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U-22日本代表、東京五輪へのサバイバルが激化! 国内初陣に挑む個性豊かな22人を徹底紹介!

2019.11.16

[写真]=J.LEAGUE、Getty Images

「現時点でのベストメンバー」。キリンチャレンジカップ2019(対U-22コロンビア代表)に挑むU-22日本代表を、森保一監督はそう表した。その言葉を示すように、同試合にはすでにA代表の常連に上り詰めた選手も招集。同時期のA代表活動を回避させてまで、東京五輪世代の国内初陣にベストメンバーをそろえた。2020年東京オリンピックの代表へ、アピールに成功するのは誰か? “サバイバルレース”に挑む個性豊かな22名を紹介する。

文=藤江直人
写真=Jリーグ、ゲッティイメージズ

1.GK 大迫敬介


生年月日:1999年7月28日(年齢20歳)
身長・体重:186cm・86kg
出身地:鹿児島県
所属クラブ:サンフレッチェ広島

巡ってきたチャンスで一発回答を示してサンフレッチェ広島のレギュラーを射止め、東京五輪世代の守護神をも拝命しようとしている。今季初の公式戦、チェンライ・ユナイテッド(タイ)とのACLプレーオフを前にベテラン林卓人が負傷。急きょ公式戦デビューを命じられた一戦で好セーブを連発して勝利を手繰り寄せると、開幕したJ1でも継続して出場。6月のコパ・アメリカでフル代表デビューを果たし、ともに招集された川島永嗣(ストラスブール)が培ってきた濃密な経験を共有するなど、東京五輪前年において心技体のすべてでたくましく成長した。

12.GK 谷晃生


生年月日:2000年11月22日(年齢18歳)
身長・体重:189cm・82kg
出身地:大阪府
所属クラブ:ガンバ大阪

東京五輪に臨む男子代表チームを、森保一監督が率いることが決まったのが2017年12月。初陣となったM-150カップで招集された3人のGKの中に、大迫とともに名前を連ねた。当時はともにユース所属だったが、大迫とは対照的に、昨季に飛び級で昇格したトップチームでまだJ1デビューは果たせていない。今季は2月と4月に相次いで左肩を痛め、選出が確実視されていたU-20ワールドカップも棒に振った。悔しさを糧に、テレビ画面の向こう側で活躍する大迫らの姿を刺激にも変えながら、先月のブラジル遠征に続く招集を勝ち取った。

2.DF 立田悠悟


生年月日:1998年6月21日(年齢21歳)
身長・体重:191cm・81kg
出身地:静岡県
所属クラブ:清水エスパルス

森保監督の下で立ち上げられた、東京五輪に臨む男子代表チームの初陣となった2017年12月のM-150カップを皮切りに、すべての活動で招集されてきた。身長191cm体重81kgの恵まれたサイズの身体に、清水エスパルスのアカデミー仕込みのテクニックを融合させたプレースタイルが高く評価されてきた証と言っていい。今季は清水の副キャプテンに就任。昨季までの右サイドバックではなく、本職のセンターバックでプレーする機会も増えた。失点と黒星がかさんだ戦いの中で胸中に募らせてきた、悔しさと不甲斐なさを成長への糧に変えている。

4.DF 板倉滉


生年月日:1997年1月27日(年齢22歳)
身長・体重:186cm・75kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:フローニンゲン/オランダ

今年1月に川崎フロンターレからマンチェスター・Cへ完全移籍し、労働ビザの関係でフローニンゲンへ期限付き移籍。リーグ戦出場がゼロだった昨季から一転して、今季は開幕戦から13試合すべてで先発フル出場を継続中と、8人を数える欧州組で最も濃密な時間を過ごしている。所属クラブではセンターバックで起用されているが、ボランチでもプレーできる点は、森保監督が求めるユーティリティーさとも合致する。6月以降に招集されたフル代表で目の当たりにした、練習段階からの緊張感や厳しさを、東京五輪世代に還元する。

14.DF 原輝綺


生年月日:1998年7月30日(年齢21歳)
身長・体重:180cm・72kg
出身地:埼玉県
所属クラブ:サガン鳥栖

4バックならボランチやセンターバック、そして左右のサイドバック。3バックならばボランチに加えて右ストッパーや右ウイングバックと、守備的なポジションのすべてでそつなくプレーできるオールマイティーぶりは、決して目立たない点を含めて究極の黒子と言ってもいいだろう。今季から所属するサガン鳥栖では主戦場を右サイドバックに絞り、攻撃面でも非凡な能力も発揮しているが、市立船橋高やアルビレックス新潟時代に培われた危機察知能力やスプリント能力は健在。森保監督が好み、選手起用を含めた采配を助ける存在となる。

15.DF 瀬古歩夢


生年月日:2000年6月7日(年齢19歳)
身長・体重:183cm・72kg
出身地:大阪府
所属クラブ:セレッソ大阪

直近のリーグ戦で負傷した渡辺剛(FC東京)に代わって追加招集され、9月の北中米遠征、10月のブラジル遠征に続いてU-22日本代表に名前を連ねた。5月4日の松本山雅戦で2年目にして待望のJ1デビューを果たし、2-0の完封勝利に貢献。直後のU-20ワールドカップでは最終ラインを束ねて、チームのベスト16進出を守備面で支えた。柿谷曜一朗や南野拓実、杉本健勇ら攻撃的なポジションの選手を数多く輩出してきたセレッソ大阪のアカデミーから、ようやく頭角を現してきた屈強なセンターバックは順調にステップアップを遂げている。

16.DF 岩田智輝


生年月日:1997年4月7日(年齢22歳)
身長・体重:178cm・73kg
出身地:大分県
所属クラブ:大分トリニータ

大分トリニータのアカデミーで心技体を磨いた6年間で、GK以外のすべてのポジションでプレー。独自の育成方針の下で培われたオールラウンダーぶりを、3バックの右ストッパーでプレーする今季のJ1で、ビルドアップだけでなく相手守備網の崩しにも関わる稀有な能力に反映させている。東京五輪世代を中心とする陣容で臨んだ6月のコパ・アメリカでは、グループリーグ第2戦のウルグアイ代表戦と同3戦のエクアドル代表戦に右サイドバックとして先発。J1の中位で踏ん張る大分での戦いを含めて、濃密な経験をキャリアに刻んでいる。

3.MF 中山雄太


生年月日:1997年2月16日(年齢22歳)
身長・体重:181cm・76kg
出身地:茨城県
所属クラブ:ズヴォレ/オランダ

うなりを上げた左足が、巻き返しへの狼煙をあげた。敵地で王国ブラジルから3-2の逆転勝利をあげた10月のブラジル遠征。結果的に決勝点となった3点目をミドルレンジから豪快に叩き込み、意気揚々と復帰したズヴォレで先発に復帰。センターバックとして4試合連続フル出場を続けている。今年1月に柏レイソルから移籍して2シーズン目。開幕直後に負傷離脱し、9月の北中米遠征にも招集されなかったキャプテン候補は、自分が最も生きると望むボランチでの出場こそ叶えていないものの、試合勘と体力を確実に上向きに転じさせている。

5.MF 菅大輝


生年月日:1998年9月10日(年齢21歳)
身長・体重:171cm・69kg
出身地:北海道
所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌

小学生年代のU-12から北海道コンサドーレ札幌ひと筋で心技体を鍛え上げ、クラブとともに成長してきた自負がある。PK戦の末に川崎フロンターレに屈したが、10月26日のYBCルヴァンカップ決勝では積極果敢な攻撃参加から先制ゴールをマークして歴史に残る死闘の口火を切った。同時に活動しているフル代表にはDF進藤亮佑、FW鈴木武蔵も招集。躍進するクラブを象徴する中で「北海道コンサドーレ札幌という名前を背負って、僕の場合はオリンピックに出て、チームに何か恩返しができれば」と来夏への生き残りをかけてコロンビア戦に臨む。

6.MF 長沼洋一


生年月日:1997年4月14日(年齢22歳)
身長・体重:177cm・66kg
出身地:山梨県
所属クラブ:愛媛FC

サンフレッチェ広島の下部組織から昇格し、プロになって4シーズン目で初めて充実した日々を送っている。広島ではリーグ戦出場に無縁のまま、2シーズン目の途中だった2017年8月からモンテディオ山形へ、2018年からはFC岐阜に期限付き移籍するも、思うように出場機会を増やせない。一転して今季から期限付き移籍した愛媛FCでは、右ウイングバックとして32試合に出場。プレー時間も2500分間を超えた。今回は故障辞退者が出たことに伴う追加招集だが、東京五輪世代でも右アウトサイドの常連だった22歳は、心技体を充実させてコロンビア戦へ臨む。

7.MF 堂安律


生年月日:1998年6月16日(年齢21歳)
身長・体重:172cm・70kg
出身地:兵庫県
所属クラブ:PSV/オランダ

フル代表との兼任監督に就任した森保監督に大抜擢され、船出となった昨年9月からモードをアジアカップ、そしてカタールW杯アジア2次予選に集中させてきた。U-22日本代表に選出されるのは今回が初めてであり、同世代の仲間たちと同じ時間を共有するのは、韓国で開催された2017年のU-20ワールドカップ以来となる。開幕まで8カ月あまりとなった段階での招集に「母国開催は特別なものがある。リオ五輪のネイマールのように、僕たちも優勝すれば日本のヒーローになれる、とみんなで感じていきたい」と熱い思いをこらえ切れずにいる。

8.MF 田中駿汰


生年月日:1997年5月26日(年齢22歳)
身長・体重:183cm・68kg
出身地:大阪府
所属クラブ:大阪体育大学

東京五輪世代と言われても、半年ほど前まではピンと来なかった。ガンバ大阪ジュニアユースでは史上初の国内三冠獲得に貢献するも、ユースには昇格できなかった。しかし、履正社高から大阪体育大へ進んでいった過程で急成長を遂げ、6月のトゥーロン国際大会に臨んだU-22日本代表に大抜擢された。ガンバでひとつ年下だった堂安律(PSV)から「サッカー人生って、どうなるかわからない」と畏敬の眼差しを向けられる田中は、今回唯一の大学生にして、来季からは北海道コンサドーレ札幌入りを内定させている。

10.MF 三好康児


生年月日:1997年3月26日(年齢22歳)
身長・体重:167cm・64kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:アントワープ/ベルギー

東京五輪を見据え、川崎フロンターレから昨季は北海道コンサドーレ札幌へ、今季は横浜F・マリノスへ期限付き移籍。積み重ねてきた武者修行は、ウルグアイ代表から2ゴールをあげたコパ・アメリカを契機として海外へと舞台を移す。いくつかのオファーを受けた中で、日本人選手がいない点を優先させて加入したアントワープでのデビュー戦となった、9月15日のアンデルレヒト戦で途中出場から決勝ゴールをゲット。2部スポルティング・ロケレンとのカップ戦でも2ゴールをあげるなど、新天地で一気に存在感を高めている。

11.MF 食野亮太郎


生年月日:1998年6月18日(年齢21歳)
身長・体重:171cm・62kg
出身地:大阪府
所属クラブ:ハーツ/スコットランド

痛快なシンデレラストーリーの主役を演じている。今季にサイドハーフからFWへコンバートされ、開幕直後はガンバ大阪U-23の一員としてJ3でゴールを量産。舞台をJ1に移し、ブレークが期待された直後にマンチェスター・Cからオファーが届く。「驚いたけど、自分に対して自信があったので」と8月に完全移籍。労働ビザの関係で期限付き移籍した、スコットランドのハーツでもゴールをマークして、これまで無縁だった日の丸をも手繰り寄せた。ブラジル相手に得意のドリブルが通用したことで深めた自信を、コロンビアにもぶつける。

17.MF 久保建英


生年月日:2001年6月4日(年齢18歳)
身長・体重:173cm・68kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:マジョルカ/スペイン

U-22日本代表でのプレーは、3月のAFC・U-23アジア選手権予選以来となる。その間に所属クラブがFC東京から世界有数のビッグクラブ、レアル・マドリードを経て期限付き移籍先のマジョルカに。日の丸を背負って戦うカテゴリーもカタールW杯を目指すフル代表にそれぞれ変わった。スペインでの初ゴールを長く期待されてきた中で、帰国直前の10日のビジャレアル戦で利き足の左足から豪快なミドル弾を一閃。「いつになったら決めるのか?」といった周囲の雑音などをすべて賞賛に変え、気持ちも新たに東京五輪へ向けて再スタートを切る。

19.MF 鈴木冬一


生年月日:2000年5月30日(年齢19歳)
身長・体重:165cm・61kg
出身地:大阪府
所属クラブ:湘南ベルマーレ

冬一と書いて「といち」と読む珍しい名前は、ウインタースポーツとサッカーの経験者で、特に前者に傾倒していた父親の啓司さんが「やるからには一番に」という思いを込めて命名した。啓司さんは同時に「人生の岐路に立った時は自分で決める」と教え、言葉通りにセレッソ大阪U-18の最終学年に進級する直前に、名将・小嶺忠敏監督の厳しさを求めて長崎総合科学大附高へ転校。上手さに強さを融合させて加入した湘南ベルマーレで、高卒ルーキーながらリーグ戦で20試合に出場。追加招集ながら、U-22日本代表に初めて名前を連ねた。

20.MF 高宇洋


生年月日:1998年4月20日(年齢21歳)
身長・体重:172cm・64kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:レノファ山口

市立船橋高からガンバ大阪へ加入した2017シーズン。J3を戦うU-23チームに回ることがほとんどを占めた中で、U-23を率いた宮本恒靖監督からハードワークと献身性を叩き込まれた。昨季途中からトップチームを指揮した宮本監督の秘蔵っ子としてJ1での出場機会も増えたが、今季はなかなか出場機会を得られないまま、8月になってJ2のレノファ山口へ期限付き移籍。自らを鍛え直すと誓いを立てた通りに、直近のリーグ戦まで9試合連続で先発フル出場を果たし、田中碧(川崎フロンターレ)の故障辞退で空いたボランチへ追加で招集された。

21.MF 橋岡大樹


生年月日:1999年5月17日(年齢20歳)
身長・体重:182cm・73kg
出身地:埼玉県
所属クラブ:浦和レッズ

ある意味でヨーロッパ組よりも、ハードなスケジュールの渦中にいるかもしれない。現地時間9日に敵地サウジアラビアでアルヒラルとのACL決勝第1戦で先発フル出場し、帰国後は広島市内で行われているU-22代表合宿に1日遅れで合流。サウジアラビアへ発つ前には、スケジュールが重複する関係で前倒しされたリーグ戦を8日間で3試合も消化している。コロンビア戦の1週間後には逆転優勝をかけるACL決勝第2戦が待つ慌ただしさにも、右ウイングバックを主戦場とするプロ2年目の20歳は「何もないよりは幸せ」と笑顔で歓迎している。

22.MF 菅原由勢


生年月日:2000年6月28日(年齢19歳)
身長・体重:181cm・71kg
出身地:愛知県
所属クラブ:AZ/オランダ

U-18に所属しながら名古屋グランパスのトップチームに2種登録された昨季前半戦、主にセンターバックでプレーした19歳はトップチーム昇格を経て今夏に期限付き移籍した新天地オランダのAZで右サイドバック、そして右ウイングへとプレーの幅を広げている。リーグ戦とヨーロッパリーグでそれぞれ1ゴールずつマークするなど、身長181cm体重71kgの身体に宿るマルチな才能をいよいよ全開にしている。10月のブラジル遠征で初めて招集されたU-22日本代表では、右ウイングバックに狙いを定めてチャレンジするつもりだ。

9.FW 小川航基


生年月日:1997年8月8日(年齢22歳)
身長・体重:186cm・78kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:水戸ホーリーホック

東京五輪世代を中心とする陣容で臨んだ6月のコパ・アメリカのFW陣の中に、自身の名前はなかった。神奈川・桐光学園高時代から東京五輪のエース候補として期待されてきた大型ストライカーは、思うように出場機会を得られなかったジュビロ磐田から水戸ホーリーホックへの期限付き移籍を決断。同世代が続々と海外へ渡る中で、急がば回れとばかりにJ2戦線で出場時間とゴール数を増やし、9月の北中米遠征、10月のブラジル遠征に続く招集を勝ち取った。迎えるコロンビア戦は、今夏に下した決断が正しかったことを証明する舞台になる。

13.FW 前田大然


生年月日:1997年10月20日(年齢22歳)
身長・体重:173cm・67kg
出身地:大阪府
所属クラブ:マリティモ/ポルトガル

松本山雅の慰留に後ろ髪を引かれる思いで、今夏にポルトガルへ新天地を求めた。コパ・アメリカで力不足を痛感させられ、このままでは東京五輪の舞台に立てない、という危機感に後押しされた。チームよりも個の勝負で相手をはがすプレーが求められるリーグで先発出場が増え、公式戦で3ゴールをあげている結果が、絶対的な自信を抱いてきたスピードが通じていることとの相乗効果で自信を蘇らせている。トレードマークの丸刈りを継続させるために3本のバリカンを持参したが、丸刈りにしてくれる理容店を幸いにも発見できたという。

18.FW 上田綺世


生年月日:1998年8月28日(年齢21歳)
身長・体重:182cm・76kg
出身地:茨城県
所属クラブ:鹿島アントラーズ

大学生として9年半ぶりにフル代表に選出され、コパ・アメリカ開催国のブラジルへ飛び立つ直前になって、3年生の途中で法政大サッカー部を退部する決断を下した。大学でできることはすべてやり切った、という思いの下で臨んだコパ・アメリカでは無得点に終わるも、動き出しやポジショニングで高いクオリティーを披露する。7月下旬には2021年からの加入が内定していた、中学時代を下部組織で過ごした鹿島アントラーズへ前倒しする形で加入。J1の舞台でも独特の得点感覚を存分に発揮し、11試合に出場して4ゴールをマークしている。

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