2018.03.22

【コラム】初戦黒星も収穫あり…“初招集”中山雄太、3バック中央で抜群の存在感

中山雄太
3バックの中央を務めた中山雄太
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 経験豊富な“初招集男”が確かな違いを見せ付ける試合となった。

 21日からパラグアイの首都アスンシオンを舞台に行われたスポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)プログラム南米・日本U-21サッカー交流において、東京五輪を目指すU-21日本代表は、U-19年代でチームを構成してきたチリ代表と対戦した。

 森保一監督の採用する3-4-2-1システムにおいて、柏レイソルのDF中山雄太が入ったのは3バックの中央。昨年のU-20ワールドカップに出場したチームでも主軸を務めてきた中山だが、森保監督のチームに合流するのは今回が初めてで、それどころか「3バックの中央でプレーするのは初めてだった」という初めて尽くしのゲームだった。しかも3バックの左に入る杉岡大暉(湘南ベルマーレ)も今回が森保体制での初招集、右に入ったアピアタウィア久(流通経済大学)に至っては全年代を通じて初めての代表招集である。森保監督にしてみると、あまりうまくいかない可能性を織り込み済みでの起用だった。

 だが、蓋を開けてみれば、中山は「さすがJ1リーグで出続けている選手は違う」(森保監督)というハイパフォーマンスを見せ付ける。

「(3バックの中央を)これまでやったことはなかったですけれど、いろいろな3バックはJリーグでも観ていますし、自分としてもそこまで困ることはなかった」(中山)

 涼しいコメントからも分かるように、序盤こそハイプレッシャーをかけてきたチリの守備に対して3バックがビルドアップで手こずるシーンもあったが、「試合をやりながらレベルを上げた」と指揮官が称賛したように、相手のやり方に対応しながら徐々に精度を高めてボールを運んでいく。特に中山は最終ラインからボールを持ち出していく判断が絶妙で、精度の高いボールでのサイドチェンジも可能で、まさに万能のビルドアッパーぶりを発揮した。

 また、キャプテンマークを巻いたこの試合は「めちゃくちゃ頼もしい」(アピアタウィア)というリーダーシップも見逃せなかった。

「代表初招集の選手もいるのでコミュニケーションという部分では試合前からだったり、試合中もすごく取っていこうという話はしていたし、自分も意識していました。そこがもっともっと全員がそういう部分を意識して行ければ、チームとしてより強固になっていけるのかなと思います」(中山)

 もっとも、「思っていた以上」(森保監督)のしっかりしたビルドアップを含めて、ぶっつけ本番とは思えぬパフォーマンスを見せた日本だったが、相手を押し込みながらもゴールへ直結するようなプレーはなかなか出なかった。逆に試合終盤にビルドアップのミスが出て、抜け目ないチリに2つのゴールを許し、結果は敗戦。「ゴールへのクオリティに関しては相手のほうが優っていた」(中山)と言うほかない結末となったのは否めない。

 ただ、中山が3バックシステムへの高い適性を見せたことは大きな収穫であり、初代表の選手が多くいたことを思えば、改善点が見えたのもむしろポジティブに解釈すべきだろう。

「自分も含めてまだ入りたてなので、試合中の(ベンチからの)声掛けなども聞きながらやっていました。いいところはいいと言ってくれるし、こうしたほうがいいというのもあったので、ここからそうした部分のすりあわせは少しずつやっていくことで形になっていくと思います」(中山)

 “初招集”ながら確かな存在感を見せ付けた柏の男は、早くも次戦以降でのさらなる向上を見据えていた。

文=川端暁彦

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