2017.11.03

【ルヴァン杯決勝 プレビュー】「勝負強さ」を備えた鬼木フロンターレ…準優勝7度の過去と“決別”の時

川崎の歴史を誰よりも知る中村憲剛。悲願のタイトルを狙う [写真]=Getty Images
川崎フロンターレの取材を中心に活動。将棋界にも精通。著書に「将棋でサッカーが面白くなる本」(朝日新聞出版)。「川崎フロンターレあるある1&2」、「将棋ファンあるある」(TOブックス)。「サッカー脳を育む」(中村憲剛/ぴあ)では企画&構成も担当。将棋はアマ三段(日本将棋連盟三段免状所有)。

 8年越しのJリーグYBCルヴァンカップ・ファイナルの舞台となる。

 3大タイトルのうち、クラブは過去7度の準優勝を味わっている。ただ、それはあくまで“過去”の歴史だ。現在所属している選手たちの体験にある悔しさの源は、昨年のJリーグチャンピオンシップ準決勝や元日の天皇杯決勝である。そして今年の鬼木フロンターレは、あの時の悔しさからスタートしたと言っても過言ではない。クラブのバンディエラである中村憲剛が言う。

中村憲剛

天皇杯決勝は延長戦の末に敗れた [写真]=Getty Images

「あの悔しさから足りなかったものをオニさん(鬼木達監督)が植え付けてくれた。その結果、ルヴァン決勝まで来れたと思っている。準決勝も本当に苦しかったが、最後の最後まであきらめずにやった。総合力で勝ち上がってきたし、そういう意味では、みんなでやってこれた」

 風間八宏前監督が築いたボールを保持する攻撃サッカーに、ボールを奪われた時の切り替えと球際の強さ、そして勝利への執念を加え、今年は「勝負強さ」も備わった。そうやって、ここまでたどり着いた。

 この決勝戦は、準決勝で退場処分を受けた奈良竜樹が出場停止。その一方で、明治安田生命J1リーグ戦で2試合の出場停止だったエドゥアルド・ネットは出場可能だ。ケガで離脱中だった大島僚太、阿部浩之、チョン・ソンリョンら主力も復帰。全体練習に合流しているのは頼もしい限りだ。ガンバ大阪時代に3冠を経験している阿部は「監督が決めることですし」と断りを入れた上で、「ひざと相談しながら動ける状態を作ること。気持ち的には出たい」と出場意欲を覗かせている。そして、タイトルマッチ独特の難しさをこう語る。

「優勝争いできるのは幸せなことだと思ってます。決勝にすら行けないチームは山ほどあるので。でも、そこで終わらずに、しっかりとタイトルを獲ることが大事。決勝で負けるのが一番悔しいですからね。死に物狂いでやること。決勝の内容はどうでもいいし、勝てばいいと僕は思ってます。その上で、内容も良くて、ウチのサッカーができればいいけど、そんなに甘くないので」

 セレッソ大阪にはJ1リーグ第28節で5-1と大勝しているが、阿部が指摘するように、決勝はまるで別の展開になると思って臨むべきだろう。となれば、鍵を握るのはセットプレーだ。今年、セットプレーはチームの重要な得点源となっている。その象徴がリーグ戦7ゴールを記録している谷口彰悟だが、その重要性を痛感したのが天皇杯決勝だったと明かす。

谷口彰悟

谷口はセットプレー時の貴重な得点源 [写真]=Getty Images

「天皇杯の決勝で鹿島に悔しい思いをした。どちらもセットプレーでやられたし、あの試合はほとんどのセットプレーからピンチになった。大事な試合になると、絶対にそういうところで差がつく。それを改めて感じた。あれからセットプレー練習もより厳しくなったし、みんなもより一層強くなった。それは要因かなと思います」

 そしてゴールへの意欲を誰よりも見せているのが主将の小林悠だ。クラブの歴史を塗り替えるための強い決意を語る。

「今のフロンターレは今までの歴史のフロンターレとは違う。昨年の悔しさを今年にぶつけるというフロンターレだと思っている。もちろん、今までの方にも感謝しなくてはいけないが、今やっているのは自分たち。自分たちが歴史を塗り替えないといけない。自信を持って臨みたい」

 誰が決勝のピッチに立つのか。そしてどんなサッカーを表現するのか。想いは、一つだ。

文=いしかわごう

川崎フロンターレ 予想スタメン

▼GK
1 チョン ソンリョン
▼DF
18 エウシーニョ
5 谷口彰悟
23 エドゥアルド
7 車屋紳太郎
▼MF
21 エドゥアルド ネット
10 大島僚太
41 家長昭博
14 中村憲剛
16 長谷川竜也
▼FW
11 小林悠

2017JリーグYBCルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪 vs 川崎フロンターレ
11月4日(土)埼玉スタジアム2002にて13時05分キックオフ! フジテレビ系列にて13時より全国生中継

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