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アンカー起用の遠藤航、ハイチ戦で得た収穫と課題とは

2017.10.11

6月のイラク戦以来となる先発。前向きにプレーできていた、と主に攻撃面での手応えを口にした [写真]=三浦彩乃

 的確な状況判断とポジショニングで周囲をうまくサポートした。10日のハイチ戦、MF遠藤航はアンカーの位置で先発。「今日はいい距離感でできたし、自分もやりやすいように縦に(パスを)つけられた」と一定の手応えを感じた様子だった。

 攻撃面での収穫もあった。「(インサイドハーフとの)3人で相手のボランチを剥がして、高い位置を取ることができたので、1点目は(倉田)秋くんがあの位置に入っていける状況が作れた」。一方で、「タメを作れたか、と言われるとそうではない。中盤をやるのであれば、そこのバランスを考えないといけない」と冷静に分析する。前半はインサイドハーフのMF小林祐希(ヘーレンフェーン)やMF倉田秋(ガンバ大阪)とテンポ良くパス交換をしながら攻撃を組み立てたが、より効果なものにするためにはメリハリが必要だという。

「前線の選手は攻め疲れしてしまい、体力を消耗するような状況もあった。中盤の選手がしっかりとボールを持って、運動量を上げていかないと回らないけれど、どこで時間を作るのか。そこは課題だと思います。落ち着かせる時間はゆっくりして、メリハリをつけたほうがいい」

遠藤航

 失点場面に目を向ければ、27分、中盤でボールを受けたFWデュカン・ナゾンにドリブル突破を許し、その流れからゴールを奪われた。「航の脇が空いていた。自分のところでつぶし切れず、航のところでもつぶし切れず、2列目から上がってくる選手に付いていけなかった。ワンボランチで一番やられてはいけないやられ方だった」と振り返ったのはDF昌子源。対人守備で強さを発揮する遠藤にとっても、悔いが残るプレーになった。

 ロシア・ワールドカップを見据えた時、自分が勝負できるのはどこか。遠藤が導き出した答えは中盤だった。今季序盤には「ボランチがやりたい」とあえて公言した。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からも「クラブでもボランチで出てほしい」と要求されているが、所属する浦和レッズで主にセンターバック、最近では4バックのサイドバックをも務める彼が、中盤でプレーする機会は少ない。当然、ディフェンダーとは違うむずかしさを実感している。

「中盤になるとプレッシャーを180度ではなく、360度で受けることになる。常に首を振ったり、より早い判断でプレーしないと(相手に)捕まる」

 それでも、生き残るためにはアピールするしかない。6月のイラク戦では2ボランチの一角を務めた際には「最後のチャンス」と覚悟を持って挑んだ。しかし、8、9月の最終予選2連戦では招集外。「自分は絶対にメンバーに入れる立場ではない」と危機感を募らせた。迎えたハイチ戦では、アンカー起用ではあったものの「中盤は代表に来ないとプレーできない。出場の機会があれば、自分の良さを出していきたい」と周囲との距離感を意識しながら立ち回り、攻撃では自信を持つ縦パスを入れた。

 11月は欧州遠征を控える。「まずはメンバーに入ることを目指してやっていかないといけない。クラブでも、与えられたポジションで自分の良さをしっかりと出していきたい」。クラブと代表、求められる役割やポジションが違ったとしても、常に最大限のパフォーマンスを出すこと。ハイチ戦で得た収穫と課題を手に、遠藤航はさらなる成長を目指していく。

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