2017.10.07

U-17W杯 “00ジャパン”2年半の集大成、若き日本代表の才能と努力の成果を見逃すな

左から宮代、久保、中村、上月 [写真]=川端暁彦
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 2000年以降に生まれた選手たちで構成される“00ジャパン”が、U-17ワールドカップという世界舞台に臨む。2年半にわたる活動の中で着実に力を蓄えてきたチームであり、個々の力も大きなレベルアップを遂げている。

 攻撃の柱となるのは、FW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)だ。「自分の武器だと思っている」というボールを収めるプレーに秀でたターゲットタイプで、相手DFを背負った状態でも巧みに体を使ってボールを守り、味方に繋げていく。アジア最終予選では決定力に課題を残したが、今年に入ってからこの点でも長足の進歩を遂げて重要な試合でスコアボードに名を刻み、森山佳郎監督から「強い相手に決めるのは宮代」と言われるまでになってきた。

 前線で宮代の相方となるのが、今大会から「好きな番号」という7番を背負うことになったFW久保建英(FC東京U-18)だ。言わずと知れた選手だが、知られるようになった当初よりも着実なスケールアップを遂げている。背中から体付きが変わって全体的にサイズアップしており、フィジカル面でも大きく変化。U-20ワールドカップでは無得点に終わって「本当に悔しかった」という思いをこの大会へぶつけることになる。

 この2トップと共に多くの得点を挙げてきたストライカーのFW中村敬斗(三菱養和SCユース)も要注目のタレントだ。しなやかな動きからの力強いドリブル突破と、「チームで一番」と森山監督が太鼓判を押す右足のシュート力が最大の武器。三菱養和ユースでは今季の上半期に「押し込まれる試合ばかりで孤立することが多かった」が、その状況を「個の力を上げるには良かった」とポジティブに解釈するようなハートも魅力だ。打開力とパンチ力を買われてのサイドハーフでの出場もありそうだ。

 また「この1年で一番成長した選手かもしれない」と指揮官から評価される大型MFの上月壮一郎(京都サンガU-18)も覚えておいてほしいタレントだ。ダイナミックなドリブルとパワフルなシュートに加えて、地道な積み重ねでコンタクトプレーの強さも出てきた。まだまだ粗削りな部分もあるものの、伸びしろたっぷりな好選手だ。

 そして、この攻撃陣を操る「このチームの心臓」(森山監督)が、MF平川怜(FC東京U-18)だ。元より技術力の高さに定評のあったテクニシャンだが、“00ジャパン”で過ごした2年半で心身共に大きく成長。高校生になったばかりだった昨年春に「もっと怖い選手になりたい」と強い口調で語っていたとおり、パスの出し手として機能するだけでなく、球際で戦ってボールを奪い取り、前へドリブルで運んで敵陣を切り裂き、フィニッシュにまで顔を出せる選手になった。

 守備陣からはGKの谷晃生(ガンバ大阪ユース)の名前が挙がるだろう。188センチの長身ながら足元の技術もある現代的なGKとして大きな期待を受けてきた。今年に入ってからはG大阪のトップチームで練習するようになっており、「A代表の選手たちと一緒にやれるのは本当に勉強になるし、スピード感に慣れてきた」と成果を語る。高桑大二郎GKコーチも「判断の質が上がってきた」と成長を認める守護神のプレーも是非注目してほしい。

 こうやって名前を挙げていくと、他にもたとえば森山監督が「サッカーIQが一番ある」と評するスーパーオールラウンダーのMF喜田陽(セレッソ大阪U-18)などなどキリがなくなるというもの。そのくらい才能ある選手に恵まれたチームであり、その才能におごることなく努力してきた選手たちがそろったと言えるし、今のところ控え選手だと考えているところから大会中にグッと伸びてくる選手がしばしば出てくるのもこの年代の面白いところだし、そういう“シンデレラ”の出現にも期待したい。

“00ジャパン”最初の戦いは、8日のホンジュラス戦。そして最後の戦いを28日のファイナルマッチにすることが一つの大きな目標となる。「このチームでやるのもこれが最後なので」と谷が語ったとおり、2年半に及んだ活動の集大成として若き日本代表が世界舞台に臨む。

文=川端暁彦

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