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U-23日本代表に抜擢! オランダ2部のファン・ウェルメスケルケン・際って誰?

2016.03.14

両サイドバックをこなし、左サイドハーフやボランチでも起用されている [写真]=Getty Images

 3月14日に発表されたU-23日本代表のポルトガル遠征メンバーに、オランダ2部ドルトレヒトでプレーするDFファン・ウェルメスケルケン・際が名を連ねた。リオデジャネイロ・オリンピックのアジア最終予選で右サイドバックを務めた室屋成(FC東京)と松原健(アルビレックス新潟)の二人がそろって負傷してしまう緊急事態の中で、「映像を見た時に興味が湧いてきた」という手倉森誠監督が白羽の矢を立てた形だ。

 ファン・ウェルメスケルケンは1994年生まれの21歳。オランダ人の父と日本人の母を持ち、生まれもオランダながら2歳から日本で過ごしてきた。八ヶ岳グランデFC(現ヴァンフォーレ八ヶ岳)からヴァンフォーレ甲府の育成組織に加入してプレーしていたがトップチーム昇格は果たせず、高校卒業に際してもう一つの母国であるオランダへ単身で渡ることに。そこで伝手のあったドルトレヒトへの練習参加からアマチュア契約を結び、昨年5月に1部リーグデビュー。プロ契約も勝ち取り、今シーズンはオランダ2部を戦う同クラブで試合出場を重ねている。

 ポルトガル遠征前の負傷者続出に際して「選手がいなくなったから、それは『違うやつを探せ』というお知らせだと思っている」と話した手倉森監督は、「テクニカルスタッフの寺門大輔がいろいろ調査していて、(ファン・ウェルメスケルケンは)オリンピック最終予選のエントリーへすでに入れていた。室屋、松原がケガをする中で『映像を集めてくれ』と言って、実際に映像を見て興味が湧いてきた。チャンス、縁があるんじゃないかなと思って選びました」と言う。

 リオ五輪本大会の登録メンバーが18人と少ないことも選出を後押しした。「実は彼はどこでもできる。18人に人数を絞らなければいけない中で二つのポジションができることが大事になってくる。ファン(ウェルメスケルケン)は両サイド、ボランチもこなせる。前節は左サイドハーフで出ていたし、ロングスローもある。今までU-23日本代表が武器として持てなかった部分を持たせてくれれば」と指揮官は期待を込めた。

 甲府U-18時代はセンターフォワードとしてプレーしていた選手がオランダに渡ってサイドバックにコンバートされ、才能を大きく開花させてプロとして活躍を続けている。それだけでも十分な“シンデレラストーリー”だが、代表選出はさらに濃い物語への出発点となるかもしれない。室屋と松原の負傷というアクシデントに見舞われたU-23日本代表にとっての“救い手”となれるかどうかも含めて、ファン・ウェルメスケルケン・際がポルトガル遠征における最大の注目ポイントとなったことは間違いない。

文=川端暁彦

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