11日、国内練習時のU-21日本代表の様子 [写真]=野口岳彦
A代表の活動と並行し、インターナショナルウィークを利用して、東京オリンピックに出場することになる世代で構成されるU-21日本代表がUAEで開催される『ドバイカップU-23』に出場する。
Jリーグですでに活躍している選手や大学生、下の世代から“飛び級”で入ってきた選手など、A代表だけでなく五輪代表も“融合”がテーマとなる大会に出場するメンバーを紹介する。
■GK
1 小島亨介(こじま・りょうすけ) 1997年1月30日生まれ/183cm/73kg 早稲田大
各世代別代表としてプレー。名古屋グランパスの下部組織に在籍していたが、トップ昇格はならず早稲田大学に進学した。日本代表としては2016年にAFC U-19選手権で優勝し、翌年のU-20ワールドカップにも出場。同年には夏季ユニバーシアード大会で優勝を果たしている。今年はAFC U-23選手権、アジア競技大会に出場。10月には大分トリニータへの加入内定が発表されている。
23 谷晃生(たに・こうせい) 2000年11月22日生まれ/189cm/82kg ガンバ大阪
滝本晴彦(柏レイソル)が体調不良で不参加となったため、追加招集された。2000年生まれ世代として、各世代別代表の正GKを務める。10月にインドネシアで開催されていたAFC U-19選手権にも出場。今回の代表では“飛び級”として呼ばれたメンバーの1人にもなる。G大阪の下部組織出身で2017年12月には、当時高校2年生ながら堂安律以来となるクラブチームにおいても“飛び級”でトップ昇格を果たしている。今季はG大阪U-23の一員としてJ3で15試合、トップチームでもルヴァンカップで1試合に出場している。
12 山口瑠伊(やまぐち・るい) 1998年5月28日/186cm/73kg エストレマドゥーラUD(スペイン)
フランス人の父と日本人の母を持つ20歳。名前の瑠伊は登録名上Louisとフランス語表記になる。フランス生まれだが幼少期に日本へ渡り、FC東京の下部組織でプレーしていたが、2014年夏にロリアンの下部組織へ移る。日本人のGKとしては珍しい海外のプレーを選択し、2017年まで在籍。同年夏からはスペインのエストレマドゥーラへと移籍。スペイン4部に在籍するBチームでプレーし、今シーズンは8試合に出場している。
■DF
4 板倉滉(いたくら・こう) 1997年1月27日生まれ/186cm/75kg ベガルタ仙台
小学校時代から川崎フロンターレの下部組織に在籍。2015年にトップへと昇格したが、十分な出場機会を得るには至らず、今季は仙台への期限付き移籍を果たす。仙台ではリーグ戦22試合に出場して3得点を挙げ、直近の第32節サンフレッチェ広島戦でもフル出場している。森保一監督下のU-21代表は3バックシステムで戦うことが多いが、板倉はセンターバックとボランチをこなし、試合中でも選手交代によってポジションを変えるなど、マルチタスクを課されている。
15 大南拓磨(おおみなみ・たくま) 1997年12月13日生まれ/184cm/76kg ジュビロ磐田
中学までは地元・名古屋のクラブチームでプレーし、高校は鹿児島実業に進学する。2016年に名波浩体制の磐田に加入し、2季は出番が無かったが、残留争いに巻き込まれた今季終盤戦にリーグ戦で出番を得ると現在は2試合連続フル出場中。今年の代表活動では3月のパラグアイ遠征、8月のアジア大会は追加招集という形で参加したが、直近の好調もあり、今回はリストに最初から名前が載ることとなった。
20 立田悠悟(たつた・ゆうご) 1998年6月21日/189cm/75kg 清水エスパルス
静岡で生まれ育ち、清水のトップチームに2017年から在籍。今季開幕戦でリーグ戦デビューを果たすと24試合に出場して1得点をマーク。長身センターバックから今季はサイドバックとして新境地を開拓し、一気にポジションをつかみ取った。東京五輪世代代表としては森保体制立ち上げのタイ遠征から招集されている。
19 橋岡大樹(はしおか・だいき) 1999年生まれ5月17日/182cm/73kg 浦和レッズ
浦和の下部組織育ちで2017年から2種登録としてプレー。今季からトップ昇格を果たし、サイドバック、ウイングバックの位置でクラブではプレーしている。一方でU-20ワールドカップ出場権を獲得した10月のAFC U-19選手権では4バックのセンターバックとしてディフェンスラインを統率した“飛び級”組。強豪クラブに在籍しながら、今季はリーグ戦23試合出場1得点という数字を残している。
22 小林友希(こばやし・ゆうき) 2000年7月18日生まれ/183cm/73kg ヴィッセル神戸U-18
今遠征ではDF登録の5名で最年少で、橋岡と同じく“飛び級”でメンバー入り。AFC U-19選手権ではW杯出場権が懸かったインドネシア戦で橋岡とセンターバックコンビを組み、完封勝利に貢献した。高校3年生年代の小林はU-18在籍となっているが、高校1年時から2種登録選手としてトップチームに名を連ねる。今季リーグ戦で初出場を記録し、2試合に先発している。
■MF
3 中山雄太(なかやま・ゆうた) 1997年2月16日生まれ/181cm 76kg 柏レイソル
この世代を代表する選手の1人。世代別代表では主将としてそれぞれのチームを引っ張ってきた。2015年に柏のトップチームに昇格。2017年にはJリーグのベストヤングプレーヤー賞も受賞した。今季はここまでリーグ戦17試合出場1得点。代表ではMF登録となるが、クラブチームでの起用法同様ボランチをこなしつつ、センターバックも務めることもできる。
10 三好康児(みよし・こうじ) 1997年3月26日生まれ/167cm/64kg 北海道コンサドーレ札幌
川崎の下部組織出身で、板倉とともに長らくプレー。2015年、同じタイミングでトップ登録されたが、定位置確保には届かず、期せず板倉と同じく今季は期限付きで新天地を求めた。札幌では現在キャリア最多のリーグ戦24試合に出場(2得点)で上位に位置するチームの主力の1人として活躍している。今年行われたアジア競技大会では代表の主将も務めた。今回の遠征でも背番号10を背負う。
6 長沼洋一(ながぬま・よういち) 1997年4月14日生まれ/177cm/66kg FC岐阜
広島下部育ちの長沼。主戦場は右サイドバックおよび右ウイングバックとなる。2016年にトップ昇格を果たし、森保監督の下でプレーしている秘蔵っ子と言える。2017年夏からモンテディオ山形、2018年はFC岐阜へ期限付き移籍しているが、今季はリーグ戦17試合出場うち先発は5試合という状況の中での招集となっている。
8 伊藤達哉(いとう・たつや) 1997年6月26日生まれ/168cm/59kg ハンブルガーSV(ドイツ)
すでにブンデスリーガでのプレー経験も重ねている伊藤は柏の下部組織からハンブルガーSVへと移籍。アンダーカテゴリーチームで実績を積むと、2017年9月にトップデビューを果たし、同シーズンでリーグ戦20試合に出場した。サイドでのスピードと切れ味を生かした突破が武器。チームは2部降格となったが今シーズンから背番号11を着用し、引き続き期待の高さがうかがえる。今年9月にA代表初招集。出番はなかったが、今回の東京五輪世代代表の中でどういったプレーを見せてくるか注目だ。
2 藤谷壮(ふじたに・そう) 1997年10月28日/178cm/67kg ヴィッセル神戸
スピードを武器にする右サイドバック。3バックを採用するケースが多い今代表ではウイングバックを担当する。FC岐阜に在籍する藤谷匠は実兄。2015年4月に2種登録ながらトップデビューを果たして神戸の最年少出場記録を更新(17歳5カ月)した。翌年にトップ昇格。今季はリーグ戦12試合に出場している。
13 岩崎悠人(いわさき・ゆうと) 1998年6月11日生まれ/172cm/69kg 京都サンガF.C.
京都橘高校時代に選手権で一躍脚光を浴びたアタッカー。選手権では1年時と3年時に優秀選手に。各世代代表でもプレーし、高校卒業とともに京都に加入した。アタッカーとして複数ポジションをこなせ、ハードワークをいとわない。今季の京都ではチームで7番目に多いリーグ戦33試合(1得点)に出場している。
7 松本泰志(まつもと・たいし) 1998年8月22日生まれ/180cm/69kg サンフレッチェ広島
埼玉県出身で同県の昌平高校へ進学。同校初の選手権となった第93回大会に1年生ながら出場した。高校時代はアタッカーだったが、ボランチとして現在はプレーしている。広島には高校卒業後の2017年に加入。森保監督下で半年ほどのプレー経験があり、五輪世代を率いることになってから初の試合となったタイ遠征でも招集された。今季はリーグ戦3試合の出場だが、ルヴァンカップでは全6試合に先発し、5試合でフル出場。
5 杉岡大暉(すぎおか・だいき) 1998年9月8日生まれ/182cm/75kg 湘南ベルマーレ
ルヴァンカップ決勝の活躍が記憶に新しい杉岡。市立船橋高校では3年時に主将を務め、インターハイ優勝を経験。2017年に湘南へ加入すると、開幕戦でいきなりの先発を果たし、同シーズンはリーグ戦37試合に出場した。今季もチーム3番目の多さとなるリーグ戦28試合に出場。左利きでサイドバック、ウイングバック、センターバックがこなせる貴重な存在でもあり、A代表招集を推す声も多い。
18 菅大輝(すが・だいき) 1998年9月10日生まれ/171cm/69kg 北海道コンサドーレ札幌
本職はFWだが、現在は左ウイングバックを主戦場とする。2016年に2種登録としてトップデビュー。翌年に昇格を果たし、今季はリーグ戦31試合に出場して上位を争うチームをけん引する一人となっている。左サイドを躍動する姿を見つける際、ポイントはかなり明るめの金髪姿。
16 神谷優太(かみや・ゆうた) 1997年4月24日生まれ/176cm/67kg 愛媛FC
齊藤未月(湘南ベルマーレ)の負傷離脱に伴い、追加招集された。東京ヴェルディユースから高校2年時に青森山田高校へ編入。選手権に背番号10を背負って出場してベスト4入りを果たしている。卒業後は湘南に加入。在籍2年で定位置確保には至らず、今季は期限付き移籍で愛媛でプレーし、リーグ戦30試合に出場している。高校時代は攻撃的な位置でプレーしていたが、プロ入り後はボランチが中心。今年1月のAFC U-23選手権では主将を務めている。
17 伊藤洋輝(いとう・ひろき) 1999年5月12日生まれ/188cm/80kg ジュビロ磐田
磐田下部組織出身で名波浩監督、中村俊輔という希代のレフティーから影響を受ける左利きの大型ボランチ。高身長で攻撃のリズムを作るゲームメイクができる。“飛び級”での招集とはなるが、これまでもU-21代表には度々呼ばれている。U-19代表として臨んだ10月のAFC U-19選手権では泥臭いプレーもいとわず、勝利を欲する姿勢を示した。
21 久保建英(くぼ・たけふさ) 2001年6月4日生まれ/173cm/67kg 横浜F・マリノス
サッカーファン以外にも名前が知られる逸材。FIFAからの制裁によってバルセロナ下部でのプレーができなくなった2015年からはFC東京に在籍。数々のJリーグ最年少記録を塗り替えていった。一方トップチームではなかなか出場時間を延ばせず、今季は8月から横浜F・マリノスに期限付き移籍(今季は2チーム合わせ、リーグ戦7試合出場1得点)。“飛び級”だが、東京五輪世代の一員としてはすでに2017年にU-20W杯を経験している。
■FW
9 小川航基(おがわ・こうき) 1997年8月8日生まれ/186cm/78kg ジュビロ磐田
世代を代表する選手の一人。桐光学園時代にエースとして注目を集めた。卒業後に磐田加入を選択。加入2年目の2017年にリーグ戦デビューを果たし、ルヴァンカップでハットトリックを記録するなどしたが、U-20W杯で左ひざのじん帯を負傷。2018年4月に約1年ぶりとなる復帰を果たし、11月にはPKながらJリーグ初得点を記録。復活期すエースに期待が集まる。
11 上田綺世(うえだ・あやせ) 1998年8月28日生まれ/180cm/72kg 法政大
鹿島学園から法政大学へ進学。世代別代表は、東京五輪世代代表が森保体制になってから初の大会となった2017年12月のタイ遠征が初経験となったが、以降は定期的に招集。8月のアジア大会では3得点をマークした。180cmの身長があるが、持ち味は背後への飛び出し。
14 旗手怜央(はたて・れお) 1997年11月21日生まれ/172cm/68kg 順天堂大
田川亨介(サガン鳥栖)の負傷により、追加招集された。静岡学園卒業後、順天堂大学に進学。1年生時に関東大学サッカーリーグで9得点を挙げて新人王を獲得し、注目を集めた。今年7月、大学3年生ながら川崎への2020年加入が内定が発表。特別指定選手として今季登録されている。
■試合日程
大会名はU-23と冠されているが、代表関係者は「各国がU-21代表で参加すると聞いている」とコメントしており、同世代の対決となる。
<第1戦>
vsウズベキスタン
(日本時間)11月14日23時30分キックオフ
<第2戦>
vsクウェート
(日本時間)11月17日23時30分キックオフ
<第3戦>
vsUAE
(日本時間)11月20日20時45分キックオフ