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4年後に向けた吉田麻也の決意「主力の代表引退で自分の責任は大きくなる。一層チームのことを考えられる選手に」

2018.07.24

吉田麻也は「日本代表のキャプテンは次の監督が決める」と話しつつも「僕のポジション、僕のキャリアを考えると、チームをまとめていかないといけない立場」と話した

 24日、日本代表のDF吉田麻也がブランド誕生70周年を迎えたイギリスの自動車メーカー、ジャガー・ランドローバーの新ブランド・アンバサダーに就任した。吉田はイングランド・プレミアリーグに所属するサウサンプトンで、2012年8月からプレー。2017年4月に日本人として初となるプレミアリーグリーグ100試合出場を達成している。

 同日に行われた就任披露発表会で、ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社のマグナス・ハンソン代表取締役社長は「日本代表は吉田を中心に期待を超える活躍しました。今季、吉田選手にとって、プレミアリーグで7シーズン目となります。日本とイギリスの架け橋になってほしい」とコメント。「吉田選手は情熱的で諦めることなく、限界を作らず常に上を目指しています。その姿勢はランドローバーが掲げる“ABOVE & BEYOND”(より高く、より上に)のブランド精神を体現しています。ランドローバーとともに次のステップを目指してもらいたい」とアンバサダー起用の理由を話した。

 発表会見ではトークイベントを実施。元日本代表の北澤豪氏が進行役となり、車、ロシア・ワールドカップについて約25分間の熱いトークが展開された。

■イギリスではランドローバーへの憧れが強い


北澤「まずは、ランドローバーのアンバサダーに就任した気持ちはいかがですか。やっぱり、W杯で活躍するといいですね(笑)」

吉田「そうですね。いろんな付加価値がつきますね(笑)。ランドローバーは、憧れていたブランドでイギリスでは、みんなが憧れ、誰もが乗りたい車です。アンバサダーの話をいただいて、とても光栄ですし、うれしく思います」

北澤「吉田選手はイングランドのプレミアリーグで活躍していますが、選手はランドローバーにどんなイメージを持っているんでしょうか」

吉田「みんなお金を持っている一流選手で、凄い車に乗っているんですけど、ランドローバーを一台は持っていていますね。特にイギリス人選手は、ランドローバーへの憧れが強いと思いますね」

北澤「ランドローバーのフラッグシップモデルでもあるこちらのレンジローバーに乗られたということですが、乗り心地はいかがですか」

吉田「乗り心地は本当に良いです。運転するスムーズさも良いですし、安定感もありますし、後の座席に乗るのもいいですね」

北澤「おっ、運転手をつけて」

吉田「言い方が良くないですね(笑)。お父さんが運転して、子供は後ろで安心して乗ることできると思います。僕も娘がいるので広くないと、奥さんからガミガミ言われてしまうので……。荷物が入らないとか、バギーが入らないとか、大きい車のほうが荷物が入りますし、僕自身も体が大きいのでやはり大きい車のほうがいいですね」

北澤「大きな車じゃないと大変ですか?」

吉田「腰への負担があるんで、特に毎日通勤で使うものですし、大きいほうがいいかなと思います」

北澤「車内の雰囲気はいかがですか」

吉田「今までボタンだったものが、タッチパネルになったんですよ。感度もすごく良いんです。僕は最先端のものが好きなんで、かっこいいなと思って」

北澤「テクノロジー派なんですね」

吉田「テクノロジー派なんです。この顔で(笑)。エレガントなんだけど、トゥーマッチではない。主張しすぎない洗礼された感じがすごい好きです」

北澤「品がありますよね」

吉田「品がありますよね。品は“ハンパない”と思います」

北澤「ハンパない?」

吉田「品もハンパないと思います」

北澤「自分のものにしようとしていませんか(笑)」

吉田「いやいや、乱用しすぎてそのうち大迫に怒られると思います(笑)」

北澤「車に乗っている時間は、どんな風に過ごしていますか?」

吉田「家、練習場の次に長く過ごす場所なので、質はこだわっています。快適度は非常に大事になってきますし、オンとオフを切り替える時間の場所でもあります。子供が生まれてから一人の時間、空間を作るのが難しくなっているので、好きな音楽を聞いたり、Bluetoothで電話をつないで連絡事項を確認したりしています」

北澤「まさに部屋ですね」

吉田「この車は部屋と言っても過言ではないです。リビングのソファに座っているような感覚で座れます」

■コロンビア戦の勝利は良い準備をした結果

大迫勇也

[写真]=Getty Images


北澤「素晴らしい車との出会いもありましたけど、ロシアW杯での活躍も素晴らしいものでした」

吉田「最低限の目標としていた予選突破を達成できた安心感はありましたけど、個人的に目標にしていたのはベスト8だったので、正直、悔しさのほうが大きいです。日本の皆さんのリアクションと自分の中の感覚とのギャップが最初はすごくあって少し『どうなんだろうな』と思っていました。いろんな人から『ありがとう』や『おめでとう』と言ってもらえるのはもちろん嬉しいですけど、僕ら選手はもう少し現実的に、リアリストになって次に何が必要かを考えながら、この4年間を突き進んでいきたいなと思います」

北澤「大会を終えて帰国してまず何をしたんですか」

吉田「みんなで焼き肉にいきました。選手、スタッフを含めたメンバー全員で。次の日になると、それぞれ予定があるので。最終日は笑いあり、涙あり、その時間を楽しみました」

北澤「泣くというのは……」

吉田「スタッフの方が長く話す機会があって、長く仕事しているスタッフもいますし、僕らも長くやってきたので、感情的になってしまったのかなと。まあ、大部分は楽しみましたけどね。お酒も飲んで、最後は週刊誌に撮られみたいな(笑)」

北澤「大会前はあまり日本代表が注目されず、批判的なことも言われていました。いつ頃からチーム状態が良くなってきたと感じましたか」

吉田「最後の調整試合のパラグアイ戦後からですね。監督が代わったりして、ゴタゴタしていた中で、選手全員がガーナ、スイス戦を経てうまくいっていないと、でもやるしかないと追い込まれた状況になって覚悟が決まったかなと思いますね。パラグアイ戦で良いパフォーマンスが出せて、新しい選手も良いパフォーマンスが出したことによって、監督も思い切った決断をしたと思います。何よりもコロンビアとの初戦に勝てたことが大きかったかなと。日本の皆さんの期待値も変わったと思いますし、僕らも勢いに乗るきっかけになったと思います」

北澤「コロンビア戦前、イケるという感触はありましたか」

吉田「僕自身は2回目のW杯出場で、いろんなことを想定していました。コロンビアとの初戦に向けてすべてを懸ける準備をしてきたので、非常に落ち着いて試合に入れました。もちろん、すぐにレッドカードで退場者が出てPKで先制したというラッキーな部分もありましたけど、それ以上に良い準備をした結果じゃないかなと」

北澤「コロンビアに勝利した後は、グループリーグを突破できるかなという思いはありましたか」

吉田「いや、予選突破よりは目の前のセネガルを倒さなければ、一戦目の勝利が無意味になってしまうという思いのほうが強かったです」

北澤「ベルギー戦の後でしたかね? 抱き合いながらピッチ上で話していた方がいたと思いますが」

吉田「ティエリ・アンリ(ベルギー代表コーチ/元フランス代表)さんですね。たまたま目の前にいたんです。イングランドで長くプレーしていて少し面識があってので『頑張ってください』と声をかけたらハグをして挨拶をしてくれました」

北澤「どんな言葉をかけられたんですか」

吉田「『君たちは勝利に値するパフォーマンスを出した。ただ、少し運がなかっただけだよ』と。まあ社交辞令ですね(笑)」

北澤「そんなことはないと思いますけどね。そう言葉をかけられていかがでしたか」

吉田「『悔しいけどこれもサッカーだ。ベルギーが次のブラジル戦に勝つことを祈っています』と伝えました」

■2点リード後のゲームマネージメントはもっとうまくできた

[写真]=Getty Images


北澤「ベルギー戦で2-0とリードしているときは“勝てる”という気持ちはありましたか」

吉田「そう思ってしまったことが、結果的に良くなかったじゃないかなと個人的には思っています。このままでOKという感覚になった瞬間に、攻撃陣は裏でボールを受ける回数が減り、セーフティーな選択をするようになり、ベルギーにとって怖さがなくなり、相手が前に出てくるきっかけを作ってしまった。横パスのミスからシュートまで持ち込まれるシーンが増えてきましたし、特に相手がメンバーを変えてきた後にうまく対応できませんでした」

北澤「2点をリードする展開は予想していましたか」

吉田「正直、2点先制するというのはイメージしていなかったですね。守備陣は特に集中しなければ、いけないことわかっていたんですけど、バタバタしてしまし……。アンラッキーな形で失点して、そこからの修正ができなかったという点は、やはり経験値が足りなかったのかなと思います。2点をリードした後のゲームマネージメントは、もっとうまくできたんじゃないと思っています」

北澤「1失点後は、まだ大きな問題ないという感じでしたか」

吉田「相手が前がかりになっていたのでカウンターで3点目を奪ってゲームを決められればなと思っていたんですけど、そこがうまくいかなかったですね」

北澤「少しやばいなと思い始めたのは……」

吉田「フェライニとシャドリが入ってきて、こちらのリズムすることができなくなってきたあたりですね。特にフェライニは中盤の選手なんですけど、高さを生かして得点を奪うのが得意な選手であることはわかっていたので。フェライニが決めた2失点目も、タラレバになってしまいますけど、僕はルカクに付いていてクロスが上げられた瞬間にフェライニがフリーになっているのが一瞬見えたんですけどカバーに行けなかった。3点目は僕らのCKをキャッチされてGKをブロックできなくて、その後の対応で……。後悔ばかりが口に出てしまうんですけど、これもサッカーで敗戦から学ばなければいけないですし、レンジローバーと同じように走り続けなければいけないなと感じます」

北澤「帰国して日本がW杯で盛り上がって、日本代表が注目されていたことを感じましたか」

吉田「感じましたね。帰国した瞬間に感じました。ゲートをくぐった瞬間に度肝を抜かれました」

北澤「日本でのオフを過ごして、声をかけられることはありますか」

吉田「めちゃくちゃ声をかけられます。2秒でバレますね。こないだ武藤嘉紀選手とレンジローバーに乗って出かけたんですけど、降りて、表参道ヒルズに入るまでの数メートルの間ですぐにバレました。皆さんの反応が早い」

北澤「どんな風に声をかけられるんですか」

吉田「声をかけれるというよりも、フルネームで呼ばれんです。『あっ、吉田だ』ではなくて『あっ、吉田麻也だ』と言われるんです」

北澤「『レンジローバーに乗ってんだ』と言われないんですか」

吉田「そういう意味では、ランドローバーさんに貢献できて嬉しいです。大きな車で目立つので、そこから大きいやつが出てくるのでバレます。隠れようがないですね」

■より一層チームのことを考えられる選手にならなければいけない

北澤「日本人のDFが海外リーグで活躍するのは難しいことですけど、吉田選手を見て海外でプレーしたいと考える選手がいると思います。何が必要になるでしょうか」

吉田「まず、体格差を埋めなくてはいけないので、地道なフィジカルトレーニングも必要ですし、そのフィジカル差を埋めるための賢さも大事になってきます。今はどんどんプレースピードがアップしていて、時間がない、スペースがない中でスピードが求められます。そういった意味では身体能力の高さ、メンタル面の強さ、もちろん語学も必要です。オールラウンダーではないといけないのかなと思いますね」

北澤「DFは指示を出さなくていけないし」

吉田「指示を出すのは、僕のポジションでは非常に大事になってくるので語学は重要です。個人的にはJリーグでプレーしている選手でも海外に行ける可能性のある選手はたくさんいると思います。やはりネックになるのは、コミュニケーションのところかなと。今回、植田直通選手が海外に移籍しましたけど、ポテンシャル的には全く問題ないと思います。ベルギーの下位のチームであれば、十分に自分を発揮できるんじゃないかと思います。ただ問題はやはりコミュニケーションのところで、語学、スキンシップが大事になってくると思います」

北澤「今週、次の日本代表監督が発表される可能性がありますね」

吉田「北澤さん、もう知っているんじゃないですか?(笑)」

北澤「いえいえ知らないですよ。そういった言い方はやめてもらいたいな(笑)。監督がリーダーを決めるものだと思いますけど、自分の意志としても、キャプテンとしてとか、リーダーとしての思いはあるんじゃないんですか」

吉田「正直、監督が決めることなので、まだ新しい監督が決まっていない中で、どうこう言える状況ではないんですが、ただ先ほども言ったように僕のポジション、僕のキャリア、立場から考えると、どう考えてもチームをまとめていかないといけないポジション。これまで長谷部誠選手がキャプテンマークをつけていましたけど、僕もリーダーの一人だと思ってプレーしてきましたし、やるべきことは、今までと同じようにやっていかなければいけないなと。特に長谷部選手、本田選手が代表引退を表明したので、ますます自分にかかる責任は大きくなると思います。より一層チームのことを考えられる選手にならなければいけないと思いますけど、まずは新しい監督に認められて、新しい選手たちに認められて、代表にしっかり選ばれて結果を出せるように来週からサウサンプトンに戻って結果を出していくしかないです」

北澤「イベント前に、今後の目標をパネルに書いていただきました」

吉田「これ以外は考えられないと思いました。もちろん、ベスト4、ファイナルのほうがいいですけど。4年はサッカー選手、アスリートにとって非常に長いで、良いときも悪いときもあると思います。僕も過去4年間、ブラジルからロシアW杯まで試合に出れるときもあれば、出れないときもありました。次の4年間が保証されているということは絶対にありません。ただ、レンジローバーの走りと一緒で、どんな道でもしっかり4年間を見据えて良いときも悪いときも走り続けていきたいと思います」

北澤「ベスト16とベスト8の差は大きい?」

吉田「差は大きいですね。今回、行ってみてわかりましたけど、やはり4、5試合目に疲れがかなり出てきます。選手層も大事になってくるし、ベスト16は多くの試合が延長戦までいきました。延長戦まで進むと3人+1人、最大で4人選手交代ができて、先発メンバーから1/3が変わることになります。ベンチの選手が先発選手と同じレベル、もしくはそれ以上のものを出せる選手という点を考えると、今後日本サッカーはもっと選手層が厚くならなくてはいけませんし、経験値も大事になってきます。ベスト16までは、恐らく運が良ければ、進める可能性はあると思います。ただ、ベスト8に行くには本当に実力がないと行けないじゃないかと。もし今回ベスト8に行っていれば、今以上に付加価値がついていたでしょうし、本業のサッカーでも色んな選手にもっとオファーが来ていたんじゃないかなと思います」

* * * * * * * * * * * *

 トークイベントは、吉田からファンへのメッセージで締めくくられた。「ロシアW杯では、夜遅くまた朝早くから色々なところから応援していただいてありがとうございました。選手は悔しい気持ちが非常に強くて、次の4年間、ベスト8の壁を破るという目標でやっていきたいと思いますし、良いときも悪いときも必ず選手としてあると思うので、4年後のことを見据えることはもちろん、1年1年、自分のチームで結果を出していくことが非常に大事になってきますし、その先が4年後につながってくると思うので、自分も体に負荷のかからないこの車に乗って考えて、良いメンテナスをしながらレンジローバーのように力強く走りたなと思います」

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