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【コラム】若手とベテランが生んだ好循環…進む森保ジャパンの「融合」

2018.10.17

森保ジャパンは強豪ウルグアイに勝利し、初陣から3連勝 [写真]=新井賢一

 森保一監督がキーワードに挙げた「融合」は着実に進んでいる。日本は躍動感あふれるプレーで強豪ウルグアイを撃破。指揮官は「選手たちがチームコンセプトのもと、個の力を発揮する、そしてチームとしてトライすることをやってくれた」と胸を張った。

 攻撃をけん引したのは、“恐れを知らない”若手たちだった。相手がFIFAランキング5位の相手だろうと関係ない。そう言わんばかりに攻め立てる。南野拓実は3試合連続ゴールを含む2得点を挙げ、堂安律はA代表初ゴールを決める。中島翔哉も2ゴールを演出した。圧巻のパフォーマンスに、32歳の長友佑都は冗談交じりに「体を張らないと、次から呼ばれないと思った」と話しつつ、「刺激をもらっていますよ。久しぶりに若い時のギラギラ感を与えてもらっている」と目を細めた。

 世代間の融合に若手からの突き上げは欠かせない。ベテラン勢もうかうかしていられないという雰囲気は好材料に映る。大迫勇也も闘争心に火をつけられた一人だろう。俺だって決めてやる――。ウルグアイ戦は全身からあふれ出る気迫がスタンドまで伝わってきた。

 先日のパナマ戦は「手探りの状態ではあった」と無難なプレーが多かったが、目の前で南野、伊東純也に点を決められて悔しくないわけがない。ウルグアイ相手にゴールを決めると、力強く拳を握りながら雄叫びを上げた。

 若手もまた、経験ある選手のプレーの質の高さに刺激を受けている。前線で大迫とコンビを組んだ南野はこう振り返った。「チームが苦しい時にボールを収める。そういう役割では、サコくんのほうが僕よりもチームを助けていた。そこは見習うべきところ」。

 実際、大迫が強靭なセンターバックを相手にしても当たり負けせず、巧みにボールを収めたことで、2列目の中島、堂安が勢いを持ってプレーできた。経験豊富な両サイドバックのサポートも大きい。大迫は「両サイドバックの長友さんと(酒井)宏樹がバランスを取ってくれているから、両サイドが行けている」と指摘。後方で支えてくれるベテランがいたからこそ、若手は思う存分に暴れることができた。

 守備に目を向ければ、3失点と手放しに喜ぶことはできない。修正点は多いが、それでも森保監督は「融合に向けて、今のベストを出してくれた」と一定の評価を示した。競争意識を高めることは、チームの活性化につながる。若手の突き上げがベテランを刺激するという好循環が、世代間の融合を進めている。

取材・文=高尾太恵子

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