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U20代表のムードを高める“面白いヤツ”、DF初瀬亮が自覚する役割とは

2017.05.14

U-20日本代表のDF初瀬亮、左右両サイドのサイドバックをこなすことができる [写真]=三浦彩乃

 U-20日本代表のDF初瀬亮ガンバ大阪)は、ムードメーカーとしても欠かせぬ存在だ。関西弁とその明るい性格でチームを盛り上げている。

 初瀬がチームの雰囲気を意識するようになったのは、昨年10月のU-20ワールドカップ アジア最終予選(AFC U-19選手権)の時だった。代表チームの宿舎には選手が一堂に集まることができる「リラックスルーム」があり、対戦国の試合映像だけではなく、卓球台や簡単なゲームなどが置いてあることが多いが、初瀬は「それまではあんまり行かなかった」と振り返る。


「もし突破できなかったら……という緊張が大きかった」という最終予選でチームが勝ち進むにつれ、初瀬はチームワークの重要性を実感していく。選手全員でリラックスルームに集まり、「どうしていこう」と自主的に話し合ったこともあったという。「そういうコミュニケーションがあったから優勝できたと言っても過言ではないと思う」。代表に呼ばれた当初は自分の部屋にこもりがちだった初瀬が、リラックスルームへと顔を出すようになった。

 今回の合宿中も最年少の久保建英(FC東京U-18)に話しかけたり、誰よりも声を出してチームを鼓舞したりと、プレー以外でも存在感を発揮している。意外にもリラックスルームで卓球合戦が始まると「外から見ている」ことが多いそうだが、ピッチ内外でチームのムード作りにひと役買っているのは間違いない。

初瀬亮

半パンをめくり上げるのは癖だと言う初瀬(左)[写真]=三浦彩乃

 練習を見ていて印象的だったのは、初瀬がチーム内で自分の果たす役割を自覚しているということだ。そして、彼自身がムードメーカーであることを「当然意識しています」とさらりと言うものだから感心する。

「最終予選で感じたのはチームワークが本当に大事だということ。試合に出られない選手も、出る選手もチームのためにやることが一番大事。その1つとして、チームを盛り上げることも大事だと思っています。だから最終予選から続けていることをW杯でも続けようと、ここに来る前から考えていました」

 茶目っ気たっぷりな19歳だが、誰よりもチームを一番に考え、立ち居振る舞いに気を配っている。ことプレーに関しては真面目。約1週間後に迫ったU-20W杯に向けてはこんな言葉を口にする。

「W杯は挑戦しかない。いい意味で吹っ切ってできると思います。もうやるしかない。守って、守って、カウンター1本で決めても勝ちは勝ち。そういうサッカーも大事だと思います。『全然サッカーできていないじゃん』と言われたとしても、結果を出せばいいこと。まずは勝利を目指して戦います」

 初瀬の存在はメンバーを奮起させ、組織を活性化させる。U-20日本代表は決戦の地・韓国へ最高のムードで乗り込む。

取材・文=高尾太恵子

By 高尾太恵子

サッカーキング編集部

元サッカーキング編集部。FIFAワールドカップロシア2018を現地取材。九州出身。

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