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【インタビュー】吉田麻也 ~日本人として日本を背負い、世界で戦う覚悟~

2021.08.11

 サンプドリアに所属する日本代表DF吉田麻也が、オンラインでどこでも遊べる無料ゲームサイト『ベラジョン無料版』のアンバサダーに就任した。

 母国を飛び出しオランダ、イングランド、イタリアと海外で10年以上でプレーし、現在は日本代表主将として国を背負って長く戦う吉田に、“コミュニケーション”をテーマに話を聞いた。

インタビュー=小松春生
取材協力=ベラジョン無料版

■日本人としての評価を下げない振る舞いを意識

吉田麻也

現在はサンプドリアでプレーする吉田 [写真]=Getty Images

―――これまで様々な国でプレーし、いろいろな文化的背景などを持つ人々とコミュニケーションを重ねてこられました。その生活を続けてきた中で身についたコミュニケーション術はありますか?

吉田 自然体に、オープンにしていることですね。普通に生活をしていればコミュニケーションは取れると思います。「それができないんです」と言われることもありますが、普通に生活をして挨拶をしていたら、仲良くなると思うんですよね。

―――その中で気を付けている、大切にしていることはいかがでしょう。

吉田 日本人としての評価を下げない振る舞いを意識しています。日本人として他国で生活をすれば、僕がすることは「日本人がすること」として見られます。それは日本においても海外の方を見るときにそうなると思います。これまで僕が生活をしたフェンローやサウサンプトン、ジェノバでも、もともと生活されていた日本人の方たちが、日本のアイデンティティを築いてこられています。もし、ちょっと街にやって来ただけの人間が変なことをしてしまうと、その方たちが築き上げた信頼までも崩してしまう。今はたくさんのサッカー選手がヨーロッパに出ていますし、そこは気を付けないといけないと思っています。

 “日本を背負っている意識”は、選手一人ひとりが持たないといけませんし、その意識が次の選手にも続くと思うんです。僕が海外に出た時もフェンローには本田圭佑選手、サウサンプトンには李忠成選手がいました。ジェノバには三浦知良選手(ジェノア)、柳沢敦さん(サンプドリア)もいましたし、彼らへの評価があったことで、その街への入りやすさにもつながりました。だから、南野拓実選手もサウサンプトンに行った時は、ものすごくやりやすかったでしょうね(笑)。

―――海外生活を続けることで得られたことはありますか?

吉田 いかに日本という国が良い国、大国であるかを知ることができたのは、自分の中でものすごく大きかったですね。日本では当たり前のことが他の国では当たり前ではないので、それはすごいことなんだなと。「日本は小さい島国」という言葉を聞くこともありますけど、実際には経済的にも大きい国ですし、日本人として恩恵を得ていると海外に出て感じました。

―――ご家族での海外生活も長くなりました。家族内でのコミュニケーションで気を付けていることはありますか?

吉田 子どもはヨーロッパで生まれ、日本に住んだことがないので、家ではなるべく日本語で話すようにしています。日本人としてのアイデンティティを忘れてほしくないですからね。バランスをすごく大切にしています。あと、日本で子育てをしていれば近くに助けを求められる親族がいたりしますが、こちらでは自分たち両親だけなので役割分担をしっかりすることを意識しています。

■選手の表情をよく見るようになった

吉田麻也

東京オリンピックでも主将としてチームを支えた [写真]=Getty Images

―――言語についてはいかがでしょう。吉田麻也的言語習得術があれば、教えていただきたいです。

吉田 言語は近道がないので、コツコツ積み上げていくのが一番です。あとは自分から飛び込んでいくこと。言葉ができなくても“人と人”ですから、飛び込めば気持ちでなんとかなります。最後は“ハートtoハート”ですね。それができるかどうかで、語学の伸びがグッと変わると思います。飛び込める選手は言葉の習得も早いですが、その殻を破れないと習得に時間がかかりますし、時間がかかることでパフォーマンスにも影響してくる。特に僕や川島永嗣選手は言葉ができないとダメなポジションですし、僕は15分しか時間が取れなくても毎日机に向かって勉強しています。

―――キャリアを重ね、代表では主将を務めます。代表、クラブで若い選手とのコミュニケーション方法に変化はありますか?

吉田 「選手としてベテランだから」「代表でのキャリアがあるから」という理由で接し方を変えることはありません。ただ、若い選手が学ばないといけないこと、理解しないといけないことが「10」あったとして、「10」を教えてしまうのか。それとも「6か7」を伝えて「3か4」を気づかせるのか、というバランスは常に意識しています。選手の表情もよく見るようになりました。「今はどんなことを考えているんだろう」「チームで試合に出ていないし、波に乗れていないのかな」といったことを客観的に見ています。もともとそういう見方をする傾向にあったとは思いますが、それがより強くなりましたね。

―――そのキッカケは日本代表の主将になったことでしょうか?

吉田 それは間違いないですね。

―――最後に新シーズンへの意気込みをお願いします。サンプドリアと契約を延長し、チームにとってもそうですし、日本代表につながるパフォーマンスとしても大事な1年になります。

吉田 おっしゃる通り、カタール・ワールドカップのアジア最終予選が始まりますし、サンプドリアでの戦いもあるので、よりタフな1年になると思います。試合にしっかりと出て、コンディションを崩さずにやるということと、もっとレベルアップをしないといけないということですね。自分自身は肉体的な変化を感じてはいませんが、歳も歳(8月24日に33歳)なので、出場数や稼働率が悪くなると周りの見る目が変わってしまいます。若い選手もするようなケガをしてしまうと年齢のせいにされたりもします。今まで以上に体のケアに気を遣っていますし、良いコンディションで1年間を通して戦うことが大事だと思っています。


■普通、僕に話来ます?(笑)


―――『ベラジョン無料版』のアンバサダーに就任しました。

吉田 自分がこんなにピンクのユニフォームが似合うとは思わなかったですね(笑)。

―――オファーが来たときはいかがでしたか?

吉田 めちゃくちゃ嬉しかったです! だって旬な人は他にもいますし、普通、僕に話来ます?(笑) イギリスの企業でもありますし、僕のファンだという方もいらっしゃっているそうで、プレミアリーグでプレーしていてよかったなと(笑)。

―――CM撮影も行いました。

吉田 こういった状況下ですし、撮影はかなり久しぶりでした。立ち上がりは少し良くなかったですけど徐々にペースを取り戻して、良い形で最後は試合に勝てましたね(笑)。すごく楽しくやらせていただきましたし、良い作品ができたと思います。

―――ゲームはやられますか?

吉田 『ベラジョン無料版』もやらせていただきました。時間がある時は友人とやったりしますけど、楽しいですね。いろいろなことを忘れて集中できることは時間的にも有意義ですし、日本でもどんどん流行っていくと思います。こういうご時世ですし、家の中でやることをたくさん見つけないといけない中、楽しんでいただけると思います。

―――チームメイトとゲームは?

吉田 みんなやっていますね。遠征に大きなゲーム機を持ち込む選手もいますし、スマートフォンで手軽にやる選手もいます。オンラインゲームも簡単にできる時代ですしね。若い選手とゲームを通じて打ち解けたりすることもあります。僕もオープンに接するタイプなので、いろいろなものを吸収しようとしています。

By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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