悔しさをにじませた家長 [写真]=兼子愼一郎
少し目頭が熱くなっていた。準優勝の表彰に臨む際、何度かユニフォームで目を拭う。誰よりもタイトルを欲しがっていただけに、MF家長昭博が現実を受け入れるのに少し時間が掛かったのかもしれない。
川崎フロンターレにとっては初優勝が懸かったJリーグYBCルヴァンカップ決勝だったが、開始1分に先制点を許し、早々に1点を追う展開に。決して堅かったわけでも、焦りがあったわけでもなかった。この日、右サイドで先発出場した家長も「いつもどおり試合は運べていた」と振り返る。
リーグ最多得点数を誇るチームだけに、「始めにミスで失点したけど、そこを盛り返せるだけの力がうちにはあると思う」と分析した。実際、前後半においてチャンスの数は川崎のほうが多かった。
前半は、11分の大島からのフィードこそ合わなかったが、17分の家長が起点となってエウシーニョが強烈なシュートを放ったシーン、43分の中村へのリターンパスなど、家長は攻撃の起点を作った。そして後半になると、何度も右サイドからクロスを供給した。
しかし、ゴールは最後まで決まらなかった。「結果的に得点が取れなかったですし、相手が守っているブロックを崩せなかったのは、技術的な部分もあったと思います」。
試合後、表彰台の上で初優勝を祝うセレッソ大阪の選手たちが笑顔を見せている間、チームメートの輪の一番後ろでその様子を眺めていた家長。反省の言葉を語ると、自ら取材を終わらせて取材エリアを後にした。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト