2018.04.12

【会見全文】日本代表監督就任の西野朗氏「『自分が』という思いで引き受けました」

西野朗
就任会見を行った西野朗監督
サッカー総合情報サイト

 日本代表の新監督に就任した西野朗氏が、12日に記者会見を行った。

 会見に同席した日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏は、冒頭の挨拶で新監督へのサポートを呼びかけた。

「このような多くの方に集まっていただきありがとうございます。新監督として西野朗さん、そしてコーチングスタッフを理事会で報告させていただきました。これから西野監督のもとで代表チームがスタートします。これまで蓄積してきたすべての英知を結集して、オールジャパンの体制でW杯に臨む日本代表をサポートしていきたいです。ぜひ、西野監督を支えていただきたいです」

 続いて挨拶を行った西野監督は、「責任を感じている」とコメントしつつ、2カ月後に迫ったロシア・ワールドカップに向けた決意を語った。

「この度、ハリルホジッチ監督の後任として日本代表監督を受けることにしました。本来は技術委員長の立場として日本代表チーム、監督はじめスタッフ、チームを支えるポジションでありました。ただ2年前に就任して精一杯、監督へのサポートを考えてきました。最終的にロシアの直前にこのような状況になり、監督を引き受けたということで責任を感じていますが、この事態の中でロシアに向けて精一杯チームづくりをしていきたいという覚悟です。2年間現場を離れて技術委員長として仕事をしてきたので、まずは指導者としての心身を整えて、選手を見て、日本サッカー界を見て、これからチームづくりをしていきたいと考えています」

 以下、質疑応答全文。

−−ハリルホジッチ監督が構築しようとしてきた縦に速いサッカーは引き継ぐのか? それとも違うスタイルを追求するのか? メンバー選考については、これまでの招集歴、ここのところあまり出場がなかった本田選手や香川選手、岡崎選手についてはどう考えているのか?

 ハリルホジッチ監督のスタイルは今まで日本に足りなかった部分でもあると思います。一対一の強さを求めたりタテの攻撃に対する推進力を求めたり、これは今までの各カテゴリーで世界基準を知った上で、少なからずそれが足りなくて次のステージに進めなかったと言う部分。それをハリルホジッチ監督は世界基準で、自らW杯に参戦した上で、言葉では『デュエル』、『タテ』とシンプルだが、内容では非常に高度なもので、それを選手に強く要求していた。そのスタイルは現状、日本サッカーにとって間違いなく必要なことであるとは思います。ですから間違いなくそういうものをいろんな角度から、そのタテへの攻撃に関しても、そのタイミング、その瞬間を質を上げた上で作り上げていくとか、一対一の場面でも、パワーを要求したいがなかなか体格的にフィジカル的な要素で戦えないところがある。だから別の角度からそういうものに対応していく。間違いなく必要なものについては継続して考えていきたいです。ただ、日本化したフットボール、構築してきたものがあります。技術を最大限に生かしたり、戦い方においても組織や規律、結束した上で化学反応を起こして戦える強さ。それをベースにした上で構築する必要があると思っています。ただこの期間で継承していくスタイルと、選手たちがもっと自分のパフォーマンスを、結果を求めたいですけど、プレーをまずは素直に、代表でクラブ以上のものが当然出るはずである、そういう代表チームだと思います。そういうふうに選手がストレートにプレーできる環境を作っていきたいです。コーチングスタッフを承認していただいたので、彼らとも協力してそういう編成を考えていきたいですし、選手の選考に関しても経験ある選手がここのところキャンプで招集されないとか、試合の出場が少ないとかありますが、現状のコンディションを把握しなければいけない。ケガをしている選手が6週、8週試合に出てない状況もありますし、たしかに経験、実力のある選手だが、ハリルホジッチ監督もそういう基準をもっていて、現状のコンディションを気にしていた。それは間違いないことだし、これからの選考もここ1カ月でのコンディション、過去の経験実績もあるが、プラスここ一カ月の状況を正確に見極めた上で、最高の化学反応が起こるグループとして、いいパフォーマンスが出る選手選考を、スタッフ総力をあげて結集した上で選考していきたいです。

−−技術委員長だった立場として、今回の解任の理由はコミュニケーション、信頼関係とあったが、一番近いポジションから見ていて何が一番問題だと思った? そしてこれから監督として2カ月しかないが、何が一番大事になってくる?

 ハリルホジッチ監督の選手、チームに対する要求は世界基準。W杯で戦うにはこうしなきゃいけないというのを強く要求している。それは当然だし、選手一人一人の役割も強く要求していた。それは当然のことだし、それが全体として形になることがチーム力を向上させる。それに選手たちが応えてプレーしようとする。ただ監督はそれが非常に高い基準だというのは感じました。それによくあることだが監督の意図と選手がやりたいプレーのギャップを合わせていかないといけない。そのうえでのやり取りがあります。自分自身は選手の気持ち、心理的なところは監督にも伝えて、日本人のDNAでやれることはもっとあるし、違う角度からっていうところも、そういうコミュニケーションは間に入りながら構築していく。そのへんのギャップを。コミュニケーションが足りないということではなくて、それはチームとしてやらなければいけないことなので、それが成果として出ないと言われてしまうけど、それが十分ありながらギャップがなかなか埋まらない、選手たちが追いつこうとしても要求に応えられないというのは感じました。まだまだ選手たちが応えられると感じたし、監督はまだ先のもっと高い要求をもっていたかもしれないけど、常にバランス良く機能していたかと言われると、わずかな差はあったと思います。
結果は、彼らのパフォーマンスが素直に出てくれれば間違いなく日本のチームはいい形で結束してプラスアルファのちからは出ていくと思いますし、とにかく結果は求めたいです。すくなくとも予選を突破していく力は求めたい。ただ、今はまず選手の持っているパフォーマンスを確実に表現させたいという気持ちで、そういうスピリットのある選手を招集したいと思っています。

−−監督公認の打診を受けたときの心境、決断に至るまでの経緯は?

 先月の末に会長から打診をいただきました。そのときは正直、間違いなくハリルホジッチ監督を支えていきたい気持ちでいっぱいでした。ただ一方でチーム状況があまりよくなかった遠征を踏まえて、自分の中では少し、これから2カ月でどう劇的に変えていくのかを考えていたところだったので、今回の決断に対して自分が要求されたことで戸惑いはありました。技術委員長の立場として精一杯やって来たつもりでしたが足りなかったことは感じていたし、監督同様ということになってもという覚悟はしていた。ただそういう中でこういう英断のなかで決断をしていただいて、最後、自分の中でその責任をこの大会でっていうところを持つまでは、戸惑いがありました。ただこういう事態なので、自分が、という思いで最後、引き受けさせていただきました。

−−化学反応や日本人のDNAを強調しているが、選手たちに残り2カ月で求めたいことは?

 自分が選ぶメンバーですからもちろん信頼をして大きなパフォーマンスを生むための選手だと思っていますし、そういう選手に対してあまり個人のプレーに制限はかけたくない。チームでやっているプレーを評価して選びたいし、日本の強さはグループでの力、パフォーマンスだと思っているので、連携してやっていくプレー、そういう形を取れる選手を選考したいです。まずは選手たちに、いい状態に戻して、本来自分がやれる、グループとしてプレーできる感覚を持ってほしいと伝えたい。

−−監督として理想とするサッカーと、代表で実現したいスタイルは?

 長い間クラブでの指導でしたので、ある意味、選手をどう生かしていく中でチームを強化できるか、そこに選手がいるから作っていくというチームづくりですけど、代表チームは自分の理想とする、やりたいサッカーに選手を当てはめていく逆の発想でチームづくりができる。それはオリンピック、その前のユースでもそういうかたちでやった感覚、そのなかでの自分の理想は反映できると思います。たくさん有能な選手が国内外にいるから、しっかり把握した上で作り上げたい。思考が偏ってしまうところは、有能なスタッフといろいろなアイデアを持って、大きな変化が起こる、それをやれるのがサッカーでもあるし、継続した力と変化を持って行く中で大きな力を得られるので、あまり偏った理想、思考ではなく、たくさん選択肢があるのでそういう感覚で見ていきたい。

−−選手に伝えるイメージは?

 いまはまだ描けません。

−−チームを一つにするためのアプローチは?

 決して現状バラバラに崩壊しているとはまったく思わないし戦えていると思います。個々のパフォーマンスを最大限に発揮できていない部分は感じるが、選手は代表のために最大限のプレーを3月の遠征でもやっている。まだまだ出せるとは思うけど、そういう意味の伝え方。間違いなく融合していかなきゃいけない。お互いの連携、コンビネーション、グループ、そういうチームの中で機能していくことが大事だと思います。

−−ハリルホジッチ前監督はW杯で対戦する3カ国をかなり研究していたが、分析結果は引き継がれている?

 ハリルホジッチ監督自身も本大会に向けてのスカウティングは強く求めていました。その蓄積はありますし、それは間違いなくベースになる。ただここ1カ月の動向、準備、それに対するスカウティングはこれからさらに強くしなきゃいけない。急激にかわることが予想されるから、スタッフの分析力は強く要求していきたい。非常に細かく分析するにはパワー的にもかかるところなので、スタッフのメンバー編成も考えていかなきゃいけないです。

−−指導者としてのブランク、心身整えたいという言葉があったが、ここから戦う上で何を一番求められている?

 まず自分を整えるということは、2年間サポートの立場で見てきたが、感覚的には同じ戦いをしてきた。さらに研ぎ澄ましていかなきゃいけない。ピッチ上で心身ともにしっかり立てる、その上でゲームに対する感覚はまた違うので、そういう意味で戻さなきゃいけない部分は多分にあると思うので、これからとっていきたい。

−−スケジュールについて、ガーナ戦後にメンバー発表とあったが、同じように考えている?

 スケジュールに関しては5月14日にラージ(大枠)を決めて、キャンプに入る前にメンバーを決めなきゃいけない。ガーナ戦が終わった後に23人、プラスアルファどう考えていくか、正確なところはお伝えできないが、ほぼそういう形で、ガーナ戦が終わってからになると思います。

−−日本の立ち位置は32チーム中下位になるが、攻撃的にチャレンジするのか、守備的に勝ちに行くのか?

 ゲームはいろんな状況があるし、オフェンシブに戦える時間もあればチーム力によってディフェンシブに強いられる時間が多くなることもある、そういうなかで勝利を求めていく、ゲームの流れをつかめなくても勝負に対してここっていう意識、勝機があるっていうことを考えていきたい。当然、攻撃的な思考を求めて、得点を生んでいくゲーム展開にしたいと思いますが、それだけではない。ウィークポイント、ストロングポイントがどこにあるのかを考えたうえで、できれば攻撃的に行きたい。間違いなくどんな相手に対しても勝機はある。FIFAランクがそのまま入らないのがこの世界なので、間違いなくそういうのを日本は今まで持ってきたので。

−−森保さんを加えた理由は?

 スタッフに関してはすべて日本人、そして今、代表チームに関係しているメンバーでカバーしたいと思いました。優秀なスタッフ、オールジャパンでっていうなかで同じようにアンダーカテゴリーの強化を図らなきゃいけないところだが、彼自身の指導経験、インターナショナル的なところで協力してもらいたいと思いましたし、将来的にも手倉森、森保はこれからの世代を引っ張っていってもらわなきゃいけない指導者なので、ほかのスタッフにもたくさん経験させたいなかで、できれば、自分自身はそう多くのスタッフでやってこなかったというところもあるんですけど、世界を経験できる中で、森保をはじめとして、GKコーチ、コンディショニングコーチ、メディカルも含めて、できるだけ経験してもらいたいということも考えました。

−−西野監督自身は5月までどのように働く?

 自分自身の今後はまだスケジューリングできていませんが、往復する時間がどうかとか、全員に発信したい部分、個人的に伝えたい部分があるので、まだ決めていないが、猶予があれば海外組の状況も実際に会って見た上で伝えたいとは考えています。

−−ハリルホジッチ監督はラージリストを作って絞ってきた。メンバーはそれをベースに? それとも真っ白にして考える?

 できればフラットな状況で考えたいが、実際、ハリルホジッチ監督のもとでリストを作っている中でベースとなった選手は変わらないと思います。それがベストだと思いますし、グループで、ユニットで、という中での力が必要なので、新しい選手ももちろん考えたいところではあるけど、チームを作っていく上では、今までのラージのメンバーをベースに考えたいです。

−−田嶋会長はW杯で勝つための確率を上げたいと言っていたが、現時点で何パーセントと捉えている?

 先程も言いましたが、勝つ確率を高めるには選手が本来持っているパフォーマンスをしっかり出させた上で結果がついてくるので、そこを追求したいし、選手にも強調したい。あまり成果が独り歩きするっていうことではない。選手のパフォーマンスを代表チームで出すということを求めていきたい。間違いなく、選手はこういう事態になってまた新たな気持をもっているはずです。これは1パーセント、2パーセントどころではない。選手たちは相当、危機感もそうですし、日本のサッカーに対する強い気持ちはさらに持ってくれたと思う。現に、昨日のゲームでもそれは伝わるし、色んな意味で勝てる確率は高まっていると思うし、最終的な勝利に対しての確率は間違いなく上がっていくと思います。

−−W杯の目標はベスト16? ベスト8? 目標を達成した際の契約更改の可能性は?

 かつてオリンピックで2つ勝っても上がれなかったことを経験しています。それはW杯でも考えられる。そういう予選ですけど、1試合1試合の戦いをベストを尽くしてチャレンジしていく。これは濁すようですけど、予選はもちろん突破したいです。そういう力を信じて作っていく2カ月だと思います。ただ選手に数字的な目標を大きく与えるつもりはない。経験のある選手は特にそう思っている。とにかく現状よりも選手がいいプレーを見せてくれる、そういった中でコロンビアに挑んでいきたい。十分戦えると思います。

−−ガーナ戦のあとにメンバー発表がある。足りないのは試合を経験する回数だが、例えば3試合以外に非公式の試合を組むということも考えられるが?

 当初のハリルホジッチ監督の予定ですと5月19、20が国内の最終リーグ、そのあとあまり休暇なく招集してキャンプに入るということですが、現実、ここ4月、5月の国内組のスケジュールを見るとACL敗退もあるけどルヴァンカップも含めて相当な試合数がある。私自身はいかにしていい形でリフレッシュする時間を持ってキャンプに入ってもらいたいと思っている。海外組は5月2週目で終わるスケジュールだったり、メキシコは4月で終わる状況の中でコンディション、リカバーの日数もバラバラな中でガーナ戦に入っていかなければならないので、そこを合わせていくのが大事になる中でガーナ戦の前にトレーニングマッチは考えたい。状況によるが、必要もあるのかなとは思っていますが、40日以上拘束になるし、その前のスケジュールがタイトになるなかで選手たちのメンタルをキープするのが大事になるので、ストレスになるようだったら考えていきたいが、スケジュールが1カ月の中で状況が違う中でガーナ戦に入っていく上で必要があればとは思います。

−−先日の会長の会見の中で解任の理由は信頼関係とあったが、それを構築するために大切なのは? またピッチ外での接し方も大事になるが、どう考えている?

 指導者にとって信頼関係の構築は数字で測れないし、雰囲気で感じるのか…。私自身もスタートで使われている選手以外はどうなのかなと感じている部分はずっとありましたし、チームのベクトルがあっているなかで感覚的に逸脱した選手はたくさんいますがその選手が一つの目標に向かっていれば問題ないと思いますし、信頼関係というのは本当にチームをよくしたい、勝ちたい、タイトル取りたいという目標を全員が感じることだと、指導者としては思うところです。選手はそういう中で試合に出場できたりできなかったり制限があったりということがたくさんありますし、最後は指導者の選手に対する情熱、気持ちをストレートにぶつけているかどうかだと感じます。それが決して薄れてきたということではなく、そういうものをチームの中でコミュニケーションを取った中で構築していくということ。それがチームづくりの大変なところだし、代表チームはそれが特に、スポットで集まってストレスを抱えたまま戻してしまうこともあるので、そういうケアを、代表選手と蜜に取っていかなきゃいけない作業かなと思います。

Jリーグ順位表

サンフレッチェ広島
40pt
FC東京
31pt
川崎F
30pt
Jリーグ順位をもっと見る
松本
44pt
町田
43pt
横浜FC
42pt
Jリーグ順位をもっと見る
琉球
35pt
沼津
32pt
鹿児島
30pt
Jリーグ順位をもっと見る