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水沼が明かす勝利の要因…最後に体を動かしたのは「みんなの思い」

2017.11.04

好守に奮闘し、優勝に貢献した水沼宏太 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 もう1点欲しいな。それくらい川崎フロンターレの攻撃が激しさを増していた後半アディショナルタイム。相手ボールを奪った瞬間、前に走る余力は残っていなかったはず。しかし清武弘嗣がボールを前に進めると、中央に水沼宏太、逆サイドにソウザが最後の力を絞って懸命に走り出す。

「キヨがつないでくれて、ソウザが走っているのも見えていたので、『ソウザ、頼む』という感じ。自分が行って外して(自陣に)戻るより、確実なほうを選んだほうがいいと思った」と水沼がソウザにパスを出すと、ソウザは迷うことなく左足を振り抜いた。

「みんなで戦っているんだというのが、パスして決めてもらったことで実感できたし、気持ちで走っていた。途中から記憶があまりないんですけど(笑)。みんなでゴールを決めて、ベンチも含めてみんなでゴール前で喜べたことは大きなことだったと思う」

 終了間際だったことも影響してか、ゴール後、そのままゴール裏に走り抜けたソウザのもとには、ピッチからベンチから、チームメイトやスタッフが駆け寄り、歓喜の輪ができた。

 セレッソ大阪にとってはクラブ史上初となるタイトル獲得だが、最後まで選手たちは冷静だった。それどころか、打たれても打たれても、余裕さえ感じられた。開始1分に先制していたことも大きかったが、それ以上に大きかったのが気持ちの持ち方だったと水沼が明かす。

「(先制点は)早過ぎたけど、ちょっと余裕がありましたし、みんなが意外と冷静にできていた。しっかり寄せるところは寄せられていたし、球際でも中盤でも取ってカウンターを仕掛けられていた。受け身にならず、自分たちから仕掛けていこうということを意識してやっていたし、回されても、回させている気持ちでやっていた。そういう前に進ませてくれるモチベーションを保てていたことが良かった」

 選手を入れ替えながら今大会を戦い、決勝までたどり着いたC大阪。「みんなが気持ちで戦ってきてここまでつないでくれた。そんなメンバーの思いを背負って、自覚を持って、覚悟を持って、ピッチに立とうと話していた。それが体を動かしてくれた一つの要因だったと思う」。まさしくチーム一丸となって、クラブ初のタイトルを手に入れた。

 優勝が決まった瞬間、大きなガッツポーズを見せて喜びを噛み締めた水沼。取材エリアに現れると、開口一番に「騒いでいたけど、実感がない。優勝の先に何が見えるんだろう?って言っていたけど、ちょっと騒ぎ過ぎてしまって覚えていないです(笑)」と満開の笑顔を見せた。

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