2017.05.20

【プレビュー】いよいよU-20W杯が開幕…南ア対策はボランチ・板倉? ポイントは“海外感覚”の守備意識

U-20日本代表
U-20日本代表は21日にグループステージ初戦で南アフリカと対戦する [写真]=三浦彩乃
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 5月21日、東京五輪世代の日本代表の戦いが幕を開ける。10年ぶりの出場となったU-20ワールドカップだが、「絶対に負けられない」と気負わざるを得ないアジアの戦いとこのステージは異なる。「本当に楽しみ」(FW小川航基=ジュビロ磐田)というフレッシュかつチャレンジャーとしてのマインドで臨む戦いだ。

 チームは17日から韓国に入り、心身両面からの調整を続けてきた。静岡合宿を通じてコンディションのバラ付きも修正され、一部別メニューだったGK小島亨介(早稲田大学)、DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)といった選手たちも無事に「まったく問題ない」(杉岡)という状態まで戻ってきた。選手たちが口々に「雰囲気がいい」と言うように、過度にピリピリすることもなく、順調に調整は進んでいる。

 ただ、出発直前に行われたホンジュラスとの国際親善試合では「明確に課題が出た」(内山篤監督)のも事実で、その点の修正が初戦に向けてのポイントとなる。それは「攻守のバランスとカウンター対応」(内山監督)。どちらも強化の過程で強調してきたところではあるのだが、3月の欧州遠征以降に海外勢との試合がなかったこともあり、ポゼッションを重視する「日本の感覚」(内山監督)に戻ってしまっていた部分があった。

「この大会で当たるようなチームは8、9割ボールを支配されても、残りの1、2割での得点を絶対に狙ってくるチームばかり。割り切ってそれしか狙わないようなチームだってあるし、それで勝てるだけの決定力もある。そこで外してはくれない。『こちらがボールを持っているから安心』なんて意識だと、絶対にやられる」(内山監督)

 第2戦以降で対戦するウルグアイやイタリアを含めて、カウンターに強いチームが入ったのが日本の属するグループD。「分かっている選手は分かっていることだけれど、ちょっと抜けてしまっている選手もいた」ため、初戦に向けたミーティングを含めてもう一度徹底したい考えだ。

 18日の練習ではコンタクトプレーが必ず起きる一対一の練習なども採り入れ、どうしても距離を置いて守りたがる対日本感覚から、海外感覚への個々人の守備意識の修正も図った。過去の年代別代表の世界大会でも、DFが日本感覚で何となく距離を置いたところでミドルシュートを叩き込まれるようなシーンはしばしば起きているが、どれほど優位に試合を運んでも“一発”を警戒する姿勢は忘れないでおきたい。

 また初戦の南アフリカ対策としては、DF板倉滉(川崎フロンターレ)のボランチ起用が濃厚だ。大型選手をそろえる南アフリカに対し、セットプレーの守備で「どうしても枚数が足りない」(内山監督)ことへの対応をチームで1、2を争う空中戦の強さを持つ板倉に託す見込み。当初先発と見込まれていたMF原輝綺(新潟)が新潟でサイドバックとしてプレーを続けた結果、「どうしても(ボランチとしての)感覚が戻っていない部分がある」(同監督)という点も踏まえての判断だ。

 攻撃陣ではシュート練習で小川が高い決定率を見せ付け、FK練習でMF堂安律(ガンバ大阪)のキックが高精度でゴールネットを揺らしていた。攻撃の二枚看板と言うべき二人が好調を維持しているのは心強い。スーパーサブとしての起用が見込まれるMF遠藤渓太(横浜F・マリノス)の状態も良さそうだ。また滑り込みでメンバー入りし、当初はぎこちなさも感じられたFW田川亨介(サガン鳥栖)の動きもスムースになってきている。

 ここまで来たら、あとは全力を尽くすのみ。「緊張するかどうかも分からない」と板倉が苦笑いを浮かべたように、大舞台の初戦ゆえの過緊張も予想される。ただ、ここでドキドキできる権利を手に入れられたのも、アジアの予選をくぐり抜け、激しいメンバー入りの競争を勝ち抜いてきたからこそ。その鼓動の高鳴りは“ドキドキ”ではなく“ワクワク”だと思ってもらい、10年ぶりの世界舞台を存分に堪能してほしい。まずは何より、自分たちの力を出し切ることだ。

◆予想スタメン◆
「4-4-2」

▼GK
1 小島亨介

▼DF
19 舩木翔
3 中山雄太
5 冨安健洋
6 初瀬亮

▼MF
8 三好康児
4 板倉滉
10 坂井大将
7 堂安律

▼FW
13 岩崎悠人
9 小川航基

文=川端暁彦

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