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「ついにMFに…(苦笑)」浅野拓磨、FWから変更も代表定着には「プラスなこと」

2019.11.14

2戦連発に期待がかかる日本代表の浅野拓磨(写真は18年9月のコスタリカ戦)[写真]=Getty Images

 本人もびっくりのポジションだった。パルチザンに所属するFW浅野拓磨は、11月のインターナショナルマッチウィークに臨む日本代表メンバーにMFとして選出。本職のFWではなかったため、「ついにMFになってしまったかと思いました」と苦笑いを見せた。

 前回の10月に約1年ぶりの代表復帰を果たした浅野は、今回も続けて招集を受けて、14日に敵地で行われる2022 FIFAワールドカップ カタール・アジア2次予選のキルギス戦と、19日にホームで行われるキリンチャレンジカップ2019のベネズエラ戦に挑む。7日に行われたヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ第4節のマンチェスター・U戦後には、「ELでやれていることもすごく刺激的ですけど、僕にとっては何よりも日本代表のピッチでプレーすることで大きな刺激を得られる」と代表選出を喜んだ。

 今回発表されたポジションは前回のFWからMFに変更された。サンフレッチェ広島時代には、現在日本代表を率いる森保一監督のもとで主に1トップなどで起用され、ストライカーとして活躍していただけに意外な変更となった。本人も予想外だったようで、「ポイチさん(森保監督)の中でもついにMFになってしまったなと感じました」と笑った。

 浅野の言う「ついに」という言葉は、結果を出せていない危機感に感じ取れた。2016年夏に広島を離れてから、欧州ではFWとして満足のいく数字を残せていない。新天地のパルチザンでもデビュー戦でいきなり初得点を決めてたが、その後は約3カ月もゴールから遠ざかった。「早くゴールを取らないといけない気持ちはあるし、そこでの焦りは正直あります。だけど、今は慌てることなく、コツコツと1試合1試合臨むことしかできない」

 ただ、日本代表のポジションについては、10月に行われたタジキスタン戦でもトップではなく2列目の左サイドで途中出場。そこで約2年ぶりとなる代表でのゴールも決めた。その流れも考慮されてのMF登録となったようで、森保監督はメンバー発表時にトップ起用のオプションがあることも示唆していた。

 浅野自身もパルチザンでは主に左サイドでプレーしているが、よりゴールに近いところで勝負もできていて、「ゴールは欲しいし、ゴールに絡む仕事は絶対的に必要」と結果を求める姿勢は変わらない。信頼を寄せる恩師の意向も前向きに捉えている。むしろ、代表定着への大きなチャンスにもなりそうだ。

「チームでどういうプレーをしているかを見て代表にも選んでくれていると思うので、ポイチさんがサイドで選んでくれているのは一つプラスなことなのかなと。前ができることはポイチさんが一番知ってくれていると思いますし、一つでも多くのポジションができるというのは僕にとってもすごく大きなことだと思います」

 それでも「やっぱり前で勝負したいとは常に思っています」とストライカーとしてのプライドは胸にある。だからこそ自身が望むポジションは自ら勝ち取りに行く。「僕の立場としては、前で勝負するためにも、サイドで結果を残すことから頑張らないといけない。出たところで、全力で頑張りたい」

 代表合流前最後の試合となった11月10日のセルビア・スーペルリーガ第15節のインジヤ戦で、浅野は2列目の左サイドで先発出場し、53分に自ら獲得したPKを決めて待望のリーグ戦初得点をマークした。自身の25歳の誕生日を祝うバースデーゴールを挙げて、代表戦へしっかりと弾みをつけた。

「どこであろうと、求められた仕事を100パーセントやるだけ」。MFでアピールできれば、代表定着にさらに近づくはず。どのポジションであっても、チームのため、自分のために浅野は走り続ける。

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