2018.07.02

【コラム】タレント軍団に彩り加える背番号7…“変幻自在”のデ・ブライネに要注意

ケヴィン・デ・ブライネ
ベルギー代表のキーマンであるデ・ブライネ [写真]=Getty Images
サッカージャーナリスト。プレー分析を中心に、海外サッカーから日本代表までカバー。

 ワールドクラスのタレント軍団であるベルギー代表について、今さら一人ひとりの説明をする必要はないかもしれない。スタメンが予想される選手たちの所属クラブを並べるだだけで、そのすごさは一目瞭然だ。

GKティボー・クルトワ(チェルシー)
DFトビー・アルデルヴァイレルト(トッテナム)
DFヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・C)
DFヤン・ヴェルトンゲン(トッテナム)
MFケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・C)
MFアクセル・ヴィツェル(天津権健)
MFトーマス・ムニエ(パリ・サンジェルマン)
MFヤニック・フェレイラ・カラスコ(大連一方)
FWドリース・メルテンス(ナポリ)
FWエデン・アザール(チェルシー)
FWロメル・ルカク(マンチェスター・U)

 プレミアリーグのビッグクラブが7人、セリエAの強豪ナポリ、フランス王者のパリ・サンジェルマンが1人で、中国でプレーする2人も実力は欧州トップクラスとして誰もが認めるタレントだ。さらにいえばミシー・バチュアイ(ドルトムント)やマルアン・フェライニ(マンチェスター・U)といった海外サッカーファンなら誰もが知る選手たちがベンチに控える陣容。その豪華さはブラジル代表に匹敵するといっても過言ではない。

 問題はそうしたタレント軍団がチームとしてどれだけまとまれるかというところ。高い個人技をベースにしながら、攻守のバランスやチャンスメークの共有などは、ベスト8に進出した4年前のブラジルW杯や2年前の欧州選手権よりも着実に高まっている。ロベルト・マルティネス監督が掲げる3-4-2ー1システムも導入当初こそ一部の主力選手から不満の声が上がったものの、本大会に向けてかなり成熟してきたと見られる。

 ベルギーで最も警戒しなければならないのが中盤のデ・ブライネ。視野が広く、ゲームの流れを読むことができるプレーメーカーでありながら、機を心得たドリブルで敵陣を突破し相手DFが食いついてくれば、それをあざ笑うようなパスをメルテンスやアザール、ルカクに通してくる。基本的に個人技主体のチームではあるが、このデ・ブライネがボールを持った時には周囲の選手も連動し、点が線でつながってくる。

 デ・ブライネから網のようにパスルートが広がり、相手選手がそこに意識を向ければ自ら中央を突破して強烈なミドルシュートを放ってくる。昨年11月のベルギー戦でヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が率いていた日本代表は山口蛍をアンカーに置き、さらにルカクを吉田麻也と協力して見ていた槙野智章がデ・ブライネの侵入に対応するという二段構えの守備で何とか対応していたが、一つ間違えれば失点というシーンが何度も見られた。

ケヴィン・デ・ブライネ

デ・ブライネは11月の国際親善試合にも出場 [写真]=Getty Images

 さらにデ・ブライネに槙野が当たると結果的にルカクが吉田と1対1になるため、そこから強引に飛び込んでクロスに合わされるようなシーンも出てくる。しかも、デ・ブライネの嫌らしいところは時間帯に応じてプレーに変化を加えてくるところだ。警戒するべきポイントが多いベルギーだが、デ・ブライネに自由度の高いプレーをされると周囲の選手まで輝きを増してくるので、日本代表が絶対に抑えなければいけないポイントになる。この厄介なMFを西野朗監督がどのような完封プランを立て、長谷部誠と柴崎岳のボランチコンビ、さらに吉田が統率するディフェンスラインが実行するのか注目だ。

文=河治良幸

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