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【スカサカ!ライブ】曺貴裁が語る西野ジャパン「皆さんが見ているものと監督として見えるものは違う」

2018.06.16

 湘南ベルマーレの曺貴裁監督が、ロシア・ワールドカップ開幕前に行われた日本代表のトレーニングマッチ3試合を振り返りつつ、本大会での日本代表の戦い方について予想した。

 西野朗監督は5月30日のガーナ戦(0-2で敗北)で3バックをテスト。この試合をスタジアムで観戦したという曺監督は「W杯で相手にボールを持たれてちょっと苦しい展開になった時に、そういうしのぎ方をしなければいけない。そのためのトライをされているのかなという印象を受けました」と分析。

「選手もそんなに慣れているシステムではなかったので、相手のサイドバックにどうプレッシャーをかけるのかとか(の意思統一)が間に合っていなかったという印象はあった」とした上で「短い準備期間の中で西野監督がそういうオプションを考えてトライされたのかなと思った」という。

 番組MCの岩政大樹(東京ユナイテッドFC)が「3バックの場合は、相手のサイドバックに対してウイングバックがプレスをかけるのか、シャドーの選手が行くのかの判断が一番難しい」と3バックの問題点を挙げると、湘南で3バックを採用することが多い曺監督はこのように説明した。

「ウイングバックが出ても、後ろがスライドしていけば3バックも4バックも関係なく陣形をコンパクトにできるんだけど、相手のボランチやサイドMFの選手の力量が良かったら、ボールを入れられて下げられてサイドチェンジさせられる間に(自軍の選手たちのポジションも)動かされちゃうんで、どうしても最後は自然に陣形を広げられてしまうんですよね。でも、それをよしとするのか、絶対にそうならないようにしようとするのかは、チームコンセプトによって違います。僕はそうなっても『これぐらいは仕方ないな』と割り切ってやることが多いです」

 日本はガーナ戦、スイス戦(6月9日、0-2)と連敗を喫したが、メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ6月12日のパラグアイ戦では4-2と勝利を飾った。岩政は「(パラグアイ戦で)結果を出した乾(貴士)選手や香川(真司)選手と、その前に強い相手とやっていたメンバーたちと、どのように組み合わせていくのかというのは、監督としてマネジメントが非常に難しい気がするんですけど」と問いかけると、曺監督は“監督”という立場ならではの意見を語ってくれた。

「皆さんが見ているものと、監督として見えているものっていうのは、絶対に一緒じゃないんですよ。『こうした方が、みんなも言っているし楽だよな』と思いつつ、10人中9人が『えっ?』と思うようなことを自分で決断しなければならないのが監督の仕事なんです。僕が偉そうには言えないですが、本当に当日まで迷うんじゃないですかね。フィーリングもあるでしょうし。この前の試合で点を取ったからその選手が出るとかじゃなくて、ここからまた1週間あるので、その中で一番状態のいい選手を、交代選手も含めて起用するんじゃないかなって思っています」

 では、本大会で日本はどのような戦い方をするのか。曺監督はパラグアイ戦で乾が決めた1点目のシーンを引き合いに出してこのように語った。

「パラグアイ戦の1点目、中央にボールを入れて香川が乾にワンタッチではたいて、乾がドリブルした時に香川が外側に回って。言葉で言うと“流動性”というか、短いパスの中で相手がプレッシャーに来る前にはたいて数的優位を作ってパスコースをたくさん作って、ゴール前でシュートも打てるしフリーの選手もいるという状態を作っていくというのが、この短い時間の中で選手ができる最大の、点を取るためのポイントなのかなと思います。あの形は全員が共通の“画”を描いていたんじゃないかなという気はします」

 最後に岩政が「ここからの1週間、西野監督はどのように選手をコントロールしていくべきか」と問いかけると、曺監督は「代表監督をやったことがないので全く説得力がないんですけど」と前置きしつつ、次のように語った。

「もうネガティブになっても仕方がないので、やはり前向きにというか、自分たちが一番力を出せるのはどういう状況なのか。それはつまり、試合に出ている選手も出ていない選手も、みんなが気持ちを一つにすることが、すべての戦術を上回ると思います」

 毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』だが、6月15日(金)と22日(金)の放送はお休み。次回は6月29日(金)21時からの放送予定となっている。

By サッカーキング編集部

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