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日本とタイを知る元清水監督ゴトビ氏がハリルジャパンに助言「キックオフからアグレッシブに!」

2016.09.05

元清水監督で、8月までブリーラム・ユナイテッドを率いていたゴドビ氏(写真は@afshinghotbi_officialのキャプチャ)

 2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選の第2戦、日本はバンコクに乗り込んで6日にタイと対戦する。ともに黒星スタートを切った両国のサッカー事情をよく知るのが、元清水エスパルス監督で今年8月までブリーラム・ユナイテッドを指揮したアフシン・ゴトビ氏だ。思わぬ敗戦で日本にとってB組序盤の大一番となった一戦について「タイはホームでは侮れない相手。日本は注意深く試合に臨まなければいけない」と展望した。

 ゴトビ氏は2011年から2014年途中まで清水を率い、今回の日本代表に選ばれているGK林彰洋(サガン鳥栖)とDF太田宏介(フィテッセ)を指導した。今年5~8月に監督を務めたブリーラム・ユナイテッドからも教え子の2選手がタイ代表に招集されているという。選手の実力差については「日本代表の大半は欧州のリーグでプレーしているため、タイ・プレミアリーグ(TPL)で戦っている選手とのレベルの差は大きい」と現実的に分析する。

 タイ人の特性として「テクニック、フィジカル、メンタルが強く、ダイナミックなプレーをする」と評価する。さらに主力の多くが現在TPLの首位を走るムアントン・ユナイテッドに所属しているため、「一年中、一緒に練習や試合をしている点はアドバンテージになるだろう」と話す。さらに「タイのサッカーは局面で巧みにファールを誘ったり、時間稼ぎをしたりする」といった、サッカー界で「マリーシア」と表現される駆け引きも特徴的だという。接戦のまま時計の針が進めば、初戦のUAE(アラブ首長国連邦)戦のように日本ばかりが苛立つ展開に持ち込まれる恐れもある。

 タイは14年に東南アジアのナンバーワンを争うAFFスズキ・カップで優勝し、今回のアジア2次予選はイラクに対してホームとアウェーの両方で引き分け、F組を首位で突破した。著しい成長を見せている近年のタイ代表に関して、「25歳以下の若い世代は有望な選手が多い。近年の東南アジアでの成功を受けて代表への注目度は高く、選手は若い女性にとても人気がある」と説明する。

 それでもFIFAランキングの差(日本=49位、タイ=120位)が表すように、両チームの実力差は大きい。ゴトビ氏は「日本の戦い方は監督やコーチが決めること」と前置きした上で「タイの選手は日本のサッカーをとてもリスペクトしている。だからキックオフからアグレッシブにプレーすれば、精神的な優位性を保てるだろう」とアドバイス。東南アジア特有の暑さについては「Jリーグの選手は蒸し暑い夏にプレーすることに慣れている。特に今回はナイトゲーム(現地時間19時15分キックオフ)なので、どちらにとってもコンディションは大きな問題にならないだろう」と予想する。

 タイは1日に行われたサウジアラビアとの初戦でアウェーながら接戦を演じた。終盤にPKを献上して0-1で敗れたが、最終予選は各チームの実力差が拮抗している。ゴトビ氏も2010年のFIFAワールドカップ 南アフリカのアジア最終予選途中でイラン代表監督に就任しながら出場権を獲得できておらず、アジア予選の厳しさを身をもって知る人物でもある。「国際試合ではどんなことも起こり得る。日本の初戦は残念だったが、チャンスを決め切らないとこういう結果になってしまう。タイ戦は多くの意味で極めて重要な一戦になる」と、早くも正念場を迎えた日本代表を気に掛けていた。

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