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海外挑戦で結果へのこだわりを強くした武藤…約1年ぶりのゴールなるか

2015.09.01

武藤が移籍後初の帰国。報道陣の取材にも笑顔で応じた [写真]=兼子愼一郎

文=高尾太恵子

 狙うは約1年ぶりのゴール。マインツFW武藤嘉紀が自らの得点で公式戦4戦未勝利という日本代表の悪い流れを断ち切ることを誓った。

 今夏、ドイツ・ブンデスリーガのマインツへ移籍した武藤は、今回の代表合流に際して「まずはチームのためにプレーすることが大事ですけど、それにプラスして、今回は自分自身の結果にこだわりたい」と力を込めた。昨年9月9日に行われたキリンチャレンジカップ2014のベネズエラ戦で代表初ゴールを決めながら、それ以降はノーゴール。それだけに得点への並々ならぬ意欲が溢れ出たのだろう。

 日本代表は8月31日、9月上旬に行われるロシア・ワールドカップアジア2次予選に向けて埼玉県内でトレーニングを開始した。6月のシンガポール戦はスコアレスドロー、8月上旬に国内組で臨んだEAFF東アジアカップ2015は2分け1敗の最下位に終わるなど、公式戦4戦未勝利という不甲斐ない結果が続いており、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、練習前のミーティングで選手たちに改めて勝利への意識を植え付けた様子。武藤も「何がなんでも勝たないといけない」と意気込んだ。

 武藤にとっては、8月29日のブンデスリーガ第3節ハノーファー戦で移籍後初ゴールを含む2得点を記録しての凱旋帰国。「だいぶ肩の荷が下りました」と安堵の表情を浮かべながら、「あとは代表で良い結果を残すだけだと思う。代表では得点から遠ざかっている期間が長いので、ここでしっかり点を決めて、勝利に貢献したい」と約1年ぶりとなる代表戦でのゴールを誓った。

 まだ渡独から約3カ月。だが、「戦う姿勢だったり、ファイティングスピリッツはドイツではかなりもまれてきた」と海外挑戦で得た自信は大きい。「オフザボールの動きや戦う姿勢は、日本にいる時よりも強くなったと思います」と自らの変化も実感している。

 マインツでは1トップで起用され、「最初はサイドハーフで出たいという気持ちがありました」と当初は迷いもあったようだが、「監督が求めるポジションで結果を出さないと、次に自分がレギュラーとして活躍できる機会がなくなってしまう。とにかく与えられたポジションで結果を出すことは意識していました」と結果への強いこだわりを見せ、日本代表での1トップ起用も受け入れる構えを示した。センターフォワードには絶対的点取り屋のFW岡崎慎司が君臨するものの、ハリルホジッチ監督は8月27日の代表メンバー発表会見で「真ん中でもプレーできる」と武藤の能力を評価しており、展開によっては前線の中央で起用される可能性もある。武藤自身も「海外でやっている以上、こっちでできないわけがないですし、ここでできなくなってしまったら意味がない。どこでやっても、自分はどこのポジションでもできると言ってもらえるように、しっかりアピールしていきたい」と力強い言葉を発した。

 ドイツでの成長をぜひゴールという結果で示したいところ。本人も「本来のポジションはサイドですけど、今はFWとしてプレーしているので、そこで結果を出すのが仕事」とストライカーとしても闘志を燃やす。

 シンガポール戦では20本を超えるシュートを放ちながら、一度もネットを揺らすことができなかった日本代表。攻撃陣の起爆剤として武藤にかかる期待は大きい。「4戦勝ちなしという非常に難しい状況ですけど、ここは何がなんでも勝たなければいけない。自分自身、日本の勝利に貢献して流れを変えられるようなプレーだったり、結果を出していきたい」と語る姿は自信に満ちあふれていた。

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