2018.03.17

本田圭佑、「数字」と「マルチタスク」で高めた存在感…日本代表でも“価値”を示せるか

本田圭佑
好調を維持する本田圭佑 [写真]=Getty Images
サッカージャーナリスト。プレー分析を中心に、海外サッカーから日本代表までカバー。

 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督はベルギーのリエージュで行われる23日のマリ戦、27日戦のウクライナ戦に向けた26人のメンバーを発表。メキシコのパチューカに所属する本田圭佑がアジア最終予選のサウジアラビア戦以来、半年ぶりの代表復帰を果たした。

 今回の選出を受け、自身の公式Twitterで「一歩前進しただけ。サッカーには偶然はないし、6月まで一歩ずつ前進するだけ」とツイートした本田にとって、キャリアの大きな節目に位置付けるロシア・ワールドカップに向けたプロセスに過ぎないが、しかし重要なプロセスでもあるだろう。

 ハリルホジッチ監督は本田の招集を見送った大きな理由にコンディションをあげる。昨夏まで所属したミランでなかなか出場機会を得られていなかったことに加え、パチューカ加入直後には右ふくらはぎに負傷を抱え、リーガMXのデビューが遅れた。

 アジア最終予選の残り2試合には呼ばれたが、2-0の快勝で突破を決めたオーストラリア戦はベンチで見守り、サウジアラビア戦は先発したものの45分で代えられた。クラブでは9月9日のチーバス・グアダラハラ戦でようやく移籍後初スタメンを果たし、徐々にコンディションを上げている様に見えたが、10月のホーム2試合、そして11月の欧州遠征とメンバーから外れた。

 所属のパチューカにとっては12月にクラブワールドカップを控え、代表期間中にコパMXの公式戦も入っていたため、代表側の判断はかえって有難かった側面はあるかもしれないが、同じタイミングで香川真司、岡崎慎司も外れたことから“ビッグスリー落選”として大きく報道された。

 そうした流れとは裏腹にパチューカでの重要性を増していった本田。そのことを印象付けたのがUAEで行われたクラブW杯だった。右ヒザの不安を抱えながらも、3試合(うち2試合が延長戦を含む120分)にフル出場し、チームの3位フィニッシュに貢献した本田は「(2018年は)でき過ぎな年だったと言える様な1年にしたい」と意気込みを語った。

 その言葉をスタートから実践する様に、リーガMXの後期リーグで4得点5アシストを記録。ウルグアイ代表のホナタン・ウレタビスカヤが移籍したチームの攻撃を引っぱり、[4-2-3-1]のトップ下、[4-3-3](あるいは[4-1-4-1])の右ウィングと右インサイドハーフという3つのポジションでフル稼働している。特にCKから4アシスト、第5節のモレリア戦では直接FKでも無回転のシュートでゴールを決め、セットプレーのキッカーとしてもあらためて存在価値を示した。

本田圭佑

[写真]=Getty Images

 関心は日本代表において本田がどのポジションでプレーするのが最適か。パチューカは日本代表より中盤のポゼッションの志向が強く、右サイドで起用された場合もかなり中に入ってパスワークに絡み、ワイドの司令塔として機能している面がある。タイミングを見て縦の仕掛けやスペースへの飛び出しも試みるが、浅野拓磨や久保裕也よりボールを触りながらチャンスを作り、そこからフィニッシュに絡んでいる。これをそのまま日本代表に当てはめるのは難しいだろう。

 ただし、裏を狙うプレーの度合いは中央、左サイドとの攻撃陣のバランス次第でもある。柴崎岳や森岡亮太が選ばれているが、FWに近いポジションでボールを受ける意識が高ければ、右サイドの本田が起点になるケースが高まり、縦を狙うべき頻度は減る。また今回は左サイドに中島翔哉が選ばれており、彼が中盤で起点を作るより、斜めに飛び出していくプレーを出すほど、逆に右サイドの本田に起点としてのプレーが求められる。

 基本的には縦志向の強いチームでも、みんながみんな裏を狙う必要はないわけだ。一方でハリルホジッチ監督がインサイドでの起用をどれだけ考えているかは気になるところだ。今回は攻撃的MFとして柴崎、森岡、大島僚太が選ばれており、[4-3-3]のインサイドハーフでは守備的MFの山口蛍も有力な選択肢になるため、バランス上では本田は右サイドになる。

 しかし、同じく代表復帰となった宇佐美貴史をクラブで結果を出している右サイドでも起用できるため、そうしたバランスも含めて本田をインサイドで使うプランがあるかもしれない。本田はパチューカにおいて守備でも献身性を見せているが、単独でボールを奪うシーンは多くない。ドルトムントにおける香川のようなハイプレスもパチューカではあまり見せていないため、このあたりも日本代表でどこまでこなせるかをチェックする必要がある。もちろん、そうした起用法もマリやウクライナの特徴を踏まえながら、合宿で探っていくことになるはずだ。

 もう1つ大きな注目点になるのがセットプレーのキッカーとしての価値だ。パチューカでは両サイドのコーナーからほぼ全てのCKを蹴るなど絶対的な存在となっている。日本代表でも今回は井手口陽介が外れ、清武弘嗣と香川真司も怪我で欠いていることから、おそらく本田がキッカーをつとめるだろう。そこで得点に直結する結果を残せれば、本大会でも重要な役割を担える存在として認められることになるはずだ。

文=河治良幸

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