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「歩み寄り」でなく「けん引」を…ウルグアイ戦で“ロシアW杯出場組”に期待すること

2018.10.15

ロシアW杯出場組が加わった日本はパナマに快勝を収めたが… [写真]Getty Images

 12日に行われたパナマ戦、そして16日のウルグアイ戦は、森保新体制下で台頭したフレッシュな若手とロシア・ワールドカップ出場組の“融合”が一つのテーマとなっている。しかし、大迫勇也原口元気と2人の“ロシア組”が先発に名を連ねたパナマ戦は、融合という意味では物足りない内容だったように思う。

「ボールの持ち方、タイミング、角度、距離感……正直まだまだなところもある。チームの半数以上選手が変わっている。合わないのが普通だし、これからすり合わせていけばいい」

 試合後、大迫はそう言って「これから」であることを強調した。実際、パナマ戦での大迫と原口はどちらかと言えば若手に合わせ、周囲に気を遣いながら“無難に”プレーしていた印象だった。結果は3-0の完封勝利。ロシア組の原口と新世代の伊東純也、南野拓実の絡みから追加点も生まれたが、ロシア組の合流によって我々が期待していたのは、9月のコスタリカ戦よりも一段レベルが上がったチームだ。大迫や原口にはW杯のベスト8に迫ったチームの主軸としての「格の違い」を、若手が舌を巻くような鮮烈なプレーを期待していた。

 実戦で一緒にプレーするのが初めてという状況では、互いに慎重になるのは無理もないし、周囲を観察しながらある程度合わせにいくのは仕方のないことかもしれない。その中でしっかり結果を残せたのは、むしろ大迫や原口の柔軟性、適応力の高さを示すものでもある。それでも、ロシアの地でW杯のレベルを肌で感じ、そこでさらなる結果を残していくというのなら、強化の過程で“あの”基準やクオリティーを忘れるべきではない。

 我々が見たいのは、ロシアW杯時よりも明らかに「強くなった」と思える日本代表だ。そのためにも新戦力には当時のレベルを知ってもらい、早い段階で超えていってもらう必要がある。

 百戦錬磨の選手たちに求められるのは「俺のプレーについてこい!」という気概。下に歩み寄るのではなく、自分が知るレベルへと若手を引き上げてやる、という姿勢ではないか。次の相手は強豪ウルグアイ。W杯の水準を思い出すには打ってつけの相手だ。この試合で先発が予想される長友佑都吉田麻也柴崎岳らロシア組には、自らの最高のプレーで若手を一段上のレベルに導くようなパフォーマンスを期待したい。

取材・文=国井洋之

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