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今夜対戦…日本代表の相手、タジキスタン代表について知っておきたい10のこと

2019.10.15

日本代表は15日にタジキスタン代表と対戦する [写真]=Getty Images

 日本代表は15日、2022 FIFAワールドカップ カタール・アジア2次予選ならびにAFCアジアカップ中国2023予選のタジキスタン代表戦を戦う。9月のミャンマー代表戦で2-0、10日のモンゴル代表戦では6-0の勝利を収めて2連勝スタートを切ったが、今回の相手は一体どんなチームなのか。ここでは、タジキスタン代表について知っておきたい10の情報を紹介する。

■タジキスタンってどんな国?

タジキスタン

[写真]=Getty Images

「○○スタン」の語尾で連想されるように、中央アジアの国の一つ。旧ソビエト連邦の一部で、1991年に「タジキスタン共和国」として独立した。国土の東側は中国と国境を接しており、日本との時差は4時間。今回の試合は現地時間17時15分、日本時間21時15分にキックオフ予定となっている。なお、国土の半分が標高3000メートル以上という山岳国だが、試合が行われる首都ドゥシャンベは標高700メートルほど。観光地として有名な「箱根の仙石原」と同じくらいの高さで試合が行われる。

■サッカー新興国

今年9月に発表された最新のFIFAランキングは115位。5チームが同居するグループFでは、日本(31位)、キルギス(97位)に次ぐ3番目の順位となる。タジキスタンサッカー連盟は1936年から存在していたが、国家の誕生が1991年だったため、FIFA(国際サッカー連盟)に加盟したのも1994年になってからだった。「タジキスタン代表」としてW杯予選に参加したのは、日本が本大会初出場を成し遂げた1998年フランス大会から。2018 FIFAワールドカップ ロシアはアジア2次予選で敗退し、今回で7度目の挑戦になる。W杯はもちろん、AFCアジアカップの本大会に出場したこともないが、2015年に148位だったランキングは右肩上がりで上昇を続けており、決して侮れない存在だ。

■監督が持つ共通点とは?

タジキスタン代表を率いるのは、ウズベキスタン出身のウスモン・トシェフ監督。1965年9月生まれの54歳で、森保一監督とは3歳違いだ。ウズベキスタン代表歴を持つ元プレーヤーであり、引退後に指導者へ転身。母国のA代表アシスタントコーチやU-17代表監督などを歴任したあと、昨年11月にU-23タジキスタン代表監督に就任し、その後A代表の指揮も託された。U-23タジキスタン代表は東京オリンピック予選を兼ねたAFC U-23選手権タイ2020で予選敗退。すでに東京オリンピックへの道を断たれているが、森保監督と同じ兼任監督という共通点を持つ。

■2試合連続“ウノゼロ”

アジア2次予選は日本代表と同じく2連勝スタート。9月の初戦で“格上”のキルギスから1-0の勝利を奪うと、続く第2戦もモンゴルを相手に退場者を出しながら同スコアで白星を手にした。現体制スタート後、今年行った8試合(親善試合を含む)の成績は4勝1分け3敗。複数失点を許したのは1試合しかなく、守備の堅さが最大の特長だ。今予選はここまで勝ち点6を稼ぎ、日本とグループ首位の座を分け合っているだけに、今回の一戦は次ラウンド進出をかけた大一番と言っても過言ではない。

■10月唯一の代表戦

6-0の大勝を収めたとはいえ、日本は10日のモンゴル戦から中4日でこの試合を迎える。対するタジキスタンは、9月10日のモンゴル戦以来、公式戦がなく、日本とのゲームが10月唯一の代表戦。“対・日本”に照準を合わせて準備を進めてこられたのは大きな意味を持つだろう。さらに長距離移動を強いられた日本とは対照的にホームで戦える。ある程度の実力差があるのは否めないが、恵まれた日程と地の利を考えれば、日本も油断はできない。

■8年前のW杯予選で対戦

日本代表

[写真]=Getty Images

日本とタジキスタンは過去に2度対戦。2014 FIFAワールドカップ ブラジルのアジア3次予選で同グループだった。2011年10月に行われた試合では、ハーフナー・マイク、岡崎慎司、香川真司が揃って2得点を奪うなど、日本がホームで8-0と大勝。タジキスタンにとっては、史上最大点差での敗戦となった。その翌月に行われたリターンマッチでも、日本が4-0の完封勝利を収めている。なお今回の日本代表メンバーのうち、8年前のアウェイ戦を経験しているのは、川島永嗣、吉田麻也、原口元気(ベンチ入りも出場機会なし)の3人だけだ。

■“人工芝”での試合

今回の一戦は、タジキスタンの首都ドゥシャンベにある『リパブリカン・セントラル・スタジアム』で開催される。8年前の対戦でも使用されたスタジアム(当時の名称は『ドゥシャンベ・セントラル・スタジアム』)だが、土がむき出しだったピッチは人工芝へと生まれ変わった。“森保ジャパン”としては人工芝のピッチで行う初の試合であり、日本の選手たちにとっては普段と異なる環境にどう適応するかが鍵となる。なお、このスタジアムはタジキスタンの強豪クラブで、多くの代表選手が所属するイスティクロル・ドゥシャンベの本拠地。ダジキスタンの大半の選手たちにとっては大きなアドバンテージとなる。

■“タジキスタンのメッシ”に要注意

タジキスタン代表の攻撃をけん引するのが、10番を背負うMFアリシェル・ジャリロフだ。ロシアの強豪ルビン・カザンの下部組織出身で、各年代別のロシア代表としてプレーした経験を持つ。今年9月に行われたキルギス戦でタジキスタン代表デビューを果たすと、値千金の決勝点をマーク。小柄な左利きのテクニシャンであることから、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシに例えられるアタッカーだ。なお、今回のタジキスタン代表には10代の選手が5名含まれており、30代はDFダヴロンジョン・エルガシェフただ一人。10代は久保建英のみ、5人の30代を抱える日本代表と比べると、非常に若いメンバー構成となっている。

■サッカー連盟会長は大統領の息子

目が離せないのは選手だけではない。タジキスタンサッカー連盟のエモマリ・ルスタム会長は、同国の大統領を務めるエモマリ・ラフモン氏の長男。さらに、首都ドゥシャンベの市長も務める超大物なのだ。実は、同都市を拠点とするイスティクロル・ドゥシャンベの共同創設者であり、過去には選手(ストライカー)として同クラブに在籍。キャプテンまで務めていたという。もっとも、ただの御曹司ではなく、ロシア語、英語、ドイツ語を自在に操る秀才で、アジアオリンピック評議会の委員やFIFA開発委員会のメンバーを務めたこともある実力者。次期大統領の最有力候補とされるが、タジキスタンサッカーの将来を担う人物でもある。

■U-17W杯出場権獲得

A代表は実績に乏しいが、ユース年代は著しい進歩を遂げている。昨年、マレーシアで開催されたAFC U-16選手権で準優勝。決勝で日本に敗れて大会初制覇こそならなかったが、今月26日に開幕するFIFA U-17ワールドカップ ブラジル2019の出場権を獲得した。タジキスタンにとって、同世代2度目の世界大会出場となる。なお、今年2月からU-17代表のアシスタントコーチを務めているのが、日本人指導者の水島武蔵氏。タジキスタンでは2010年から約3年間、鈴木隣氏が日本人指導者として初めてU-16代表監督を率いて、2018年からは島田信幸氏がタジキスタンサッカー連盟のフットボールアカデミー監督を務めている。今回のW杯予選では敵として対戦するが、日本とタジキスタンのサッカーは深い縁で結ばれていることも知っておきたい。

(記事/Footmedia)

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