2018.07.20

【次の日本代表監督は?#3】適任者は磐田の名波浩監督! 外国人監督は持ちえないものが日本人にはある

名波浩
名波監督は男気溢れる振る舞いも魅力の一つ。ジュビロ磐田の選手を「俺の息子たち」と表現したこともあった [写真]=Getty Images
スポーツライター。日本代表の国際Aマッチは、2000年3月からほぼ全試合を現地取材。

 ワールドカップ開幕の2カ月前に監督に就任した西野朗氏は、短期間でチームを作り上げ、ベスト16という結果を残した。続投の可能性もささやかれたが、日本代表ととにも帰国した日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏は西野監督を慰留しないと明言。次期監督候補としてユルゲン・クリンスマン氏やロベルト・ドナドーニ氏、そして五輪代表との兼任で森保一監督の名前が挙がっている。

 4年後のカタール大会だけでなく、日本サッカーを未来を考えた時に、日本代表監督に最も適しているのは誰なのか。識者3名がそれぞれの視点から「推薦したい監督」を挙げた。

◆推薦者:戸塚啓(スポーツライター)

 日本代表は日本人監督に任せるべきである。

 世界における日本は、いまだ学ぶべき立場だろう。ただ、外国人監督を招へいするメリットとデメリットを秤にかけると、僕自身はデメリットが目につく。2010年、18年のワールドカップのベスト16入りが、日本人監督のもとで成し遂げられたのは偶然ではない。

 現時点でJリーグの監督などの立場にある方も、ひとまず候補に加えさせていただく。その上で推薦したいのが、ジュビロ磐田の名波浩監督である。

 98年のフランスW杯に出場しており、W杯予選の厳しさを知り、短期集中のアジアカップでも結果を残している。欧州のクラブへの移籍を経験しているので、帰国後すぐに国際試合に挑む過酷さも理解する。キャリアの晩年はケガに悩まされたから、ケガに苦しむ選手の心情にも寄り添える。

 クラブレベルでもJ1リーグ優勝、アジアクラブ選手権(現AFCチャンピオンズリーグ)制覇などの実績を積み上げていった。「きわ」の勝負を制してタイトルをつかむ感覚は、実際にタイトルを獲った者にしか分からない。何が勝者と敗者を隔てるのかを、経験として理解しているのだ。

 現役時代の足跡が眩しいだけではない。14年のシーズン途中に当時J2だったジュビロの再建を託され、J1昇格、J1残留、J1での上位進出と、ターゲットを上げながらチームを成長させている。現役当時からピッチ上の事象を論理的に説明できるタイプで、監督となった現在もゲームの分析は明快だ。自分がインプットしたことをアウトプットできる能力は、短期間の活動の繰り返しになる代表ではとりわけ重要になる。言語能力に長ける名波監督は、その意味では適任者である。

 カリスマ性もある。現役時代からリーダーとして見なされる存在感があり、それでいてチーム全体に目配せをしていた。これもまた、短期の活動を積み重ねる代表にふさわしい。

 ジュビロ磐田での名波監督は、ともに黄金期を築いた鈴木秀人コーチや田中誠コーチを従えている。そのままの顔ぶれで代表スタッフになってもらってももちろんいいのだが、日本代表には日本サッカーの経験と英知を広く結集したい。

 たとえば、フランスW杯の日本代表で中盤のパートナーだった山口素弘さんに、ヘッドコーチ格で入閣してもらう。名波、山口の共同監督でもいいと思う。五輪代表と日本代表の監督兼任も、トロイカ体制ならスケジュールのやり繰りができるのではないだろうか。

山口素弘

山口は2012年から14年まで横浜FCで指揮を執った [写真]=Getty Images

 必要に応じて臨時コーチも招く。所属クラブとの調整は必要だが、GKコーチに川口能活や楢﨑正剛が加わり、フィールドプレーヤーのトレーニングに中澤佑二、中村俊輔、遠藤保仁、三浦知良らが参加したら、選手たちには大変な刺激になるだろう。さらに、中田英寿さんに技術委員会に加わってもらいたい。欧州ネーションズリーグのスタートなどもあり、マッチメイクはこれまで以上に難しくなる。中田さんが育んできた世界各国の関係者とのパイプを活用して、彼自身に交渉の窓口になってもらえば、実現可能な試合は間違いなく増えるはずだ。

 どんなサッカーをしてほしいといったことについては、あえて注文をつけるまでもない。誰かに言われるまでもなく、日本人の特徴を生かしたサッカーをするだろう。細かな方向性については、監督をはじめとするスタッフと技術委員会に委ねればいい。日本サッカーに関わってきた人たちなのだ。個人的な功名心などは脇に置いて、日本サッカーの成長や発展を最優先に考えるだろう。日本人にふさわしいサッカーについて、議論を重ねていくはずだ。

 実はそれこそが、日本人監督に日本代表を託す最大のメリットである。外国人監督は持ちえない責任感と覚悟が、日本人監督とオールジャパンのスタッフにはあるのだ。

文=戸塚啓

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