FOLLOW US

高額落札続出の「工藤壮人選手ありがとうオークション」…吉田麻也が企画に込めた“3つの目的”とは

2023.02.03

オークションの目的を明かした吉田麻也 [写真]=Getty Images

 日本代表DF吉田麻也シャルケ/ドイツ)が、昨年10月に水頭症により32歳で逝去した元日本代表FW工藤壮人氏への思いと、現在実施されている「工藤壮人選手ありがとうオークション」の目的について語った。2日、国際プロサッカー選手会(FIFPro)の公式サイトがコメントを伝えている。

 柏レイソルや日本代表などで活躍した工藤氏は、昨年10月に水頭症を患っていることが発覚。手術を行い療養していたものの、その後容態が悪化し、同月21日に32歳の若さでこの世を去った。この訃報を受け、吉田が会長を務める日本プロサッカー選手会(JPFA)は今年1月下旬から「工藤壮人選手ありがとうオークション」を実施。工藤氏の家族をサポートする目的で立案されたこの企画では、日本代表選手などのサイン入りグッズが高額で落札されている。


 工藤氏と日本代表で共にプレーした経験を持つ吉田は、同氏の人柄について「とても誠実で気さくな良い人でした。典型的な日本人で、寡黙で恥ずかしがり屋でしたが、一度彼と話をすれば良い人だということがわかる。チームメイトのほとんどが同じような印象を持っていたと思います」とコメント。訃報については「とてもショックを受けました」と明かしている。

 訃報から程なくして吉田はJPFAの役員や工藤氏と親交の深かった日本代表DF酒井宏樹(浦和レッズ)と話し合い、工藤氏の家族へのサポートを決意。J2リーグやJ3リーグでプレーする選手への聞き取りを行ったところ、心配事として「家族」と「お金」が多く挙がったため、家族への金銭的サポートを立案したという。

 オークションの目的を「壮人(工藤氏)の奥さんと娘さんのために少しでも多くのお金を集めること」と語った吉田。工藤氏の家族の賛同を得て実施された同プロジェクトでは、日本代表FW三笘薫(ブライトン/イングランド)のスパイクが15000ドル(約190万円)、吉田のスパイクに7700ドル(約100万円)の高値が付くなど、高額での落札が続出。また、今後は”キングカズ”こと三浦知良(オリヴェイレンセ/ポルトガル)などの参加が予定されているという。

 しかし、吉田によるとオークションの目的は金銭面のサポートだけにとどまらないようだ。吉田は「あと2つの目標があります」と明かしつつ、次のように続けている。

「そのうちの一つは連帯感を示すことです。僕たちJPFAは『選手たちに何があろうとJPFAはいつも側にいる』ということを感じてもらいたいんです。壮人が亡くなったと聞いた時、僕自身も怖くなりました。こうした不安を抱えている選手はほかにもいるはずです。もし自分に何かあったら、家族はと子どもはどうなってしまうのだろう? こうした不安を取り除かなければならない。だからこそ、このオークションはとても重要なんです」

「3つ目の目的は、日本や他国で事故や災害が発生した時、サッカー選手や野球選手、バスケットボール選手などが巻き込まれた時に、このスキームを再現できるようにすることです。このオークションは僕たちがいかに協力し合えるのかを示し、世界的な連帯感を見せることができます。もちろん、こうしたことが再び起こらないよう祈っていますが、それが起こってしまった時にはこの事例を活用できるように準備していきたいです」

 なお、「工藤壮人選手ありがとうオークション」の第2弾が今月5日まで実施中。日本代表GK権田修一(清水エスパルス)のGKグローブや、同DF冨安健洋(アーセナル/イングランド)や同MF遠藤航(シュトゥットガルト)のスパイクなどが出品されている。

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO