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【スカサカ!ライブ】柴崎岳が模索する、日本サッカーへの貢献の形

2018.11.27

 番組MCの岩政大樹がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く~ヘタフェ柴崎岳篇~後編」が放送された。

 前編ではスペイン挑戦を決めた柴崎の胸中に岩政が迫った。昨シーズンはリーグ戦で22試合に出場したが、今シーズンは2試合の出場にとどまっている。後編では所属するヘタフェについて、そして日本代表や日本サッカーの未来について語り合った。

ヘタフェの戦術について

岩政大樹(以下、岩政) 日本とスペインの、たとえば指導の違いって、そんなに大きくは感じないですか?

柴崎岳(以下、柴崎) 僕が所属したクラブは、どちらかというと日本のほうが、より細かいかな、という感じですかね。ヘタフェヘタフェで、どちらかというとインテンシティ(強度)を求めるので、タクティクス(戦術)的とか技術的な部分というのは、ちょっと二の次なところはありますかね。

岩政 じゃあそんなに、いわゆる「戦術」と言われるような練習や話は、そんなに多くはないですか?

柴崎 しても、すごくシンプルですね。相手のこともすごくシンプルに分析して練習に落とし込んで、「次の試合はこういうふうにやろう」というのはもちろん形作りはやりますけど、試合はそのとおりになるとは思わないですけど、そういうのはざっくりとやって。自分たち、ヘタフェはインテンシティの高いゲームをしながら、いかに自分たちがミスを減らせるかっていう。

 ヘタフェって、悪い時ってすごくカウンターを受けるんですよね。カウンターにあまり強くないんですよね。失点のシーンって、ショートカウンターとか、自分たちのミスでやられている時がすごく多い。でもいい時は、そのリスクすらすべて排除して、より確実なプレー、たとえばクリアする、見えていない視野があったらクリアするとか、いわゆる「ティキ・タカ」というポゼッション志向のサッカーではなく、よりリスクを徹底的に排除したサッカーなので、ミスにすごく厳しい。監督もそうだし。

日本代表への思い

岩政 この前、代表にも参加されましたけど、新しい代表というところで、何か見えてきたものはあります?

柴崎 世代が徐々に変わりつつあるなっていうのはもちろんありますしね。

岩政 逆にやりやすくなるんじゃないですか? ご自身の、他の選手をうまく生かしながら、みたいなところのメンタリティーでいくと。

柴崎 やりがいはすごくありますね。前回のワールドカップ(ロシア大会)前とか最中は、何か自分が、作る側というか、4年間かけてやったんですけど、元あったチームに自分が入ったみたいなイメージですけど、今回はこういうふうにW杯を経験して、新チームが始まって、そこに自分が関われている中で、やっぱり自分の立ち位置とか、実力を証明しないとチームに生き残っていけないというのは分かっていますけど、その中で自分がどういうふうに振る舞えば、プレーできれば、これからどんどん入ってくる選手たちがミックスしてマッチしていく、うまく形成できていくのかな、という思考は前回のW杯前はなかった考えなんで、より日本代表のことを考えるようになったというか。そういうイメージはありますね。

岩政 あのW杯って、まだ振り返る時でもないですし、これからいろいろなところで考え方も変わるんでしょうけど、やっぱり日本サッカー自体も非常に自信を持てた大会でしたけど、柴崎選手自身もまた、今年も苦しいシーズンを過ごしていますけど、あそこで1回、ご自身のリズムでプレーができたというのは非常に大きかったのかなっていう気がするんですけど。

柴崎 W杯の後に思ったのは、たぶん今、自分の中にあるすべてを出し切った大会だったなって。今の自分のマックスがこれだなって。その意味で言えば、悔しさはあまりなかったですね。やり残した感覚はないから。結果に対しては悔しい気持ちはあるけど。じゃあ、自分が4年後とかに、またこの同じチャンスが来た時に、どうなっていなければいけないかっていうのを確認できて、それを今、日々思考を巡らせているというか。そういう日々を送れているんで、すごくいいW杯だったんじゃないかなって。自分にとっては。

■柴崎が見据える未来

岩政 昨年からラ・リーガに来て、W杯もあってということだと、日本にいると世界に対していろいろな想像はできますけど、やっぱり肌感覚でしっかり感じることができたっていうのは、やっぱりこの1年半で、次の到達点も見えてきたのかなってところが、実感としてあるのかな、という気がするんですけど。その辺は、これからどこに、どういうところに向かっていきたいというのはあります?

柴崎 やっぱりより高いレベルのコンペティション、大会に出ていきたいという思いもありますし、今、一番思っているのはやっぱり試合に出続けること、これはもうマストで自分に課してやらなければならないこと。そのためにどうするかというのは、いろんな選択肢がありますけど、やっぱりそれを実現させなければいけなくて。やっぱりプロであるうちはより高みを目指して、自分のプレーがどこまでいけるんだろうかっていうのを、そういう意味では理想主義というか、ロマンとリアリズムのいろいろなバランスを取りながらやっているところではあるんで。それは変わらず求めていきながら。

 W杯で言えば4年後もありますしね。代表チームは、やっぱりさっきも言ったとおり、チームの中でもいろいろ考えるようになりましたし、また、ちょっと低迷していた日本代表人気というものが、W杯でちょっと良くなって、そこからまた皆さんに期待されるような日本代表を徐々に作っていかなければいけないという段階であって、やっぱり日本にとってサッカー日本代表というのが、どうなっていなければいけないんだろうかと。それはサッカー的な側面もそうだし、様々な活動があるじゃないですか。それを代表としてやっていくというのも、今は一つ「あり」なのかなと。

 ファンの方々にとって、競技だけではなく、いろいろな影響を与えられるサッカー日本代表というのも、ちょっと自分の中ではあるかな、と思いながらやっていますかね。

岩政 じゃあ、そのへんでは、22歳から26歳までのこの4年間というのは、W杯もありましたけど、また新たなステップアップを個人としてもしていった中の4年間でしたけど、これがまた少し、日本代表も含めてですけど、日本サッカーというものを少し包括的にとらえながら過ごす4年間になりそうですね。

柴崎 そうですね。人それぞれ、そのやり方っていっぱいあると思うんですけど。大樹さんも今、こういう立場で、大きく見たら日本サッカーのためみたいなところがあるんで、それは一人ひとり、「変わっているな、この人」みたいなやり方の人もいますけど(笑)。いろいろな新しいことにチャレンジしている人もいて、それはそれですごく、その人なりにいろいろ考えてやっていること、ひいては日本サッカーの未来のためというふうになっていると思うので、僕も微力ながらそういうことを考えながらやっていこうかなって、そんな年頃です。

岩政 へえ~。それはもう、何か動き出しているんですか?

柴崎 いやいや、そんなことないですけど(笑)。これから。考えているだけでまだ実現はしないですけど、そこが一番大事な時期なんですけどね。でも、何か「これ」というものではなくても、単発的でもいいですし、長期的なビジョンでもいいですけど、やっぱり自分にしかできないことって、人それぞれにあると思うので、それを自分で見つけていきながら、日本サッカーに貢献していきたいと思っています。

岩政 へえ~。そんな歳になりましたね。

柴崎 (笑)。

 毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』。次回は11月30日(金)21時スタートの予定となっている。

By サッカーキング編集部

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