代表デビューが期待される冨安健洋 [写真]=嶋田健一
今度こそ、という思いを募らせた。9月の代表活動で代表デビューを期待されながら、出番が回ってこなかった冨安健洋は、「チャンスをもらえれば、思い切ってプレーするだけ」と意気込んだ。
前回のコスタリカ戦に出場せず、今回も招集されたフィールドプレーヤーは冨安ただ一人。森保一監督はこの2試合のどちらかで試したいと考えているはずだ。「明日になったら緊張もあるかもしれないですけど、平常心でやることが一番だと思う」。
パナマ戦への心境を聞かれ、冨安は“平常心”というワードを出したが、実は緊張している時のほうが良いパフォーマンスを発揮できるタイプだ。
たとえば昨年5月に開催されたU-20ワールドカップの初戦では、国際大会特有の雰囲気と南アフリカの身体能力に戸惑い、前半は思うような守備ができなかった。それでもハーフタイムに気持ちを切り替え、迎えた後半は見違えるようなプレーを披露。大会後に「緊張というよりも、なんとなくフワフワしていたというか。入り込めずにプレーしている感覚がありました」と振り返っていた。
親善試合とはいえ、パナマ戦のピッチに立つことになれば、19歳の冨安にとってはデビュー戦になる。少なからず緊張するだろうが、その緊張感が彼の良いパフォーマンスを引き出す可能性は高い。
今回はロシア・ワールドカップでベスト16入りに貢献した海外組が6名招集されており、その中には冨安が将来プレーしてみたいと考えるプレミアリーグで戦う吉田麻也がいる。「正直、今の僕では到底及ばない。まだまだ代表に入るべくして入っているとも思っていない」。冨安はそう謙遜しつつも、「少し背伸びしてでも、アピールできるところはしたい」と続けた。出場のチャンスをつかみ、必死に食らいつく覚悟はできている。
取材・文=高尾太恵子
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部