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いつものW杯とは違う!? 日本の勢いを後押しした“アウェー感”

2018.06.21

ビール片手に試合を楽しむコロンビアサポーター [写真]=Getty Images

 19日に日本対コロンビアの一戦が行われたスタジアムには、想像以上のコロンビアサポーターが駆けつけた。観客席はどう見ても青より黄色の占める割合が多い。彼らは試合開始前から踊ったり、野太い声で声援を送ったりしていた。

 ワールドカップは独特の雰囲気が漂う。南アフリカ大会で自身初のW杯を経験した長谷部誠はこんなことを言っていた。

「お互いのサポーターもいますけど、地元の人たちが多くて、フワフワとした雰囲気だった。W杯はすごい場所というイメージがあったので、想像と実際の雰囲気とのギャップに戸惑う自分がいました」

 4年に一度の祭典とあって、スタジアムは試合開始前からお祭りムードに包まれ、試合中は選手が真剣にぶつかり合う姿に熱狂する。かと思えば、退屈してしまったのか、すぐにウェーブを始める……。といった具合に、通常の国際Aマッチと違う雰囲気は、味わったものにしか分からない。それは2大会を経験する長谷部が、「初出場の選手はそんな“フワッと感”に戸惑うと思うので、先に伝えてあげたい」と言っていたほどだ。

 だから、黄色で覆われたスタンドを見た時は少しホッとした。これは完全にアウェーだと。長友佑都も試合会場に向かうバスの中から黄色いユニフォームを着た集団を見て、「これは完全にアウェーになるな」と覚悟したという。

「アウェーだと『やってやる』というスイッチが入ります。自分たちが良いサッカーをして、相手を困らせようという気になる。実際にコロンビアの選手にとっては、やりづらい雰囲気を作り出せた」

 “アウェー感”に負けん気を刺激された日本代表は、その雰囲気を逆手にとって奮闘。W杯でアジア勢が初めて南米勢を破るという歴史的な勝利を飾った。

取材・文=高尾太恵子

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