂大学で技を磨いていく。

「自分は小さいので、小柄なサッカー少年に夢と希望を与えられる存在になりたい」

 目を輝かせながらそう話す桂に、この遠征ですでに影響を受けた選手がいる。170センチの八木滉史(流通経済大学柏高校)だ。

「小柄でリーチもないのに、前線でボールを収めたり、裏に走り回っている。相手の足が長いのに、ドリブルでかわしていた。プレースタイルは違うけれど、そういう間合いの取り方は大事だと思いました。あれだけ小さくても、世界を相手に戦えるんだな、と。ポジションは違いますけど、少し自信につながりました」

 小柄な選手でも戦える。そんな希望をチームメイトに与え、自らも手応えをつかんだイングランド遠征は、桂にとって今後の大きな糧になるだろう。

取材・文=高尾太恵子

By 高尾太恵子

サッカーキング編集部

元サッカーキング編集部。FIFAワールドカップロシア2018を現地取材。九州出身。

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