「6人交代の親善試合では強いけど…」セルジオ越後氏、優勝逃した日本代表の課題を指摘

アジアカップはカタールに敗れ準優勝。2022年ワールドカップ予選では再び中東勢と戦わなければならない [写真]=Getty Images

 日本代表は1日、AFCアジアカップUAE2019決勝でカタール代表と対戦し、1-3で敗れた。日本は2大会ぶりの決勝進出を果たしたものの、5度目のアジア制覇とはならず。今大会はカタールの初優勝で幕を閉じた。

 サッカー解説者のセルジオ越後にカタールとの決勝戦、今回のアジアカップを総括してもらった。

「カタールは7戦全勝で19得点1失点。これは完全優勝と言ってもいいんじゃないかな? 今大会で一番強い国だったし、勝つべき国が勝ったということ。カタールの方が総合力で上回っていたし、戦術的にもよく日本を分析していたと思う。振り返ってみると日本の課題は初戦から明らか。それは引いた相手を崩せないということ。中盤でパスをつなぐばかりで、相手を脅かすようなミドルシュートも少ない。結局エリアの中でしか得点を取れないから、相手からすると最終ラインの枚数を多くしてスペースを消しておけば大丈夫ということ。韓国、オーストラリアは準々決勝で今日の日本のような展開で負けている。今大会に限っては日本の方が順位が上かもしれないけど、実力的には大して変わらないね」

「日本は6人交代の親善試合では強いけど、3人交代の公式戦でつまずいた。初戦から冨安をボランチで起用する“非常事態”もあったよね。選手層はまだまだ薄いよ。吉田、長友、大迫と主力のほとんどがワールドカップ経験者。今の不動の11人はこれからどうなっていくのか。思い切って世代交代に踏み出してもいいと思う。引いた相手を崩せないという課題を解決できる選手が出てきてほしい」

「アジアカップにおける日本のノルマは“優勝”だけ。アジアの中では強豪国なんだから、決勝で負けたことが大騒ぎにならないと。どんな形であれ、決勝で1-3というスコアは『惜しかった』とは言えないね。『決勝まで行ったから大丈夫』、『成長した』というポジティブな言葉が出ることによって、反省点が見えなくなってしまう。目の前の試合に負けて“良かった”なんてことはない。それに『いいところを探そう』ではなく、冷静に今大会を分析する必要がある。そもそも『いいところがあった』のであれば優勝できているよ。今の日本には足りないものがあるから決勝で負けている」

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