前回大会では8位で終えた日本代表 さらなる上位進出を目指す
ユーロ2016とコパ・アメリカ・センテナリオUSA2016の熱戦に世界のサッカーファンが釘づけになる中、イタリアのサレルノで、もう一つの世界規模の大会、デフサッカーワールドカップ2016が19日に開幕した。デフサッカーワールドカップは、4年に1度の大会で今回で3回目の開催を迎えている。
2014年にイランで開催されたアジア予選を3位で終えたろう者日本代表は、2大会連続2回目の出場。前回大会で8位の日本は、Bグループに所属し、21日18時(現地時間、以下同様)に初戦でアメリカ(地区予選なし)と対決。23日には欧州予選2位の強豪ロシアと第2戦を戦い、25日10時キックオフの最終戦では同8位のギリシャと対戦する。日本はアメリカと7年前のデフリンピックで対決し、0-0と引き分け。ロシアとは3年前の同大会で2-5と惨敗を喫しているが、日本も急激に成長を遂げていることもあり、過去の対戦成績はあまり参考にはならないと見られている。ロシアはフィジカルやスピードに長け、毎大会上位進出をしている強豪国。アメリカやギリシャの情報少ないが、共にフィジカルは日本よりも上。3試合すべてが厳しい試合展開になると予想される。
指揮官に就任して初の世界大会に挑む中山剛監督は「昨年のアジア大会後、世界大会を目標に強化をしてきました。新しい戦力も増え攻撃力がアップした上に、守備も安定し、日々進歩しています。他国の情報が少ない状況ですが、できる事をぶれずに行い、一戦一戦を選手、スタッフ一同、全力で戦い抜きたい」と話し、必勝を誓った。また、主将の細見尚史は「協会スタッフの皆様のサポートや大会への派遣を許可していただいた職場や学校関係者の皆様、いつも応援してくれる家族、友人への感謝の気持ちを忘れず、代表選手としての自覚と責任を持って世界大会へ臨みます」と周囲への感謝の言葉を述べると「日本における『ろう者サッカー』の認知度はまだまだ低いですが、ろうの子どもたちが憧れるチームづくりと、もっと応援してくれる人を増やせるようなきっかけとなるようにメダル獲得を目指します」と目標を掲げた。
アジア予選を経験したメンバーは誰一人として、予選3位という結果に満足していない。このままでは世界とは戦っていくことはできないという危機感を抱きながら、アジア予選を終えてから今大会まで準備を行ってきている。若手からベテランまでが融合し、バランスの整ったチームに仕上がってきた。大会を直前に控え、選手とスタッフは共に十分な手ごたえを掴んでいる。PK戦の末に敗れた昨年のアジア大会決勝、死闘を演じたイラン戦のような体を張った戦いを初戦から披露することができれば、悲願のメダル獲得にも手が届くはずだ。
●日本ろう者サッカー協会 公式HP
http://jdfa.jp/
●公式Facebook
https://www.facebook.com/jdfa.soccer
●公式Twitter
https://twitter.com/jdfa_official
▼取材協力
日本ろう者サッカー協会 理事 浜津 哲也
日本ろう者サッカーサッカー代表 テクニカルアドバイザー 田澤龍太郎
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト