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長友佑都がアジア杯で残した名言の数々…改めて感じるその“コメント力”

2019.02.02

大会期間中、数々の名言を残した長友佑都 [写真]=Getty Images

 AFCアジアカップUAE2019はカタール代表の初優勝で幕を閉じ、日本代表は準優勝に終わった。約1カ月に及ぶ大会期間中は連日、選手たちがメディアの取材に応じ、各々がコンディションやチーム状況、試合への意気込みなどを語ってきた。

 選手たちの言葉を振り返ってみると、やはり長友佑都のコメントは秀逸だなと感じる。自分自身やチームの状態、そしてチームメイトの様子を、ときにユーモアを交えながらわかりやすく伝えてくれる。そんな長友が今大会期間中に残した名言を紹介しよう。

「おみくじは信じない」

1月3日、開催国UAEでの初練習を終えて取材に応じた長友は、取材陣から初詣に関する質問を受け、「おみくじは信じない」と明かした。

「2011年はおみくじで凶が出たんですけど、アジアカップで優勝して、インテルに移籍もできたんで、僕にとっては大吉だった(笑)。それからおみくじはまったく信用していないです(笑)」

「また騒がしいやつがくる」

1月5日、中島翔哉の離脱を受けて乾貴士の追加招集が発表された。その日の練習後、長友は「また騒がしいやつがくるなという感じ」と言いつつ、盟友の合流を喜んだ。

「明るい彼がピッチの中だけでなく、ピッチ外でも経験と明るさをチームにもたらしてくれる。これはすごく大きいですよ。乾が追加招集されたとき、W杯メンバーはざわつきましたからね。『来るか!』と(笑)。それが彼の持っているパーソナリティですよね。サッカー選手としてだけでなく、一人の人としてもみんながざわつくようなものを持っているというのは、何かいい方に運んで行くのではないかなと思います」

「すげーな、こいつ」

長友は今大会期間中、堂安律を“愛弟子”として可愛がっていた。現地入りしてからは毎日一緒にトレーニングを行っていたようだが、その貪欲な姿勢に感銘を受けた彼は思わず「すげーな、こいつ」と口にした。

「毎日一緒にいます。午前中はジムに行って、コンディションに合わせたトレーニングを、コミュニケーションをとりながらやっている。朝食が終わったら『何時にしますか?』ってメールが来ますから。すげーな、こいつの貪欲さはって思いますね。でもそれくらいじゃないと、常になにかを吸収するっていう気持ちを持っていないと成長はないですよね」

「師匠がカバーできなかったので」

これも堂安絡みのコメントだ。1月9日に行われたグループステージ第1節のトルクメニスタン戦。日本は堂安のパスミスがきっかけで先制を許したが、決勝ゴールを奪ったのも堂安だった。彼のゴールが決まったとき、長友は真っ先に祝福へ向かった。その理由をこう語っている。

「あの失点は僕がフリーにさせたから。仕掛けるというのは素晴らしいし、後ろの選手、僕自身がリスクマネジメントしていれば問題なかったので、あれは僕の責任です。(堂安は)弟子なんで。師匠がカバーできなかったんで、彼のミスを。だから彼にゴールを取ってもらえてすごく嬉しかったです」

「自分のミスから失点して、普通はナーバスになって仕掛けられなくなる選手がほとんど。それでも仕掛けるのが彼の良さ。だからゴールにつながったと思います」

「ナーバスになるな」

FIFAランキング127位のトルクメニスタンに3-2と辛くも勝利したグループステージ初戦。先制点を奪われ0-1で前半を折り返したが、長友にとっては「想定内」だったようで、ハーフタイムにはチームメイトにこんな言葉をかけた。

「想定内でした。先制点を取られることも。ただ、『絶対にナーバスになるな』ということを伝えた上で、もっと泥臭いサッカーをしようと声かけできたので、そこが後半のサッカーにつながりました」

「カメレオンのように」

サウジアラビアとの決勝トーナメント1回戦では、ボール保持率わずか23パーセントという厳しい戦いを強いられながら1-0で勝利を収めた。試合後、長友はインテル時代のライバルクラブを引き合いに出し、「今の日本はボールを握られていてもメンタル的に余裕がある。ピッチの中で『集中していれば問題ない』というメンタルが漂っています。それはやっぱり強いチーム、特にユヴェントスとかはそういった雰囲気が漂っているんです」とコメントした。そして「アジアのユヴェントスになれるか?」という質問にはこう答えた。

「ユヴェントスになれなくても、カメレオンのようにやり方を変えたらいい。相手チームや環境を見てポゼッションをするのか、引いて守るべきなのか。そういう判断をしていけば、もっと成長していくと思います」

「スーパーゲーム。アップのときから勝てると思った」

“アジア最強”イランとの準決勝に3-0と快勝した試合後、「今日はスーパーゲームでしょう。僕らが本物だということを証明しましたよ」と満足げに語った長友。実は、彼は試合前のウォーミングアップでチームメイトの姿を見た時点で、勝利を確信していた。

「みんなの体の動き。ちょっと専門的な見方なのかもしれないですけど、みんな骨盤が立っていたんで。コンディションがすごくいいなと。これはいけると、本当にアップで思いましたね。全員、本当にいい状態でした」

「お父さん気分です」

イラン戦後、長友は完封勝利に大きく貢献した冨安健洋を「規格外」と絶賛すると同時に、さらなる成長を期待するコメントを残した。息子を見守る父親のような気持ちで。

「冨安は素晴らしかったですよね。20歳で、相手の20番(サルダル・アズムン)を相手にあのプレーができる。スーパープレーの連続でしたよ。彼はすごい。ちょっと規格外だよね。しかもこの舞台、この緊張感でこの落ち着き。これはもう親心です。早く成長してほしいですね。どんどん飛躍して、ビッグクラブで戦える選手になってほしい。なんか、お父さん気分です(笑)」

「この悔しさが原動力に」

長友佑都

苦しみながらも勝ち進んだ日本だったが、決勝ではカタールに1-3で敗れ、王座奪還は叶わなかった。それでも試合後、長友はこの敗戦をポジティブに捉えていた。悔しさが前に進むための「原動力」になることを、身をもって経験してきたからだ。

「今後のサッカー人生を考えたとき、この悔しさが原動力になる。大きな価値になったと思います。僕は(北京)オリンピックのときもそうだし、ブラジル(ワールドカップ)のときもそうだし、(悔しさが)ここまで来る原動力になっていたので。これをまたエネルギーにできるなと、自分自身はポジティブに捉えています」

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