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森重が相手の危険なタックルに怒りの形相…指揮官が求める戦う姿勢を前面に

2016.03.30

シリア戦で相手の危険なプレーに激昂した森重真人。戦う姿勢を前面に出した [写真]=兼子愼一郎

 最終ラインの背番号6が抜群の存在感を見せた。

 29日のFIFAワールドカップ アジア2次予選の最終戦でシリア代表を5─0と一蹴した日本代表。24日のアフガニスタン戦に続いてスタメン出場を果たした森重真人(FC東京)は、正確なキックと闘志を前面に押し出したプレーを披露し、レギュラーポジション獲得へ大きく名乗りを上げた。

 右へ、縦へ、森重の右足キックが冴え渡った。センターバックの位置から右サイドの本田圭佑(ミラン/イタリア)やオーバーラップした酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)らへ糸を引くようなフィードが放たれる。ビルドアップの起点として後方から短いパスをつなぐだけでなく、「常に狙っている」というキックを武器に一瞬で局面を変えた。61分には攻撃参加からの浮き球パスで本田の決定機を導き出した。

 本職の守備でも出色のプレーを見せた。相手のクロスボールを的確に弾き返し、冷静なラインコントロールで守備陣を統率。30分には相手が足裏を見せたタックルを仕掛けてきたことに激昂し、怒りの形相で詰め寄ると、主審にも強い口調でアピールした。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が前日会見で「相手が叩いてきた時に謝る必要はない。ストップと言わなければならない。次はノーだ。俺も殴る可能性があると伝えなければならない」と話していたが、まさに指揮官の言葉どおりに戦う姿勢を打ち出した形だ。

 これで日本代表はアジア2次予選の全8試合でクリーンシートを達成。森重は5試合に出場して記録に貢献した。だが、「まずその目標は達成できた。全員で体を張って守れた」と語った一方で、後半に何度もカウンターで危ないシーンを作られた反省点は忘れていない。

「アフガニスタン戦のイメージで攻撃の時に前掛かりになりすぎた。後半は相手が点を取りに来て前残りしていたので、そこでもっとうまくバランスを取れればこういう試合にはならなかった。(シュートブロックに至るまでの)自分たちのプレーやミスは反省しなければいけないと思います」

 9月にはいよいよ最終予選がスタートする。森重はハリルジャパンの攻撃構築について、「前線の連携やボールの動かし方、どういうリズムで回すのかに関しては、2次予選を通じて試合ごとにつかめて来ている」と手応えを口にしつつ、「最終予選では後ろで持つ時間が少なくなると思う。早いテンポでパスを回すこと、チームとしてコンパクトにするところなど、最終予選で対戦する強い相手にどういう形ができるのかをキリンカップも含めてやっていきたい」とさらなる成長の可能性を探る構えを見せた。

文=青山知雄


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