3日間の合宿について、「またこの世代の候補者たちを広げられた」と総括した手倉森監督 [写真]=長江由美子
手倉森誠監督が、5月からいよいよ“絞り込み”の作業に着手する。
今回のトレーニングキャンプは「(メンバーを)狭める前に広げないと」とさらなる競争を促すものだった。U-23日本代表候補は、静岡県内で3日間のトレーニングキャンプを実施。DF小川諒也(FC東京)、DF三丸拡(サガン鳥栖)、MF橋本拳人(FC東京)、MF小塚和季(アルビレックス新潟)、FW富樫敬真(横浜F・マリノス)の5選手を初招集し、最終日に行った清水エスパルスとの練習試合では、全選手を起用した。
橋本は練習から気合いの入ったプレーを見せ、「縦へのスイッチを入れられるボランチとして発見だった」と手倉森監督は好感触を得た様子。他にも「今回来たメンバーは、割って入れるくらいのインパクトを常連組に与えた」と新顔を評価しつつ、「幅を広げたことで自分の(メンバー選出の)仕事を、自分で困難にしている気がする」と苦笑いを浮かべた。
本大会の組み合わせ抽選会は14日に行われる。対戦国が決まれば、「戦わなければならないスタイル」がより明確に描け、同時に「どの武器を用意するか」が具体的になってくる。
「5月の佐賀合宿とトゥーロン国際大会で絞り込みをして、足りないところにオーバーエイジが絡んでくる」
1月のリオデジャネイロ・オリンピック アジア最終予選後、手倉森監督は世界との戦いを見据えたチーム作りを進めている。本大会での登録人数は18人。オーバーエイジ枠が3人とすれば、残り15人の狭き門を争うことになる。「世界に行って“ただ戦う”だけではなくて、“倒しに行くんだ”という意識を持ってほしい」。選手たちの生き残りを懸けたサバイバルは続く。
取材・文=高尾太恵子
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部