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代表合宿参加の内田、武藤、山口の現状とは…リハビリ組が語る復帰への道のり

2016.05.29

欧州組の合宿に参加した内田篤人。「しっかり復活したい」と復帰へ意気込んだ

 6月3日と7日のキリンカップ(豊田・吹田)に向け、24日から千葉県内で行われていた日本代表欧州組強化合宿が29日、最終日を迎えた。

 初夏のような暑さの中、10時半からのトレーニングには、初日から参戦した川島永嗣(ダンディー・U)、長友佑都(インテル)、吉田麻也(サウサンプトン)、清武弘嗣、酒井宏樹(ともにハノーファー)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、途中合流の原口元気(ヘルタ・ベルリン)、岡崎慎司(レスター)、本田圭佑(ミラン)、香川真司(ドルトムント)、浅野拓磨(サンフレッチェ広島)、長谷部誠(フランクフルト)、リハビリ組の山口蛍(ハノーファー)、内田篤人(シャルケ)、武藤嘉紀(マインツ)の総勢15人が参加。狭いエリアでの4対4やクロス&シュート、6対6+GKなど実戦を意識した内容が盛り込まれた。

 最後の6対6+GKでは1本目が終わったところで本田と清武が離脱。本田は左ひざ裏に違和感、清武も足の張りを訴え、大事を取った様子だったが、本人たちは「大丈夫です」と語っており、キリンカップ本番には影響なさそうだ。2時間の濃密なメニューが終わった時には拍手が起こり、チームの士気がより一層高まった印象だった。

 最終日ということで、リハビリ組もメディアの取材に応じた。中でも注目は、2015年3月のチュニジア(大分)・ウズベキスタン(東京・味の素)2連戦以来の日本代表活動合流となった内田。右ひざ蓋腱炎症で昨年6月に手術した後、トレーニングを続けていたが今年2月に帰国。それ以降は国内でのリハビリに切り替えた。だが、実戦復帰のメドが立たず、本人も苦しい日々を強いられていた。そんな彼が、ここまでの沈黙を破って、久しぶりに言葉を発したのだ。

「(2014年ブラジル)ワールドカップである程度、負担がかかるのを覚悟してやって、ちょっと長引いていますけど、本当に難しいケガだったんでしょうがない。リハビリを暗い顔してやったらもう死んじゃうんで(苦笑)。少しでも明るくやらないとって感じです。早く復帰するに越したことはないですけど、サッカー人生が懸かってるケガなんで、しっかり治したい。来シーズン頭を目指していますけど、みなさんに見てもらった通り、まだ走れていないんで。まずはちゃんと歩けるようになって、走れるようになってから。痛みなしで筋力も戻って来ないと、また繰り返しのケガになるんで、そこはちゃんとやんないとって感じです」と内田は全く復帰が見えない暗中模索の状況下でも、努めて明るく振る舞っていた。

 シャルケでは2015年3月14日のチャンピオンズリーグ(CL)レアル・マドリード戦を最後に公式戦から遠ざかっている。アンドレ・ブライテンライター監督が率いた今シーズンは一度もプレーすることなくシーズンが終了。指揮官が解任されただけでなく、スポーツディレクター(SD)のホルスト・ヘルト氏も辞任してしまった。来シーズンはマインツで岡崎や武藤獲得に尽力したクリスティアン・ハイデルSDの下、新たな監督の下で戦うことになるが、内田が仮に早く復帰できたとしても、新体制の中で自分自身の存在価値を認めてもらうことからスタートしなければならない。代表復帰はその先だ。そういう長い長い道のりが予想されるだけに、本人も「時間をかけてやれば治ると思わなきゃやってけない」と長期戦を覚悟している。今はサッカー人生最大の苦境に違いないが、本人が言うように焦らずやるしかないのが現実と言える。

武藤嘉紀

負傷離脱中の武藤嘉紀。「来年は1年間通してプレーしたい」と意気込んだ

 一方、左ひざ外副じん帯損傷で離脱中の武藤の方は順調な回復を見せている模様。「ドイツの来シーズンの頭からできるように仕上げていきたい」と本人も前向きにコメントしていた。3月に復帰寸前まで行ったが、ケガを再発させ、シーズン終盤を棒に振る形となったが、本人は決してネガティブにはなっていないようだ。

「もちろん、同じところの負傷を繰り返してしまった時には非常に気持ちは下がりましたけど、もうやってしまった以上、さらに強くなってピッチに戻るしかないと思った。少し早めに復帰してしまったのかなと後々からは思います。焦ってやっていた面もあったので、完璧な状態に治してから復帰しないといけないと思いますね。今は前向きに取り組んでいます」と本人も笑顔をのぞかせていた。

 まずはマインツに戻り、今シーズン終盤戦で武藤の穴を埋めたジョン・コルドバらとの競争に勝って結果を残さなければ、代表復帰の道は開けてこない。本人もそのことはよく分かっている。「ドイツでしっかり結果を出すことに専念して、その先に代表でプレーする権利をいただいてから、結果を残していかないといけない」と自分に言い聞かせるようにコメントした。

山口蛍

日本代表の練習に参加した山口(右)。「すごくいいコンディションになった」と復帰へ手応えを語った

 そして今回の欧州組合宿でフルメニューをこなした山口蛍は鼻骨骨折・左眼窩底骨折自体は完治。本人も「コンディションがすごくよくなったんで、その先がないのは少し残念」とキリンカップのメンバーから漏れたことを悔しがるほどだった。今後は当面、古巣・セレッソ大阪でトレーニングを続ける意向のようだが、ハノーファー残留か移籍かを含めて不透明な部分も多い。ケガによる心理的な後遺症も懸念されるだけに、本調子に戻るにはもう少しかかるだろう。最終予選までに心身ともにフレッシュな状態を整えてほしい。

 彼ら3人はこの日を最後に離脱。残る12人は次戦・ブルガリア戦の地・豊田へ移動した。吉田が言うように「ここからが本番」。欧州勢を上回るチーム状態へと仕上げていくことが肝要だ。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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