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U-22日本代表の手倉森監督…1日のコスタリカ戦で「世界を驚かす可能性を示したい」

2015.07.01

前日会見に臨んだ手倉森監督

文=青山知雄

 来夏のリオデジャネイロ・オリンピックを目指すU-22日本代表が、1日にユアテックスタジアム仙台で行われるU-22コスタリカ代表戦を控えて前日練習を実施。練習前には手倉森誠監督とキャプテンの遠藤航湘南ベルマーレ)が会場のユアテックスタジアム仙台で前日会見に臨んだ。

 U-22日本代表としては大量9ゴールで快勝した3月22日のU-ミャンマー代表とのリオデジャネイロ五輪アジア一次予選以来、約3カ月ぶりの実戦。久々の活動になることを受けて手倉森監督は「一次予選以降、選手はそれぞれのクラブで自分磨きをしてきた。自分たちが今、どのレベルにあるのかを知れるゲームになる。私にとっても、選手たちにとってもテスト。今までの成果とこれからの課題をしっかり捉えたい」と試合に向けた意気込みを語った。

 30日に集合した選手たちに対して指揮官は「本大会でメダルを取るという目標に際して、到達地点の国々が何をしているのか知る必要がある」と考え、まずU-21ヨーロッパ選手権のドイツ対デンマーク、ドイツ対ポルトガルの映像を見せた。同大会はリオデジャネイロ五輪の欧州予選を兼ねており、すでにドイツ、デンマーク、ポルトガル、スウェーデンが予選突破を決めている。選手たちに映像を見せた3カ国は、来年の本大会で対戦する可能性があるチーム。手倉森監督は「ハイクオリティなサッカーだが、我々はそこに辿り着かなければいけないという話をしました。そのための活動として明日が重要な試合だと意識させたかった。来年、世界を驚かせるべく、その可能性があるところを示したい」と選手たちに世界標準へのレベルアップを求めた。

 U-21ヨーロッパ選手権の映像を見た遠藤は、「一人ひとりのフィジカル面の強さや球際で戦う姿勢は、ドイツやポルトガルは当たり前のようにやっていますし、そこのレベルはもっともっと上げていかなければいけない」と危機感を口にしつつ、「攻撃の組み立てに対してはイメージを持ってやってきた。そういう崩しやボールを動かすところは通用するのではないか」と、ここまでの積み上げに関して手応えを口にしている。

 来年1月のアジア最終予選を前に、国内での試合はコスタリカ戦が最後。最終予選突破に向けてのシミュレーションを進めるだけに、手倉森監督は「リオを目指す時にはアジアの戦い方と勝ち抜き方があり、そこでは中東と対戦することをイメージしなければならない。コスタリカはヨーロッパほど組織、機能的ではないが、中南米の本能的なフィジカルの強さ、フィジカルのしなやかさがある。ピッチの中でしか感じられないコンタクトは中東勢を想定した格好の相手」とマッチメイクの理由を明らかにした。

 また、一昨年までベガルタ仙台を率いていた手倉森監督にとっては“凱旋”とも言える試合。「明日は果たして多くの人の前でプレーできることになるのか(苦笑)。ぜひ多くの方々に来てほしい。(日本サッカー)協会は僕の仙台での人気を確かめるために試合を組んだんだろうなと」と冗談交じりに話したが、思い出の地で開催されるU-22日本代表の試合に熱くならないわけがない。仙台を率いていた当時から「被災地の希望となるために」というフレーズを掲げ、震災復興の力となるべく取り組んできた。今回の前日会見でも「サッカー熱に火をつけるためには、ここが重要な年代だと思っている。それを自覚した戦いをしたい」と未来に向けて強い言葉を残している。その思いは推して知るべしだ。

「堂々と戦う雄姿、パフォーマンスを日本国民に示して、期待感を抱かせたい。選手たちは最終予選、本大会と進むにつれて、2018年のロシア・ワールドカップへの可能性が高まると思う」

 リオデジャネイロ経由、ロシア行き。

 これまでも五輪を契機にフル代表へステップアップした選手は数知れない。指揮官が言及したように、このコスタリカ戦が最終予選、そして本大会への第一歩となる。試合は1日18時53分からテレビ朝日系列で全国に生中継される。次世代の日本代表を支えるであろう選手たちが繰り広げる進化の歩みを見届けない手はない。

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