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欧州組揃う代表で初出場へ…岡崎や長谷部も高評価する新世代FW浅野拓磨の覚悟

2016.06.02

キリン杯ブルガリア戦の前日練習に臨んだFW浅野拓磨 [写真]=三浦誠

 欧州組の強化合宿スタートから9日。いよいよキリンカップサッカー2016初戦・ブルガリア戦(豊田)が3日に迫ってきた。本田圭佑(ミラン)の欠場が決まる中、右サイドに誰が出るかが気になるところだが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「今のところは浅野(拓磨=サンフレッチェ広島)が試合に関わるチャンスがかなり大きいかなと。昨日(1日)初めてタクティックのトレーニングをしたが、彼は私が呼んだこと(の意味)を証明してくれた」と公式会見で語った通り、新世代のスピードスターに出番が与えられる可能性が高い。スタメンか途中出場かは未定だが、本人も「ピッチに立てれば自分自身、失うものは何もない。どんどんチャレンジしていけばいい」と強い意気込みを新たにした。果たしてチーム最年少プレーヤーが日本代表に新たな風を巻き込むか。そこは非常に大きな注目点と言える。

 高さとパワー、そして堅守が武器のブルガリアを想定し、指揮官は現状でのベスト布陣の起用を考えているはずだ。GKは昨年6月の2018 FIFAワールドカップロシア アジア2次予選・シンガポール戦(埼玉)以来となる川島永嗣(ダンディー・U)の先発が確実視され、センターバックは吉田麻也(サウサンプトン)、森重真人(FC東京)のコンビも濃厚だが、左右のサイドバック(SB)は流動的だ。3月の2次予選最終戦・シリア戦(埼玉)では右が酒井高徳(ハンブルガーSV)、左が長友佑都(インテル)という組み合わせだったが、今回は身長185センチ超の選手が過半数を占める相手の高さを考えると、右に酒井宏樹(ハノーファー)、左に槙野智章(浦和レッズ)という顔ぶれが有力だろう。槙野は「代表の左SBに求められるのは高さとフィジカルの部分。今まで呼ばれた選手にないものが自分にはある」と自信をのぞかせており、今回いいテストになりそうだ。

 中盤はボランチが長谷部誠(フランクフルト)と柏木陽介(浦和)、トップ下が香川真司(ドルトムント)、左FWが清武弘嗣(ハノーファー)、1トップが岡崎慎司(レスター)だと見られるが、問題は本田不在の右サイド。選手の話を総合すると、今回は小林悠(川崎フロンターレ)が頭から出て、途中からジョーカー・浅野が投入されるパターンの可能性が高そうだ。

 浅野本人は「自分がどこで出ても『相手の裏を狙う』というところは特に変わりない。相手DFとの駆け引きであったりはつねに意識したいと思います」とハリルホジッチ監督に期待された「ゴールに突き進むスピード」を前面に押し出す考えだ。

 トゥーロン国際大会でも世界のスカウトから注目された絶対的速さを持つ若武者に対して、チーム内での期待も大きい。キャプテンの長谷部は「若手の突き上げをずっと求めてきたけど、若手と一緒に練習してかなりいいものを持った選手が沢山いるなと考えを改めた。日本の将来のサッカーが心配な部分もあったけど、それはなくなった」と言い切り、「特に浅野はスピードだけじゃなくてパワーもある。かなり力のある選手」と高評価してみせたのだ。FWとしてはライバル関係にある岡崎も「浅野は海外へ行ってもやれる選手。それは見てて思う」とその才能に太鼓判を押した。

「練習の中ではまだコンビネーションであったり、自分の特徴を出せてる場面もそんなに多くはない。実戦をやってみて何を感じるかだし、僕も試合に出られればもっともっと自分の特徴を知ってもらえる。貪欲に自分からプレーできれば、ピッチの中で感じてパサーと受け手の関係もできると思うので、試合に出てみてからだと思います」と浅野自身は“出たとこ勝負”で積極果敢にアタックしていく覚悟だ。

 ガンバ大阪と激突した2015年のJリーグチャンピオンシップ第2戦で決めた途中出場でのゴール、FIFAクラブワールドカップ・マゼンベ(DRコンゴ)戦での3点目、そして今年1月のAFC U-23選手権(カタール)決勝・韓国戦での2ゴールと、この点取屋は大舞台にはめっぽう強い。その強心臓ぶりを欧州組が揃った日本代表ベスト布陣の中で遺憾なく発揮してくれれば、9月から始まる最終予選に向けて日本代表に新たな変化が起きるはず。その火付け役となるべきなのは、若く勢いのあるスピードスターしかいない。地元・三重に程近い豊田スタジアムで、彼のゴールとジャガーポーズが見られるのを楽しみに待ちたい。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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