ビーチサッカー日本代表は、W杯グループリーグを1勝2敗で終えて大会を去ることが決まった
ビーチサッカーワールドカップ(W杯)は5月2日(日本時間3日)グループステージ最終戦を行い、日本はグループステージ突破を懸けブラジル戦に挑んだ。2連勝のブラジルに、日本はこの一戦で延長戦に入ることなく勝利すればグループステージ通過を決めることができる。
第2戦で勝ちたかったタヒチ戦に敗れた日本は、翌日、ブラジル戦のキックオフ時間に合わせ、ホテル近くのビーチで前日練習を行った。タヒチとの大一番での心身の疲労を中1日で調整しなければならなかった。
日本のスターティングメンバーには、GK(ゴールキーパー)に照喜名辰吾、FP(フィールドプレーヤー)に大場崇晃、茂怜羅オズ、後藤崇介、そして、タヒチ戦でハットトリックを決めた赤熊卓弥が入った。
第1ピリオド、序盤からブラジルが鋭いシュートを打ってきたが、GK照喜名が気迫のこもった胸ブロック。プレッシャーをかけられ押し込まれる日本は、5分、サイドから崩されるとオウンゴールで先制を許した。さらに6分、ロドリゴにFKを献上し、2点のビハインド。だが、ブラジルの強さを知るメンバーが冷静にプレー。夕日が差し込み眩しそうにしているGKマオを狙っていった。スコアが動いたのは10分。原口翔太郎からのパスを後藤がオーバーヘッド。こぼれたところを大場が押し込み1点を返す。その後、PKのピンチをしのぐと、第1ピリオド終了間際に後藤がFKで意地の一発を決め、なんとか2-2で第1ピリオドを終えた。
だが、第2ピリオドでさらにブラジルの強さを見せつけられる。17分、20分、21分に鮮やかな連係プレーでゴールを奪われ、瞬く間に3点差をつけられた。日本は22分にオウンゴールで1点を返したものの、その後、チャンスを逃すと、カウンターで失点。3-6で第2ピリオドを終えた。
W杯のために2年間いい準備をしてきた日本は、ここで諦めるわけにはいかない。結束し向かった最終ピリオドだったが、日本のゴールは遠く、28分にはロドリゴにFKを決められてしまった。残り5分で日本の指揮官・マルセロ・メンデス監督は、鈴木将人、GK河合雄介のフレッシュなメンバーを投入。だが、35分には低い弾道のシュートで加点され、試合終了間際にはこの日5点目となるロドリゴにゴールを許して、3-9で敗れた。
この結果、グループDは5度目の優勝を目指すブラジルが3戦全勝でグループステージ1位通過、タヒチが2位通過となり、日本は敗退となった。
キャプテンの茂怜羅は「今回はベスト8まで行けずに悔しい。もっともっと練習しなければいけない。みんなで切り替えて、乗り越えるしかない」、今大会6得点をマークした後藤は「ブラジルとは何回も対戦して強いことはわかっていたが、すべての面で向こうには穴がなく、全員が同じサッカーをしようとしていた。その差が大きく出た」と振り返り、選手たちはバハマや日本で応援してくれた多くのファンに感謝の思いを残し、大会を去った。
文=Noriko NAGANO