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U20代表候補同士の意地が激突…遠藤渓太と藤谷壮が見せた“激アツ”対決

2017.04.13

ともにU20日本代表候補に選出された遠藤(左)と藤谷(右) [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 キックオフの数時間前にU-20日本代表合宿メンバーが発表されたばかり。気合いが入らないほうが嘘だった。

 持ち味のドリブルで横浜F・マリノスの左サイドから、果敢に一対一を仕掛ける遠藤渓太。その突破を許すまいと、待ち受けるヴィッセル神戸の右サイドバック、藤谷壮。ともに19歳、プロ2年目、U-20日本代表候補のメンバーだ。

「代表でも一緒にやっていますし、特徴も分かっていました」と藤谷が言えば、「代表でもやっていて、速いのは分かっていました」と遠藤。来週に控えた代表合宿にも一緒に選ばれ、お互いを分かり尽くした上でのマッチアップが激しくならないわけがない。

 バトルのスタートは、神戸の縦への後押しを受けた開始2分、藤谷がサイドラインのギリギリをドリブルで仕掛ける。しかし、藤谷本人が「攻撃については課題が残った」と口にしたように、少しボールが足から離れたところを遠藤にカットされた。その後は、主に遠藤が攻めて、藤谷が守る構図。少ないながら途中出場したリーグ戦よりも、スタメン出場したセレッソ大阪とのルヴァンカップよりも、遠藤は積極的に1対1を仕掛けた。「相手が壮だったので走り負けない、スピードでは負けないようにしていた」。

 一方、今季初スタメンを飾った藤谷にも負けられない理由があった。「昨年1試合も出られなくて悔しい思いをしていたので、今年は出るために最低限ベンチには入っていないといけないという気持ちで、日々練習に取り組んできた。(渓太とは)同年代で僕もスピードには自信があるので、そこは負けられないという気持ちがありました」。

 徐々に激しさを増していくマッチアップ。一対一を突破しようと試みる遠藤を、激しいタックルで食い止める藤谷。ロングボールに対し、スピードで藤谷を振り切ろうとする遠藤。仕掛けては止められ、仕掛けられては食い止める。そして50分、ボールカットから駆け上がってきた前田のパスを受けようと、左から右へ斜めに走り込む遠藤。そこにピタリと追走してきたのも藤谷だった。そして遠藤にボールが渡るや否や、藤谷が足を出し、遠藤は倒れ込んだ。

 幸いにも遠藤に大きなケガはなく、ともに今季初のフル出場。試合は0-2で神戸が勝利し、横浜FMはルヴァンカップ連敗となったが、遠藤と藤谷にとってはチーム内の競争に勝つためにも、2017 FIFA U-20ワールドカップの日本代表メンバー入りを果たすためにも、ゴールという結果、無失点という結果が欲しかった。

 そういう意味では「一対一のところでは完全に突破されるという場面はなかったと思うので、良かったと思います」と振り返った藤谷に、ちょっとだけ分があったのかもしれない。遠藤も「久しぶりに90分できた部分もあったので、そこは自信になった」と手応えを十分に感じたようだ。ただ、遠藤曰く「どっちが勝ったかは分からないですけど(笑)」。

 試合後、先にメディア取材を終えた遠藤が、藤谷を待つ。藤谷の囲み取材の輪がようやく解けると、真っ直ぐに遠藤の元へ歩き出した。「大丈夫だった?」と声を掛けながら。しばし談笑する2人。来週には、来月17日に開幕するU-20W杯韓国2017のメンバー入りに向けて、最後の合宿が始まる。“激アツ”だったお互いの健闘を称えつつ、2人は代表での再会を誓い合ったのかもしれない。

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