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三笘薫の飽くなき向上心…日本代表では“ジョーカー”脱却へ「中心と思われるような活躍がしたい」

2023.03.22

日本代表に欠かせないサイドアタッカー・三笘薫 [写真]= 兼子愼一郎

 日本代表は22日、キリンチャレンジカップ2023のウルグアイ代表戦に向けて千葉県内で練習を実施。トレーニング後、MF三笘薫ブライトン/イングランド)が取材に応じた。

 現在ブライトンでその評価を高め続けている三笘。FIFAワールドカップカタール2022の終了後、チームに戻ってからは不動の地位を確立している。今季ここまで行われた公式戦では27試合の出場で9ゴール6アシストを記録。目に見える結果も残し、今やプレミアリーグで上位争いを繰り広げるブライトンの絶対的な存在だ。

 三笘は「W杯の後、少しずつ結果を出してから、日本やアジアの方を含めていろんな方がスタジアムに来てくれています」と自身の注目度が上がっていることを肌で感じつつも、「僕自身はめちゃくちゃ調子が良いわけではないと感じています」と本音も明かす。「毎試合コンスタントにプレーできていて、結果も残せていますが、チームの恩恵をすごく受けているという印象です」と厳しい自己評価を下し、好調なチーム状況と周囲の選手との関係の中で自分が活きていると主張した。

「スタメンでずっと出れているのは良いことですし、結果が出なければ外される可能性もあります。チームが勝っていることが多いので、そこでコンスタントに出れている部分もある。チーム的には右サイドからの脅威も大きく、その分左サイドは自分がそこまで突破をしなくても、高い位置で中に入っていけばゴールが取れるので。本当にチームメイトの質には助かっています」

 ブライトンは自陣の低い位置まで相手を引き寄せた後、高い位置に張った両ウイングを中心とした攻撃に転じることが多い。一方で、好調ブライトンの戦術、そして三笘個人への“対策”が練られている試合も少なくはないと感じる。前を向いた状態でボールを受けるシーンが限られている現状について、三笘は「戦術上はなるべく高い位置を取り、裏のスペースを狙うことを求められています」と前置きしつつも、「なかなか受けに行かないシーンもありますし、左のセンターバックが右利きなので、その分(パスが)出にくいというか、低い位置まで行かないとボールを受けられないところはあります」と説明。「戦術的な部分で僕の役割は変わってきます」と伝えた上で、「その上での毎試合の評価だと思います」と胸を張った。

 また、日本代表では昨年行われたカタールW杯にて、“ジョーカー”の役割を任される試合がほとんどだった。クラブチームと代表での活動は別だということを理解しつつも、三笘が不動の存在として長い時間プレーする姿を見たいと思っている人は少なくないはず。三笘は「代表はやっぱり移動があって、今後は連戦など厳しい日程でやっていくこともあります。そこはプレミアリーグでのしっかりと準備をした上での試合とは異なり、メンタルの部分やチームがうまく行かない中でも自分が打開することなどが求められます」と“絶対的”な存在になるために必要な要素を明かし、「そこはクラブと代表での違いでもあり、両者では少しサッカーも違います。そこを適応させなければいけないです」と意気込んだ。

 今回の日本代表メンバー26名のうち、カタールW杯を経験した選手は15名。言い換えると、11名の選手が新たに、または久々に日本代表のユニフォームを身に纏う。DF吉田麻也(シャルケ/ドイツ)やDF長友佑都(FC東京)など、“ベテラン”と呼ばれる選手が少ない今回の代表において、三笘は自身の立ち位置が“中堅”だと認識している。「W杯を経験した中で、より存在感というか、中心的な立ち位置になっていかなければならない。後輩や初招集の選手も多いですし、伝えなければならないことは伝えていく」と今後の活動を見据えつつも、「代表にはサバイバルの部分もある。僕も結果を出さなければならない。そこのバランスを考えながらやっていきたい」と語った。

 3月の2試合で、日本代表は24日に『国立競技場』でウルグアイ代表と、28日に『ヨドコウ桜スタジアム』でコロンビア代表と対戦する。“南米勢”との2連戦を前に、三笘は「毎試合結果を出して、チームの勝利に貢献することが第一です」と個人的な目標を明かした。「その上で、チームとして今後のやりたいサッカーや意図が見えるような試合にしたい。自分がその役割を担って、チームの中心と思われるような活躍がしたいです」と話した三笘からは、今後の成長を求める飽くなき向上心が感じられた。

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