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“一度は落選”の悔しさを力に…MF高木彰人、U-20W杯での活躍を期す

2017.05.13

チームに合流した高木は「戸惑いなく練習に入ることができた」と話す [写真]=三浦彩乃

 選ばれなかった選手の気持ちは痛いほど分かる。落選の悔しさを一度味わったからこそ、その喜びを人一倍噛みしめているようだった。MF高木彰人は「選出されなかった人たちの思いを背負って、頑張らないといけない」と強い決意を胸に、U-20日本代表の国内合宿に合流した。

 DF初瀬亮、MF市丸瑞希、MF堂安律の最多3名がU-20日本代表に選出されたガンバ大阪で、候補に挙がっていた高木はあと一歩届かなかった。「正直、落ちた時は相当ショックを受けました」。落ち込む気持ちを抱えながら、「チームで結果を出すこと」だけに専念しようとしていた。


 追加招集の吉報が届いたのは12日の朝だった。「朝起きたら携帯に連絡が来ていて。起きたばかりで眠たかったんですけど、その報告を聞いたら一気に目が覚めました」。負傷離脱したMF森島司サンフレッチェ広島)に代わって、高木が招集された。クラブハウスに向かう道中は半信半疑だったという。チームメイトに「おめでとう」と声をかけられて、じわじわと実感が湧いてきた。

「3人が選ばれたので、落ちた時は先輩たちに「あれ? 行かないの?」と言われました。今回は「帰ってくるなよ」とか「ああ、何かいなくていいなあ」と言われて。まあ、何も言われないほうが寂しいので、優しい先輩ということです。(倉田)秋くんや米倉(恒貴)くん、ヤットさん(遠藤保仁)にも言われました。多分、全員に言われていますね」

 素直な祝福の言葉ばかりではなかったようだが、そのやり取りを高木は満面の笑みで語る。容赦のないいじりに救われ、またそれによって送り出されたようだ。

 森島の負傷離脱によってめぐってきたチャンス。U-20ワールドカップ開幕まで時間は限られているが、「得点やアシストなどゴールに絡むプレーを求められている」とやるべきことは明確だ。

「司も大会に懸ける思いが強かったと思う」と、志半ばでチームを離れることになった仲間の悔しさをひしひしと感じているからこそ、1つでも多くの勝利を積み重ねたい。「同世代のトップクラスの選手たちと戦えることは自分にとってもすごくいい経験になる。もちろん優勝を目指してやっていきたいです。こういう場で活躍をして、この後の東京オリンピックにもつなげたい」。まずは15日に予定されているU-20ホンジュラス代表との親善試合で、「韓国に行く前に得点の部分で自信をつけたい」と結果を残したいところ。世界への挑戦の時が近づいている。

文=高尾太恵子

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